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2026年4月18日(土)、ナゴヤキネマ・ノイ(名古屋市千種区今池1-6-13 今池スタービル2階)にて、

ドキュメンタリー映画
『ライフテープ』


公開初日舞台挨拶が行われた。

登壇したのは本作の監督・撮影・編集を務めた安楽涼
司会進行は同館支配人の永吉直之が務めた。

本作は、約12万人に1人とされる指定難病「メンケス病」を抱える少年・珀久(はく)くんと、その両親である隆一(RYUFO)・朱香さん夫妻、そして猫のフィガロの日常を2年にわたり記録した物語である。

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劇映画監督が初めて挑んだ「親友」のドキュメンタリー

安楽監督にとって、被写体の隆一は小中学校時代からの幼馴染であり、自身の劇映画にも出演させてきた「一番近い友人」である。
珀久くんの病を知らされ、何もできない無力感に打ちひしがれていた安楽に対し、隆一は暗闇の河川敷で「俺たちはマジで幸せなんだ。安楽にこの幸せな姿を撮ってほしい」と依頼した。

「初めてのドキュメンタリーで何も分からなかったが、やるしかないと思った」と語る安楽監督。
撮影初日、絶え間ない吸引や泣き叫ぶ珀久くんの姿に圧倒されるが、両親がふざけ合いながら珀久くんをあやし、いつの間にか子供が安心して眠りにつく光景を目にし、「自分たちの手で幸せを掴んでいる人たちだ。これなら撮れる」と確信したという。

「ホームムービー」にしないための厳格な「掟」

親友という近すぎる関係だからこそ、安楽監督は「映画」としての真正性を守るため、自らに過酷な「掟」を課した。 

生活を手伝わない:車を運転するなど、家族の生活に介入し、その形を変えてしまうことを一切禁じた。
抱っこしない:撮影の2年間、珀久くんに一度も触れなかった。
泣かない:カメラマンが泣いてしまえば、それは記録ではなくなってしまう。

「映画には適切な距離が必要だ」という信念のもと、遊び仲間としての顔を封印し、徹底して「他者としての視点」を貫いた。
撮影に行かない時間は、佐藤真、原一男、小川紳介、フレデリック・ワイズマンらの作品を貪るように観て、「自分なりの距離」を模索し続けたという。
その中でも、安楽監督が被写体との「距離感」について特に感銘を受けたのが小森はるか監督だという。

プロデューサー陣との「1対6」の激しい闘争

本作の編集段階では、出品した映画祭の審査員として本作を見出しプロデューサーを買って出た大島新前田亜紀らとの間で、数ヶ月に及ぶ激しい再編集会議が行われたという。
監督自身は「自分という不純物を入れず、彼らから出る言葉だけで構成したい」と強く主張したが、プロデューサー陣は「観客と映画を繋ぐために、監督自身の存在を出すべきだ」と説得を続けた。

「毎週のように話し合い、1対6で戦っているような感覚だった」と安楽監督は振り返る。
最終的に、監督がカメラを持って隆一に近づく冒頭のシーンや、生活の背景を補足するカットを追加することを承諾。
その結果、映画は100分から101分へと進化し、より多層的な物語へと昇華された。

音楽に隠された「ヒント」と家族の現在

劇中を彩るヒップホップは、父・隆一自身が制作したものだ。
安楽監督は撮影に通う車中でこの曲をループで聴き込み、「歌詞の中に、彼らがどう生きているかのヒントがある」と考え、音楽を道標に彼らの内面へと分け入っていった。

安楽監督は、現在の家族について言及した。
現在4歳になった珀久くんは、日常的に人工呼吸器を使用し時に入院することもあるが、両親は「これが私たちの生活だから」と全く焦ることなく、最近では1歳の妹も連れて沖縄旅行を楽しむなど、本作以上の力強い幸福を更新し続けているという。



「悲劇」として消費されることを拒絶し、「とびきり大切な幸福」を記録した『ライフテープ』。
ナゴヤキネマ・ノイでは5月1日(金)まで、全回日本語字幕付きで上映される。

損得勘定やら、理屈やら……
矯めつ眇めつせずとも浸ることが出来る「絶対的幸福感」を、是非ともお観逃しなきよう――。

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映画『ライフテープ』公式サイト

https://lifetapefilm.jp/