2026年8月28日(金)、SUPER EIGHTの安田章大が自ら企画し、のんとのW主演で贈る
映画『平行と垂直』
が全国公開される。
自閉スペクトラム症(ASD)の兄と、彼を支え続けてきた妹。
本作は「障がいへの理解」という言葉では片付けられない、人間の尊厳と「自立」の本質を、大阪・堺の柔らかな風景の中に描き出した傑作だ。

タイトルが示す幾何学的なこだわりと内面の呼応
本作を象徴するのは、主人公・大貴(安田章大)が曲がり角や路面の模様に合わせて「直角」に曲がる、幾何学的な歩き方だ。彼は世界を「平行と垂直」の秩序で捉えることで、自らの平穏を保っている。
単なるASDの特性描写に留まらず、この「平行」と「垂直」という言葉には重層的な意味が込められている。
兄妹が歩んできた「平行」の歳月は、妹・希(のん)の結婚という転機が「垂直」な交わりとなり、新たな局面が訪れる。
安田章大は企画から加わり、約2年に及ぶ専門家の監修を経て、この繊細な役柄に魂を込めた。
冷蔵庫の付箋一枚に至るまで「平行と垂直」に整えられた大貴の暮らしぶりは、彼の「丁寧な生き方」そのものであり、観客はその秩序の中に深い慈しみを見出すことになる。

「支える側」の葛藤と、効率主義への静かなる抵抗
本作が類例を見ないのは、希という「支える側」の揺れを、カウンセラーという彼女の職業上の冷静さと、一人の女性としての情熱の両面から表現していている点だ。「兄の生活」と「自分の人生」の板挟みになり、思わず漏れる「私の人生邪魔せんといて!」という悲痛な叫び。
これは「家族だから当然」という日本社会の同調圧力に対する、あまりに人間的な抗いである。
小林聖太郎監督は、現代社会にはびこる
「(経済的に)役立つものにしか存在意義はない」
とする極端な合理主義に対し、本作を通じて明確な「NO」を突きつけている。
大貴が焼く正方形の玉子焼きや、近所の子供・紗奈(河野咲良)との何気ないおにぎりの共有。
そんな「非効率」な日常の集積こそが、人を人たらしめる。
監督の温かな、しかし揺るぎない眼差しは、観る者の「善性」を偽善と断じる「ホンネ」の荒波から守り抜こうとしている。

関西ネイティブによる「湿度」のあるアンサンブル
舞台となる大阪・堺の情緒が、物語に圧倒的なリアリティを与えている。阪堺電車の「綾ノ町駅」や、地元の人々に愛される商店街の風景。
安田、のん、そして監督の三人が関西出身であるからこそ生み出せた、言葉の端々に宿る絶妙な間(ま)と温度感が心地よい。
また、脇を固めるキャスト陣の対比も興味深い。
高山トモヒロ、福田転球、神野三鈴、菅原大吉らベテラン勢「芝居功者」の安定感が、兄妹を取り巻く世界の「寛大さ」と「辛辣さ」を立体化させる。
大阪弁の長台詞を完璧にこなした河野咲良、武藤凪、そして髙田幸季ら子役たち「若き名優」の躍動が、作品に瑞々しい息吹を吹き込んでいる。
この混合ぶりが生む「妙なアンサンブル」は、決して説明過多にならず、観客に想像の余白を委ねる映画的な豊かさに満ちている。

劇場の暗闇で「味方」に出会う体験
安田章大が推薦し、自らもコーラスで参加した浮(ぶい:米山ミサ)による主題歌「話そう」は、言葉にならない兄妹の想いを浄化するように響く。「普通」という言葉がいかに誰かを傷つけ、また自分を縛り付けているか。
安田がコメントで寄せた
「自分の中にはまだ存在してくれてなかった言動に対する受動力」
という言葉は、分断の進む現代社会への強力な処方箋だ。
『平行と垂直』は、鑑賞後に誰かと「話そう」と思わせてくれる映画である。
チャペルの扉の前で二人が同時に靴の踵を鳴らす瞬間を、あなたは目撃する。
真っ暗な劇場のスクリーンに浮かび上がる美しい「平行と垂直」は、目映い輝きを放つ未来へと続く軌道(レール)なのだ――。

『平行と垂直』
安田章大 のん伊島空 高山トモヒロ 谷村美月 福田転球 芦川誠 早織 久保田磨希
河野咲良 髙田幸季 武藤凪 林英世/神野三鈴 菅原大吉
監督:小林聖太郎 原案・脚本:山野海 音楽:富貴晴美
企画:安田章大 企画プロデュース:佐藤現
プロデューサー:樫﨑秀明 竹下新悟 撮影:大塚亮 照明:藤井勇 美術:須坂文昭 録音:西條博介 スクリプター:川野恵美
編集:宮島竜治 スタイリスト:山﨑忍 ヘアメイク:山井優 助監督:木川学 製作担当:土田守洋 キャスティング:伊藤尚哉
宣伝プロデューサー:丸山杏子 ASD監修:辻井正次 伊庭葉子 浮貝明典
製作:「平行と垂直」製作委員会
(東映ビデオ、アスミック・エース、メディアプルポ、中京テレビ、テレビ大阪、ストームレーベルズ、ローソン、東映シーエム)
特別協力:大阪府堺市
取材協力:さくらんぼ教室、NPO法人アスペ・エルデの会、NPO法人PDDサポートセンターグリーンフォーレスト
後援:日本発達障害ネットワーク、日本自閉症協会 制作プロダクション:セントラル・アーツ 製作幹事・配給:東映ビデオ
©2026「平行と垂直」製作委員会
公式HP:https://www.toei-video.co.jp/heikoutosuichoku/
X/Instagram:@heikou_suichoku
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