
2026年5月24(日)、ミッドランドスクエアシネマ(名古屋市中村区名駅4丁目7番1号 ミッドランドスクエア商業棟5階)にて、映画パーソナリティ松岡ひとみが主宰する人気イベント
【松岡ひとみのシネマコネクション VOL.98】
が開催された。
ゲストに登壇したのは、本作で監督作品60作目という記念すべき節目を迎えた名古屋出身の奇才・堤幸彦監督である。

名古屋の文化を支える「シネコネ」が結ぶ信頼関係
本イベントは、松岡ひとみとミッドランドシネマがコーディネートし、地元の映画ファンに愛され続け今回で98回を数える。MCを務める松岡と堤監督は、共に名古屋の映画シーンを長年牽引してきた、いわば「戦友」とも呼べる間柄だ。
堤監督にとって「通過点」である60作目の凱旋を、松岡が阿吽の呼吸で迎え入れる。
この二人の浅からぬ縁と、積み重ねられた信頼があるからこそ引き出される、リラックスしながらも核心を突くトークが会場を濃密な空気で満たした。

虚構を視覚で上書きする知の格闘技
上映作品は、何と5月22日(金)より全国公開が始まったばかりの『ミステリー・アリーナ』
深水黎一郎による「本格ミステリ・ベスト10」第1位の傑作を原作としている。
「文章で解く」ことに特化した原作は長年「映像化不可能」とされてきたが、堤監督はそれを「高解像度の推理ショー」へと鮮やかに置換した。
本作の象徴は、主演・唐沢寿明演じる司会者・樺山桃太郎の強烈なビジュアルだ。
堤監督が「風味としてのコメディ性とミステリーの構造性を統合する鍵」を模索していた際、唐沢が放った
「アフロでいいんじゃない?」
という一言ですべてのビジュアルが降臨したという。
物語は、賞金100億円を懸けた生放送番組を舞台に、芦田愛菜演じる天才少女・一子ら6人の解答者が、提示された「文章」から殺人事件の真相を導き出していく。
特筆すべきは、共有機器「デジャブ」によって、解答者の推理が「解答映像」としてスクリーンに何度も上書きされる演出だ。
「見たはずの映像が、次の推理によって一気に揺らぐ」という、映画ならではのメタ的な騙しの快楽が本作には満ちている。
【動画公開】秘められた狂気と現場の熱量
当動画には、大盛り上がりの劇場で行われた堤監督と松岡ひとみによる濃密な対話が収められている。
ロケ地となった名古屋ゆかりの撮影現場の裏側や、主演・唐沢寿明の没入感など……
動画を視聴することで、作品の背景にある執念を知り、もう一度スクリーンの隅々を疑いながら鑑賞したくなる衝動に駆られるはずだ。

物語を締めくくる主題歌は、YELLOW MAGIC ORCHESTRA「BEHIND THE MASK」。
堤監督自身が「映画の深みがぐっと増した」と自賛するこの楽曲の響きは、幾重にも重なる謎と虚構の仮面を剥ぎ取っていく本作の構成と見事に共鳴し、観客を忘れがたい余韻へと突き落とす――。

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