「この映像が流れているということは、私は本日そちらの現場には伺えていないということで……ごめんなさいっ!スケジュールが合わず、ちょっと今日は行けなかったんですけども、遠い遠い空の向こうで……そんな遠くないんですけど、都内のどこかで応援しております。どうですか、『やっさだるマン』……好きですか?…(耳をそばだてるゼスチャー)…ありがとうございます。今回、7年ぶり?8年ぶり?の皆さん大集結ということで、ちょっと成長した私たちの姿が観ていただけるのではないかなと思っております。今回はじめて観ていただくという方もいらっしゃると思うんですけれども、やっさだるマンの可愛さだったりだとか、三原の素敵なところだったりとか、本当に魅力がギュギュッと詰まった作品になっておりますので、たくさんの方に愛される作品になることを私も願っております。これを観た皆さんは、本日この舞台挨拶が終わった後に、SNSで「『やっさだるマン』最高だったぜ!」と“#やっさだるマン”を付けてツイートしてください。必ずですよ、あやちとのお約束です(笑)」
残念ながら登壇できなかった竹達彩奈のビデオメッセージがスクリーンに映しだされ、集まった観客は大きな拍手を送った。
「「7年ぶり?8年ぶり?」が凄い可愛かったなと、男の方全員思ったと思います……女性も思ったかも知れないですけど(笑)」
登壇者の一人、佐藤永典はそんな風におどけて見せた。
2018年4月22日(日)、封切り2日目のこの日、『やっさだるマン』舞台挨拶に、大森研一監督、出演者の佐藤永典、須藤茉麻、そして“やっさだるマン”が、センチュリーシネマ(名古屋市中区栄)センチュリー1に登壇した。
メッセージでも触れられていたが、竹達彩奈、佐藤永典、須藤茉麻は、2010年公開の映画『ライトノベルの楽しい書き方』で共演しており、しかも『ラノたの』は大森研一監督の長編商業デビュー作なのだ。
ちなみに、竹達は『ライトノベルの楽しい書き方』以来7年ぶりの実写映画出演作が、今回の『やっさだるマン』となる。
『やっさだるマン』ストーリー
広島県三原市の公式マスコットキャラクター「やっさだるマン」が、故郷に帰ってきた。100位以内を目標に参加した『ゆるキャラ®グランプリ』本選を終え、“中の人”を務める如月肇(佐藤永典)と、メンテナンス兼イベントMCの赤畑里美(須藤茉麻)は、236位というを報告する。
ふて腐れる肇だが、散々な結果を反省する素振りは見せない。やっさだるマンに人気がないから仕方ないのだ、と。その様子を、市役所の上司である課長(清水美沙)は激しく叱責。先輩・向井(宮川一朗太)には苦笑いされ、行きつけのバーのマスター(目黒祐樹)には小言をもらい、父母(阪井健太郎・野々村俊恵)には呆れられている。
そんな肇が突然やる気を見せ始めた切っ掛けは、「やっさだるマン課」に新人・礒合優那(竹達彩奈)が配属されたことだ。優那がやっさだるマンの大ファンだと聞き、彼女に一目惚れした肇のテンションは一気にMAX。折から三原市では、三原城築城450年を記念した行事が目白押し。やっさだるマンも次回の『ゆるキャラグランプリ』10位を目標に、一大プロジェクトを仕掛けることになる。
やっさだるマンの人気向上のため肇が考えたアイデアは、実現が困難と思われた。しかし、叔父が映画の仕事をしているという優那は、動画の撮影に才能を発揮、毎年市の音楽祭にダンサーとして参加する里美は、やっさだるマンのダンスを振り付けする。仲間の、そして応援してくれる市民(ほりかわひろき)らの力で、やっさだるマンの人気は徐々に上がり始める。だが、一番肝心なイメージソングの制作には、肇自身が抱える問題が大きく立ちはだかっていた。
プロジェクトの行方は?『ゆるキャラグランプリ』の結果は?どうなる、「やっさだるマン課」――?
大森監督 せっかくだから、ワンフレーズ歌ってみてくださいよ。
佐藤 (場内拍手)……やめてくださいよ(笑)!この主題歌はオリジナルで、この作品のために作られたんですよね?
大森監督 そうなんです。この映画のキャッチフレーズは「これは実話!になるのか!?」なんですけど、これが本当に実話になったらいいなという願いを込めた映画なんです。
佐藤 共演してた清水(美沙)さん達も、歌やダンスは元々三原にあったと思ってたそうですよ、最初は。
大森監督 今もう早速、小学校とか文化祭だとかで、地元ではちょこちょこ広まりつつあるみたいで。
須藤 えー、そうなんですか!?映画の中ではダンスの振りを考えたって役なんで、嬉しいですね。
佐藤 (須藤さん)上手いんですよ!
須藤 やめてください、本当そういうの(笑)!
佐藤 ちゃんと斜めに顔を向ける感じで!
須藤 ……馬鹿にしてません(笑)?
佐藤 馬鹿にしてないですよ!いや、流石だな、と。
大森監督 実際、役の中だけじゃないですからね。やっぱり、ダンスはキレてましたよ、本職だけに。
須藤 別に、ダンスが「本職」じゃないですよ(笑)!
佐藤 でも、何年もやり続けていたものじゃないですか。
須藤 一応、何年もやり続けたものですけど、バリバリのアイドル時代からはブランクがあったんで(活動停止中のBerryz工房)、そんなに踊れなかったので……
大森監督 いや、圧倒的にキレが違いましたよ、出演者の中でも……
佐藤 一位(須藤を指差して)、二位(自分を指差して)でしたよね。
須藤 (大笑)……成功したこと、ありましたっけ?
