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2026年7月31日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開される

映画『インビジブルハーフ』

気鋭のクリエイター・西山将貴の長編監督デビュー作である。

構想から完成まで6年もの歳月を費やした本作は、ホラーというジャンルの外殻を借りつつ、現代を生きる若者の切実な「影」を浮き彫りにする多重的な青春ドラマへと昇華されている。

23歳の情熱が刻んだ、地元・愛媛の「未踏の景色」

本作の制作経緯は、監督自身の歩みと密接に結びついている。

14歳から愛媛で自主制作を始めた西山監督は、19歳の時にシナリオを書き始めた。
「日本に自分の居場所がない」と感じていた学生時代の孤独や、海外進出を経て「自分の強みは日本文化の中で育ったこと」だと気づいた自伝的要素が、物語の核となっている。

全編オール愛媛ロケにこだわった意義は、単なるノスタルジーではない。
えひめフィルム・コミッションの全面協力のもと、東雲高校や松山総合公園、梅津寺の海といった見慣れた景色を、かつてないライティングと構図で切り取ることで、地元の人ですら新鮮さを感じるほどの不穏かつ美しい映像美を創出した。
この徹底した地域へのこだわりが、作品に揺るぎない説得力を与えている。

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「バミューダ3」のDNAが宿る、没入型ホラーの魅力

本作を「新感覚ホラー」たらしめているのは、「スマホに触れた時だけ姿が見え、イヤホンを通じてのみ音が聞こえる透明な怪物」という独創的な設定だ。
この恐怖表現には、西山監督がホラー小説家の背筋(『近畿地方のある場所について』)や、カルト的人気を誇るゲーム『SIREN』の脚本家・佐藤直子と共に結成したユニット「バミューダ3」での活動が大きな影響を与えている。

10万人以上を動員した体験型展示『1999展』を共同企画した彼らの知見は、本作における「体験としての恐怖」に結実した。
アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』を手がけるCao Moji(白組)による緻密なVFXと、イヤホンの着脱に連動した音響設計は、まさに「そこに存在しているのに見えない」という佐藤直子作品にも通じる心理的かつ身体的な恐怖を観客に追体験させる。

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同調圧力と視線恐怖:青春の痛みを乗り越える「多重性」

本作は、ホラーの形式を用いて同調圧力、ルッキズム、視線恐怖、そしてスマホ依存といった重層的な社会的テーマを内包している。
ミックスルーツを持つ主人公エレナが、周囲からの「外国人」としての無言の視線に怯え、自己肯定感を失っていく姿は、そのまま「透明な怪物」の脅威へと直結している。

しかし、本作は同時に、理不尽な世界に自らの意志で立ち向かう「戦うヒロイン」の物語でもある。
友人アカリとの間に生まれるシスターフッド(女性同士の絆)を通じて、エレナが自分自身の名前やルーツを受け入れ、「ありがとう」と言えるようになるまでの過程は、困難を乗り越える力強い青春映画の輝きを放っている。

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若きプロフェッショナルたちが体現する、執念の演技

魅力的な要素を具現化したキャスト陣の熱演も見逃せない。

主演のシエラ璃砂は、自身も映像作家としての視点を持つ俳優であり、孤独に震えながらも怪物に立ち向かうエレナの複雑な内面を、言葉を削ぎ落とした鋭い眼差しで演じきった。

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彼女を支える友人・アカリ役の奥野みゆや、物語の鍵を握る猫歌役の平澤瑠菜、ら、同世代のキャストたちが放つ「現場の熱量」が、自主制作という枠組みを大きく超えた強度を作品に与えている。

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スクリーンの隅々に宿る「影」を共有せよ

イギリスのレインダンス映画祭へのノミネートや、田辺・弁慶映画祭での三冠受賞など、海外からの「逆輸入」という形で評価を確立させた本作。

『インビジブルハーフ』が描くのは、正体不明の怪物の恐怖であると同時に、私たちの誰もが心のどこかに抱えている「居場所のなさ」という名の影である。

7月31日、劇場の暗闇でエレナと共に「透明な何か」の正体を、そしてあなた自身の心の奥底にある勇気を目撃してほしい――。

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『インビジブルハーフ』

2026年7月31日
ヒューマントラストシネマ渋谷
ほか全国順次公開


シエラ 璃砂
奥野 みゆ 平澤 瑠菜
小沢 まゆ あゆみ 石井 亜未
大澤 由理 酒井 貴浩

監督・脚本・編集 西山 将貴

プロデューサー 坂本 篤 共同プロデューサー 鈴木 龍
エグゼクティブプロデューサー 坂元 裕樹

撮影監督 山本 周平 照明 鳥内 宏二 録音 三門 優介 美術 西田 頌子
制作 皆尾 裕 助監督 芳賀 直之
衣装 杉 雛乃 ヘアメイクアップ 黒田 菜々美 一ノ宮 萌
特殊造形・キャラクターデザイン 快歩
音楽 堀本 陸 VFX Cao Moji
後援 愛媛県 / 松山市助成「エールラボえひめ」認定プロジェクト
製作:Test 8 Pictures
配給・宣伝:ギークピクチュアズ

2025 / 日本 / カラー / シネマスコープ / 5.1ch / 106分

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