溝口健二、黒澤明と並び、日本映画界の最高峰と称される、小津安二郎監督。国際的にも評価が高く、代表作『東京物語』(1951年)は2012年に英国映画協会『Sight&Sound』映画監督が選ぶ映画ランキングで第1位に輝いている。だが、実は小津安二郎監督作品、海外での評価は同時代 ...
カテゴリ: 娯楽(映画)
膨らみ、萎み、魂は揺蕩う/『羊飼いと風船』レビュー
中国から、チベットの今を写す映画が届いた。雄大な自然を繊細な映像美で描きつつ、伝統的な信仰と現代社会の軋轢に翻弄される家族の物語。『羊飼いと風船』は、地球規模で人々の分断と邂逅が叫ばれる現代に相応しい、時代性と普遍性を併せもつ骨太な人間ドラマだ。 『羊飼 ...
映画『スイッチバック』がブラッシュアップ/【おおぶ映画祭2021】プレ上映会 舞台挨拶レポート
2020年9月19日(土)20日(日)、新型コロナ(COVID-19)禍による二度の延期を乗り越え、愛三文化会館(愛知県大府市明成町1丁目330)で開催された【おおぶ映画祭2020】。上映作品のうち『クレマチスの窓辺』(永 岡俊幸監督)『スイッチバック』(岩田隼 之介監督)の2本はワール ...
ハンガリー発 社会派ハートウォーミング映画/『この世界に残されて』レビュー
ハンガリーから、社会派ハートウォーミング映画が届いた。米アカデミー賞©(2020年)国際長編映画賞に選出され、ハンガリー映画批評家賞では3冠に輝いた、バルナバーシュ・トート監督『この世界に残されて』だ。『この世界に残されて』 ストーリー婦人科医のアラダール・ケ ...
少し大人になったところだ/【原恵一映画祭スペシャル『藤原啓治のひろしを見るゾ』】潜入記
2020年12月19日(土)、名古屋駅は新型コロナウイルス(COVID-19)第三波により自粛ムードが漂っていた。そんな夕暮れ時、シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12)にはソーシャルディスタンスに気を配りつつ人々が集まっていた。恒例の自主企画【モーレツ!原恵一映画祭 in 名古 ...
星時、冬のホラー/【MIRAGE THEATRE Vol.2】開催
ご存知、ゴチソー尾張「美濃遠征シリーズ」、今回は冬の陣。12月12日(土)、喫茶 星時(岐阜県岐阜市神田町3丁目3 加藤石原ビル2F)にて、Cafe Mirageプレゼンツ【MIRAGE THEATRE Vol.2】が開催された。※よろしければこちらもどうぞ※
新型コロナ(COVID-19)第三波は岐阜県 ...
ちょっと前を見るように/『空に聞く』小森はるか監督 舞台挨拶レポート@名古屋シネマテーク
東日本大震災の直後に立ち上がった「陸前高田災害FM」は、徹底的に地元の人々に寄り添うコミュニティFMだ。市内に住む人々を取材し、復興の経過をレポートし、お祭りの現場から生放送をする。そして、毎月11日には、黙祷放送を行っている。番組のパーソナリティを務めた阿 ...
掟のみに頼む、それが無頼漢/井筒和幸監督『無頼』レビュー
井筒和幸監督の映画は、出演者に「新しい顔」をもたらす。『ガキ帝国』の、島田紳助・松本竜介(紳助竜介)。『二代目はクリスチャン』の、志穂美悦子。『岸和田少年愚連隊 BOYS BE AMBITIOUS』の、矢部浩之・岡村隆史(ナインティナイン)。『パッチギ!』の、高岡蒼佑、沢尻 ...
『佐々木、イン、マイマイン』内山拓也監督 細川岳 萩原みのり 森優作/舞台挨拶レポート@センチュリーシネマ
初長編『ヴァニタス』で【PFFアワード2016】観客賞を受賞した内山拓也監督は、King Gnu「The hole」のMVでも知られる、28歳の俊英。11月27日(金)より全国ロードショーが始まった『佐々木、イン、マイマイン』は、『ヴァニタス』の主演・細川岳の原案で、内山監督と脚本を練っ ...
もしかしたら、あなたも……/天野千尋監督『ミセス・ノイズィ』レビュー
『ミセス・ノイズィ』ストーリー吉岡真紀(篠原ゆき子)は、大ヒット小説を書いて一世を風靡した、「かつての売れっ子作家」。裕一(長尾卓磨)との結婚、出産を理由に書かなくなるのを好しとせず日々創作活動に打ち込んでいるが、スランプに悩んでいる。引っ越しを心機一転にと ...