2026年6月27日(土)、ミッドランドスクエアシネマ(名古屋市中村区名駅四丁目7番1号 ミッドランドスクエア商業棟5階)にて、映画パーソナリティ・松岡ひとみさんが主宰する人気イベント

【松岡ひとみのシネマコネクション vol.100】

が開催された。

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名古屋の映画文化を守る「100回」の執念と意義

「シネマコネクション(シネコネ)」は、映画パーソナリティ松岡ひとみさんとミッドランドスクエアシネマが共同企画する、不定期開催のトークイベント。
デジタル化の加速により地方の映画配給拠点が減少する中、本作のようなイベントは「名古屋の映画文化を活気づけたい」という松岡さんの強い使命感によって支えられていると言って良い。

取材歴30年以上、年間100本以上のインタビューをこなす彼女と、第一線の映画人たちが築き上げてきた信頼関係。
その阿吽の呼吸から引き出される「ここでしか聞けない裏話」こそが、本イベントを100回という驚異的な回数まで継続させた原動力である。

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100回目のゲスト・黒沢清が時代劇に刻んだ「野心」

そんな【シネマコネクション】記念すべき100回という金字塔のゲストに登壇したのは、初の時代劇に挑み、カンヌ国際映画祭でも万雷の拍手を浴びた世界の巨匠・黒沢清監督である。
この節目に黒沢清監督が招聘された意義は大きい。

海外では『CURE』や『回路』といったJホラーの旗手として知られる黒沢監督だが、近年はSFや社会派サスペンスなど、ジャンルを自在に横断してきた。
70歳を迎えた巨匠が、満を持して選んだ新境地が「戦国時代劇 × 本格ミステリー」である。
「まだ野心はある」と語る巨匠の、様式美と不穏な空気を融合させる手腕は、記念すべき100回目のステージにこれ以上ない重厚な輝きを添えた。

「巨大な密室」で繰り広げられる知の格闘

上映作品は、

『黒牢城』

米澤穂信の直木賞受賞作を原作とした、極めて独創的な歴史ミステリーだ。

本作の核となるのは、織田信長に反旗を翻した荒木村重(本木雅弘)と、城の土牢に幽閉された天才軍師・黒田官兵衛(菅田将暉)による、倒錯した「安楽椅子探偵」の構図である。

激しい合戦シーンや殺陣を抑制し、城内という閉鎖空間での「対話」によって物語を駆動させる演出は、まさに黒沢監督の真骨頂だ。
フラッシュバックを一切排し、村重が言葉で部下を説得しようとする逡巡の姿を捉えた映像は、時代劇の常識を鮮やかに塗り替えた。

野生と知性を同居させた本木雅弘の村重、正体不明の「悪魔的従順さ」を見せる菅田将暉の官兵衛。
そして、インテリジェンスと古風な気品を湛えた吉高由里子の千代保。
彼らが織りなす極限の心理戦は、観客の皮膚感覚を逆撫でするような緊張感を生んでいる。

「退いた者にも極楽はある」という言葉を指針に、武士道的価値観から逸脱しようとする村重の姿には、現代社会の閉塞感への静かな批評性が宿っている。

【動画公開】撮影の舞台裏と、監督が語る「映画マジック」の正体



この動画には、満席の劇場で行われた黒沢清監督と松岡ひとみそんによるプレミアムな対話が収められている。

カンヌ国際映画祭公式上映について。
本木雅弘・菅田将暉ら俳優陣への演出の裏側。
さらには、古典時代劇を意識したという拘りの画作りなど、公式インタビューでは語り尽くせなかった秘話が惜しみなく披露されている。

動画を視聴することで、本作が放つ「問答無用の説得力」の源泉に触れ、もう一度スクリーンの細部を確認したくなるはずだ。
ネタバレ無しなので、その点も心配御無用だ。

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『黒牢城』という巨大な密室は、人間の身体ではなく「心」「信念」を閉じ込める場所であった。
黒沢清という巨匠が時代劇という枠を借りて提示した、自由と孤独の肖像。その圧倒的な映像体験と、100回を数えるシネマコネクションの歴史が交差したこの時間は、名古屋の映画ファンにとって忘れられない「対話」の記憶となった――。

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松岡ひとみのシネマレスト

https://cinemarest.com/