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『サイモン&タダタカシ』(2017年/83分)は、第39回ぴあフィルムフェスティバルのクロージング作品で、名古屋でも名古屋シネマテーク(名古屋市千種区今池)で2018年4月に公開され大評判となった。
『サイモン&タダタカシ』は、「PFFアワード2014」でジェムストーン賞を受賞した小田学監督の長編デビュー作で、「PFFスカラシップ」の24本目の映画である。
小田学監督は、PFFスカラシップの最年長ということも話題を呼んだ。

2018年4月28日(土)~30日(月)、シアターカフェ(名古屋市中区大須)で【『サイモン&タダタカシ』公開記念 小田学監督特集上映】が組まれ、多くの映画ファンが足を運んだ。
最終日の4月30日、小田学監督、そして“小田組のミューズ”依田哲哉が舞台挨拶に立った。

【『サイモン&タダタカシ』公開記念 小田学監督特集上映】

(Aプログラム)
『塩鮭』(2005年/30分)
『空き瓶』(2008年/3分17秒)
『今、ここにいる事』(2009年/19分)
『友達』(2010年/13分)
『二人』(2012年/13分31秒)
『ネオ桃太郎』(2014年/20分)
『うどん屋の子』(2015年/12分)

(Bプログラム)乃木坂46 個人PV
『アイスティーガール』(6分/出演:伊藤かりん、川村真洋、山本圭祐)
『かわいいばか、のちのボン!』(4分/出演:能條愛未、柳沢茂樹、山本圭祐)

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依田哲哉 監督とは、小学校の同級生なんです。自分も久しぶりに観るのが多かったんで、忘れてる部分も多くて……でも、観たら色々思い出しました、嫌なこと、悪いこと含め(笑)。

小田学監督 外で聞いてて、Bプログラムは、今までの作品の「焼き増し感」が半端なくて(笑)……

依田 確かに、こうして連続で観ると、かなりネタかぶりが。

小田監督 もう、「バレたわ~」と、「超恥ずかしいな」と思いました。でも言い訳をすると、あれは企画が来て、話を考えて、撮影・編集までの時間が短かったんで……仕方なく過去のアイデアを焼き増しして使ったという……

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依田 そういう事情があったんですね。それにしても、全部観ると結構なボリュームでしたね。僕も出てるのに、「こんな長えんだ!」みたいな(場内笑)!

小田監督 「深みがないから、観てられねぇ」って(笑)?もう、上澄みばっかだからね。

依田 いやいやいや!「多彩な作家性だな」って思いましたよ。作品によって、カラーが結構違う感じですもんね。

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小田監督 でもやっぱり、『ネオ桃太郎』が俺は一番好きだなって思いましたかね。あと、『空き瓶』とか。全部、こいつ(依田)のことを考えながら書いてたという……『サイモン&タダタカシ』も全部、こいつのことなんで、基本的に(場内笑)。

依田 凄く昔から、「好きだ」「好きだ」みたいなことを言われ続けてきてるんですよ、確かに。でも、「LOVEではないんだ」と。

小田監督 2人でトイレとか行っても、どうしても気になる!というか(場内笑)。

依田 今日も2人で(トイレに)行って、見てきましたからね(笑)。だけど、「断固ラブじゃないんだ!」と。

小田監督 俺も、自分でもよく分かんないんですよね。何なんだろう?

依田 お互い、既婚ですしね。

小田監督 こんな人間が作った映画です(笑)。これからも作るんで、応援してください。今、オタクの高校生の子供と3人で暮らす夫婦の話を書いています。それが多分面白くなると思うんで、是非観てください……3年くらい掛かるかもしれませんが(笑)。

Q. その新作は、長編ですか?

小田監督 はい、長編です。

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Q. 過去に影響された映画や漫画はありますか?

小田監督 漫画はギャグ漫画が好きで、コマ割りが面白いと思ってました。あと、漫才が好きで、掛け合いを凄くやりたいと思って見てました。映画は基本的に観てなかったんで、映画から影響を受けたことはあんまり無いかも。もてたくて、中三くらいの時はラブコメしか観てなかったですね。それも、ちょっとだけ、しかも同じ作品……デミ・ムーアの『幸福の条件』(1993年)が凄く好きで、多分30回くらい観てるんじゃないかと思います(笑)。

依田 やる役者の方は大変ですよ、漫画をやらなくちゃいけないんで。次の場面では全然脈絡もないような時もあるので、小田組は結構大変だと思います(笑)。

Q. 『塩鮭』を撮ったのは、何歳くらいの時だったんですか?

小田監督 24歳……ですか。学校を卒業して初めて自分のお金で、ちゃんとした長めの自主映画を撮ってみようという作品でした。30万くらい掛かったかな。後の作品は、ほぼ5万円以下です。『二人』は、5万。『ネオ桃』も、多分5万。『うどん屋の子』が、10万。『今、ここにいる事』は、7万くらい。『友達』は、10万くらいかと。『空き瓶』は、ゼロ円(笑)。で、ほぼ全部1日で撮ってます。

Q. 短編映画の脚本は、起承転結を意識しますか?

小田監督 短編映画は、途中から始めても良いんじゃないかと……「起」が無くても、良いですし。また、「起」からいきなり「結」でも良いかと。物語が中々進まないのが好きなんですよね。この人(依田)即興をやってるから、何気ない会話から話を考えたり。あとは妄想ですね。苦手なのは、「起承転結」です(笑)。長編(『サイモン&タダタカシ』)を書いてる時、頭が狂いそうになりました(笑)。短編はルールを決めちゃうと他の人と同じになっちゃうから、超自由で良いと思ってます。

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舞台挨拶後、小田監督は『仲直り』(2002年/9分)という作品を教えてくれた。

小田監督「『仲直り』と『友達』で、「ゲイ3部作」ですので、よかったら観てください」
依田「あと1つは、何なの?」
小田監督「『サイモン&タダタカシ』だよ」

これを機に『仲直り』はYouTubeに最アップしたそうなので、是非チェックしてほしい。

そして、今後の小田学作品を心の底から待ちたいと思う。
長編も、短編も――。

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