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平成30年1月28日(日)、牛玉山 観音寺(津島市天王通り)にて護摩祈祷に参列することが出来た。

護摩祈祷……護摩焚き、護摩供(ごまく)、護摩供養、護摩法要、様々な名称で呼ばれるが、日本の神社仏閣で行われる火を使った祈祷の一種である。
大日如来、不動明王といった火に縁の深い仏性の降臨を念じて、護摩壇で火を焚き祈りを捧げる。
主に寺院の行事だが、火に纏わる神を奉じている神社でも、火祭りとして行われている。

「8日はお薬師様(薬師如来)、18日は観音様(観世音菩薩)、21日はお大師様(弘法大師 空海)というように、仏様には縁日というのがございます。今日28日は、お不動様(不動明王)の御縁日です」

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長谷川住職は、そんな風に法話を始めた。
不動明王は観音寺の御本尊で、毎月28日に護摩祈祷を開催している。
1月28日は平成30年の初不動であった。

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「亡くなって初七日の法要が終わると、初めに会うのがお不動様だと言われています。色々な段階を踏んで極楽に行く訳ですが、最初にお力を借りるのがお不動様なんですね。右目で上を左で下を見ていたり、正面を睨みつけていたり……うちのお不動様は割りと優しい顔をされてますが、色んなお不動様がいまして、大体は怖いお顔をしています。ただ、その心が分かると、お不動様はとても優しい仏様です。様々な想い、悩みを持たれている皆さんを必ずお救いしようとしてくれる温かい仏様ですので、私たちも幸せを齎すことを信じて一所懸命にお務めさせていただきます」

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御住職が法具を持ち、不動明王の御加持を執り行った後、護摩祈祷の参列者は講堂から本堂へ案内された。
護摩行を行う仏堂のことを「護摩堂」というが、観音寺は本堂が護摩堂なのだ。

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護摩祈祷に先だち、参加者は「護摩木(ごまぎ)」を納めることになる。
護摩木に書かれた梵字の下に願い事を、下部に名前を記入する。
参列者は当日に記入しても良いし、祈祷への参列が叶わないのであれば前以て収められるよう、観音寺の十二支御本尊礼拝殿には常に護摩木が用意されている。
この護摩木を焚きあげることにより、不動明王に奉げる炎を起こすのだ。
(写真は、観音寺ホームページより転載)

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また、「護摩札(ごまふだ)」を求めることも出来る。
護摩の火にくぐらせることにより不動明王の御利益が授けられる護摩札は、持ち帰って然るべき場所に安置する。
(写真は、観音寺ホームページより転載)

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この日は、真言宗の法具・五鈷杵による御加持が行われた。

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副住職の太鼓の音が空気を震わせ、経文が始まる。
御住職は、真言宗智山派の作法に法り、印を結び、法具を振い、念珠を操る。

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護摩木に記された名前と願いごとが全て読みあげられ、焚き上げが始まった。

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護摩札、色紙を炎にくぐらせ、お不動様の御力を纏わせる。

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住職、副住職、そして祈願者が、一同に不動経を唱える。
「のうまく さまんだ……」真言は、本堂に響き渡る。
護摩の火で温かく……否、暑くなりつつある気温に反比例し、本堂の空気は次第に澄み渡るようであった。

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我々の煩悩は護摩木という焚き木になり、大きな炎を起こし、大いなる智慧の光を齎した。
それは正に、不動明王の御心である温かな慈悲そのものであった。

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牛玉山 観音寺(ごおうざん かんのんじ)
永正12(1515)年、快祝法師が中興し、見越村(現在の愛西市佐織町)にあり、「三輿山 廻向院 観音坊」と呼ばれた。
織田信長の父・信秀に愛され、豊臣秀吉、徳川家康の信頼も厚く、現在の地に移り津島神社の社僧に加わり牛玉山 神宮寺と呼ばれた。

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御本尊 不動明王坐像(応永6年 良辨作)

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参道には四国八十八ヶ所霊場が祀られている。

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真言宗の真髄は現世利益、すなわち自身の心願が叶ってこそ供養も適うという教義である。
観音寺の境内には、商売繁盛の三吉稲荷も併設されている。

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水子地蔵は、信者から毛糸の帽子が毎年寄進される。

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十二支御本尊礼拝殿
干支の守り本尊の前に、大念珠が掛けられている。

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御影朱印で有名な長谷川副住職による仏画

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副住職の手による3面御朱印は、大変人気がある。

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あまりの評判のため現在は対応する日を限定し、公式ホームページで予約を受け付けている。

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予約方法は、ホームページを参考のこと。

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牛玉山 観音寺
真言宗 智山派
〒496-0807
 愛知県津島市天王通り六丁目43番地の1