2026年8月28日(金)全国公開

映画『平行と垂直』

公開を1ヶ月後に控え、名古屋にて特別な試写会が開催された。

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主催したのは、中京大学現代社会学部の学生たちを中心としたLIUB2026実行委員会
上映後には本作のメガホンをとった小林聖太郎監督が登壇した。

本イベントの中心に居るのは『平行と垂直』でASD監修を務めた中京大学辻井正次教授であるが、舞台に姿を現さないのは何とも粋と言わざるを得ない。
発達障害への理解を深める活動を続ける学生たちの熱意が前面に溢れ、そこに巨匠・小林監督の温かな眼差しが呼応する、濃密な「対話」の場となった。

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「生涯発達援助」を掲げる母体と、実践を重んじる辻井ゼミ

本イベントのバックボーンにあるのは、発達障害支援のフロントランナーであるNPO法人アスペ・エルデの会と、中京大学の辻井正次ゼミである。

アスペ・エルデの会は、発達障害児者の支援、専門家養成、啓発活動を統合的に行う「生涯発達援助システム」として2002年に設立された。
理事長を務める辻井教授は、臨床心理学の知見をベースに「支援が必要な人が社会で生きていくためのシステム」を構築することに心血を注いできた。

辻井ゼミでは、4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせた「LIUB(Light It Up Blue)」プロジェクトなどを通じ、学生たちが自ら考え、動くことで社会との接点を創出している。
今回の試写会もまた、学んだことを誰かに伝えるための「実践の場」であり、映像やアニメーション制作まで手掛けるゼミの創造的気質が、本作の重層的なメッセージと深く共鳴していた。

『平行と垂直』メイン

小林聖太郎の作家性:非効率な「日常」へのNOとYES

ゲストの小林聖太郎監督は、ジャーナリスト今井一の助手を経て、ドキュメンタリーの鬼才・原一男に師事した異色の経歴を持つ。
『かぞくのひけつ』で日本映画監督協会新人賞を受賞して以来、一貫して「小さくて温かいもの」が維持される社会の有り様を問い続けてきた。

本作『平行と垂直』における監督の手腕は、ASDの兄・大貴(安田章大)が刻む「直角の歩き方」や「正方形の玉子焼き」といった細部に宿る。
「(経済的に)役立つものにしか価値はない」という現代の合理主義に対し、監督は大貴の丁寧な、しかし非効率な日常を肯定することで明確な「NO」を突きつける。
セリフを削ぎ落とし、大貴が清掃用具を整える音や、妹・希(のん)の寝癖といった「生々しい生活感」で語らせる言葉を超えた演出は、監督ならではの「余白の美学」と言える。

【動画公開】「右足から出る」こだわりと、安田章大が放った笑顔の魔力



上記の動画には、上映後の劇場でしか語られなかった小林監督の素顔と制作秘話が収められている。

「上映後のトークは初めてで緊張している」
と語る監督が明かした、自身も持っているという「横断歩道の白い部分を必ず右足から踏む」という意外なこだわり。
また、ASDを題材にしながらも
「20年前の助監督時代とは呼び方すら変わっている」
という気づきや、主演の安田章大のんとの信頼関係についても深く言及されている。

特に、監督が「これはいける」と確信した安田さんの笑顔についてのエピソードや、のんさんが河原で見せた感情の起伏の素晴らしさなど、作品を観る前に、あるいは観た直後に確認したくなるトピックが満載だ。

イベント内では、ゼミ生たちの企画による「大貴クイズ」も開催され、会場は大いに盛り上がった。
劇中の大貴の特性やルーティンにまつわる出題は、ASDへの理解を楽しみながら深める素晴らしい試みであったが、残念ながら動画内ではカットせざるを得なかった。
というのも、クイズの内容が劇中の重要な設定や演出に直結しており、未鑑賞の読者にとって致命的な「ネタバレ」を含んでいたからだ。
この「幻の盛り上がり」の正体は、ぜひ8月28日からの劇場公開で、あなた自身の目で確かめてほしい。

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劇場の暗闇で「味方」に出会うために

「全員が全員、あなたの味方だよ」
安田章大が企画から携わり、小林聖太郎監督と共に丁寧に作り上げたこの物語は、分断が進む現代社会への強力な処方箋である。

誰かの見え方や感じ方に少しだけ思いを巡らせ、手を取り合うこと。
名古屋の学生たちが灯した青い光(LIUB)は、スクリーンを通じて、私たちの日常を美しく、豊かに整える「平行と垂直」の軌道へと繋がっていくはずだ――。

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『平行と垂直』

安田章大 のん
伊島空 高山トモヒロ 谷村美月 福田転球 芦川誠 早織 久保田磨希 
河野咲良 髙田幸季 武藤凪 林英世/神野三鈴 菅原大吉


監督:小林聖太郎 原案・脚本:山野海 音楽:富貴晴美
企画:安田章大 企画プロデュース:佐藤現 
プロデューサー:樫﨑秀明 竹下新悟 撮影:大塚亮 照明:藤井勇 美術:須坂文昭 録音:西條博介 スクリプター:川野恵美 
編集:宮島竜治 スタイリスト:山﨑忍 ヘアメイク:山井優 助監督:木川学 製作担当:土田守洋 キャスティング:伊藤尚哉 
宣伝プロデューサー:丸山杏子 ASD監修:辻井正次 伊庭葉子 浮貝明典 

製作:「平行と垂直」製作委員会
(東映ビデオ、アスミック・エース、メディアプルポ、中京テレビ、テレビ大阪、ストームレーベルズ、ローソン、東映シーエム) 
特別協力:大阪府堺市 
取材協力:さくらんぼ教室、NPO法人アスペ・エルデの会、NPO法人PDDサポートセンターグリーンフォーレスト
後援:日本発達障害ネットワーク、日本自閉症協会 制作プロダクション:セントラル・アーツ 製作幹事・配給:東映ビデオ

©2026「平行と垂直」製作委員会

公式HP:https://www.toei-video.co.jp/heikoutosuichoku/
X/Instagram:@heikou_suichoku