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2026年5月9日(土)、シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1F)にて

映画『枯れ木に銃弾』

公開初日舞台挨拶が開催された。

登壇したのは、本作で75歳にして長編映画監督デビューを果たした司慎一郎監督、主演の鷲田五郎田所ちさの3名。

司会進行は同館坪井篤史支配人が務め、会場は熱狂的な拍手に包まれた。

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本作は、高度経済成長を支えながらも現代社会から「価値のない存在」と切り捨てられた高齢者夫婦の怒りと愛を描く、新たなジャンル「シニア・ノワール」の誕生を告げる一作である。

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50年の「潜伏」を経て噴火した映画への執念

本作の核心にあるのは、司慎一郎監督が半世紀にわたって胸に秘めてきた映画への渇望だ。
高校時代に映画監督を夢見ながらも、大学紛争のカオスや生活のための仕事に追われ、50年もの歳月が流れた。
「もうそろそろいつ死ぬかわからない。今作らないとやばい」
という切実な焦燥感が、仕事の合間のランチや休憩時間に書き溜めたメモを脚本へと昇華させた。

監督はこの爆発的な創作意欲を
「マグマが噴火直前まで来て爆発した」
と表現し、積年のストレスを銀幕にぶちまける快感を「気分は毎日ルンルン」と語り、会場を沸かせた。

人生の「棚下ろし」で見つけた、表現者としての第二歩

主演の鷲田五郎もまた、監督と同世代であり、かつての夢を再燃させた一人だ。
65歳までサラリーマンとして勤め上げた後、人生の棚下ろしをする中で「やはりお芝居をやりたい」と一念発起。
「自分のような未熟者に主演の話をいただけるなんて天の助け」
と感謝を述べつつ、社会の不条理への共感をストレートに役にぶつけたと明かした。

妻・あかね役の田所ちさは、オーディション時に「実年齢より上の75歳の役」というプレッシャーに直面していたが、本読みで鷲田と対面した瞬間、
「この人が喜一郎(役名)なら、私はただあかねになればいい」
と確信。
作為的な役作りを排した自然な夫婦像を構築したという。


【動画公開】沈黙を破り、50年の想いが溢れ出す瞬間の記録

上記の動画には、上映直後の熱気が渦巻く中、登壇者たちが明かした濃密な撮影秘話の全貌が収められている。

特に注目すべきは、逃走の象徴である自転車シーンでの「映画の神様」が降りてきた瞬間の裏話だ。
当初は鷲田が運転する予定だったが、本番撮影中に「自転車に乗れない」ことが発覚。
急遽、田所がハンドルを握ることになったが、これが
「夫を支える気丈な女」
というキャラクターを際立たせる奇跡の名シーンへと繋がった。

さらに、劇中で重要な意味を持つ「蕎麦屋の食事シーン」において、実際に空腹だった鷲田が天ぷらそばを完食してしまったという、緊張感溢れる本編からは想像もつかない微笑ましいエピソードも語られている。

なぜ75歳の新人が、これほどまでに瑞々しく、かつ残酷な傑作を撮り上げることができたのか。
動画を視聴することで、監督の言葉の端々に宿る「狂気」と「映画への愛」を、ぜひ生の声で体験してほしい。

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国際的な評価と、止まらない挑戦

本作は公開早々、韓国の全州(チョンジュ)国際映画祭に招待されるなど、国際的にも高い評価を得ている。
「死ぬまで毎年1本作る」と宣言する司監督は、既に今年の10月にクランクイン予定の次回作の準備を進めているという。

シネマスコーレという「伝説の場所」で、老いという概念を打ち砕き、自らの夢を爆発させた登壇者たち。
彼らが放った銃弾は、観客の心に消えない火を灯した。

沈黙を破り、走り始めた70代の新人たちの勇姿を、是非とも目撃してほしい――。

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『枯れ木に銃弾』公式サイト

https://kareki-jyuudan.com/