佐藤 無い……ですねぇ。朝、皆さんと踊って、お芝居して……って繰り返しだったんです。だから、ヘトヘトで。インタビューで言ったんですけど、小さい子が凄く上手で「上手だねぇ!」って言ったら、「お前が下手なんじゃね?」って言われて(場内大笑)。
大森監督 須藤さんもそうだと思うけど、いっぱいの子ども達と一緒に踊ってる所は共演者の方も後から知って、「こんなにいっぱい踊ってたんだ!」ってなってましたよね。だから佐藤さん、踊りの回数だけは一番……
佐藤 いやぁ……本当に、熟練されましたよ!
須藤 でも、成功はしてないんですよね(笑)?
佐藤 ……まぁ、無いですね(笑)。
Q. 映画で流れたPVは、DVDの映像特典に付くんですか?
大森監督 実は、既に準備はしてるんです。皆さんに踊ってもらえるよう、分かりやすく……ちょっと予告なんですが、「教えて、里美先生!」っていう特典映像を付けようかと(場内拍手)。
須藤 一人で、駅前で踊ったんですよ。恥ずかしいったらありゃしない(笑)!
佐藤 嘘(笑)!顔を斜めにクイッとやって、踊ったんでしょ(場内笑)?
大森監督 新幹線も停まりますから凄い人が通る駅前なんですよ。こっちも撮ってて、お願いしときながらなんですけど、「あぁ……さすがプロだな、度胸あるな」って思いましたよ。
佐藤 ちょっと、見せてくださいよ!
須藤 やめてください!(場内拍手)……じゃ、歌ってくださいよ!
佐藤 あ……それは嫌だな(笑)。ちなみに、歌の見せ所は「馬鹿にされても」の「馬鹿にぃ~」っていうところです……70回くらい録りましたから(場内笑)!
大森監督 スタジオで収録してる時、凄い拘って……「いや……良いんじゃないの、今ので?」って言っても、「ヴァカァにぃ~されぇてぇもぉ」ってやってましたから(笑)。
Q. バーのシーンで、後ろで飲んでるお兄さんが気になったんですけど?
佐藤 裏で飲んでる怪しい方がいらっしゃいました。
大森監督 あの人は、昔からの友達なんです。『ライトノベルの楽しい書き方』でも出てるんですね。作品の中でちょこちょこ『ライトノベル』を偲ばせるシーンや音を入れてるんですけど、彼もその一つです。
佐藤 でも、文句も言ってましたよ。
須藤 何て?
佐藤 「何やるか分からないまま、いきなり広島に呼ばれて……「どうやって帰れば良い?」って聞いたら、「自由に帰って」って言われた」って(場内笑)。
Q. 好きなシーンは?
須藤 個人的に好きなのは、最初の方に肇と酔っ払って帰るシーンです。あれ、けっこう素だと思うんで。
佐藤 あれ、面白かったね。めっちゃ怒られたんですよ。リハでは真っ直ぐ歩けるんですけど、本番に入ると道を逸れてしまって、普通に背中をぶっ叩かれてるという(笑)。
須藤 カメラワークやりながら練習してるのに、本番になったら外れるんですよ、フレームから!だから、それを修正するために(笑)。
この後、抽選会が執り行われ、当選者にはここでしか入手できない豪華『やっさだるマン』グッズがプレゼントされた。
大森監督 最後に、一人一言ずつお願いします。
須藤 やっと昨日(4/21)から公開されまして、その前から上映会もやらせてもらってたんですけど、遂に……遂に、スタートしたので、これからが本番だと思っています。お友達とかご家族と一緒に観ていただければ嬉しいなと思っています。何とぞ、映画の応援よろしくお願いします!
佐藤 ちょっと、色々ふざけたりもしましたけども……この映画自体は、三原市の450周年記念で映画を作ろうという会が発足されて、僕たちは一年くらい前からですけど、監督や皆さんは4~5年前から企画して、やっと昨日たくさんのお客様に観ていただける日を迎えられて、本当に嬉しく思います。三原の地元上映でもたくさんの方に来ていただけて、昨日の初日もたくさんの方に来ていただいて……また、こうして名古屋や大阪にも来ることが出来て、嬉しいです。原作物ではない、監督が作ったオリジナル作品ということで、観ていただけたらこの素敵な物が届くんじゃないかと思います。まず観ていただく為に僕たちもたくさんの方に広めていきますし、もしよろしければ皆さんも広めていただけたら嬉しいと本当に思っております。これからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。
大森監督 皆さんが思われている以上に、皆さんの力が必要なので……色々方法があると思いますので、一緒に応援していただいて、『やっさだるマン』を盛り上げてください!よろしくお願いいたします。
舞台挨拶後、佐藤永典、須藤茉麻、やっさだるマンは、観客一人ひとりをお見送りした。
サービス精神こそ、ゆるキャラにも映画にも必須条件、謂わばエンターテイメントの基本である。
3人に見送られセンチュリー1を出る観客は、全員が笑顔であった。
こうして、ゆるキャラも、映画も、『やっさだるマン』はもっともっと愛されていくのだ――。
映画『やっさだるマン』
監督・脚本:大森研一
佐藤永典 須藤茉麻 竹達彩奈
宮川一朗太 野々村俊恵 清水美沙 目黒祐樹
阪井健太郎 参川剛史 近野誠一郎 粕谷大介 白石理央 ほりかわひろき 廣川将都
プロデューサー:広瀬真寿美
共同プロデューサー:篠村保之
撮影:今井哲郎
録音:湯脇房雄
音楽:中橋孝晃
企画・製作:ウサギマル
2018年/日本/カラー/16:9/5.1ch/90分
公式サイト︰http://darumans.com
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