
2026年3月28日(土)、シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1F)にて
映画『361 -White and Black-』
初日舞台挨拶が開催された。
オンライン予約分が早々に完売し、当日発売の補助席まで埋まる熱気に包まれた劇場のスクリーン前には、大山晃一郎監督とヒロインの星野奈緒が登壇した。

「361」という数字に込められた人生のメタファー
タイトルの「361」は、囲碁の盤面における交点の総数(19×19)を指す。劇中では時間の積み重ねや人生の一歩一歩を暗示する重要なメタファーとなっている。
物語は、過去のトラウマから人と対面して囲碁を打てなくなった青年・上条眞人(長野凌大)が、世界王者パク・ハンミョン(パク・ユチョン)の発言を機に「心の鎧」を纏って大会に出場し、社会と再接続しようとする姿を描く。
国際的な評価と「4本指」での苦闘
本作は公開前から国際的な注目を集め、アメリカで開催された【グローバルステージハリウッド 2025】にて、長野凌大(最優秀新人俳優賞)、星野奈緒(最優秀新人女優賞)、大山晃一郎監督(最優秀新人監督賞)の主要3部門を受賞するという快挙を成し遂げた。主演を務めたダンスボーカルグループ「原因は自分にある。」長野凌大は、役作りのため碁石の打ち方を猛特訓して臨んだ。
ところが劇中の設定上、対局の大半を不自由を強いられることとなった。
一目打つにも周囲の石を崩してしまうトラブルが多発し撮り直しを余儀なくされるなど、映像には映らない身体的制約との戦いがあったそう。
対局シーンの苦労については、国内トップのプロ棋士・米原沙羅七段役を務めた星野奈緒も負けてはいない。
舞台挨拶では、悲喜交々な撮影秘話が明かされた。
スコーレという「戦場」で響く対話
大山監督は、初長編『いつくしみふかき』でも評価された人間心理の機微を捉える演出を本作でも発揮している。監督のフレンドリーな人柄は、観客との距離が近いシネマスコーレの文化と共鳴し、舞台挨拶は制作陣とファンが作品の深層を共有する親密な対話の場となった。
「囲碁は2人でセッションを楽しむような感覚」と語られる通り、囲碁の知識を持たない観客からも「最後は涙が止まらなかった」と高い評価を得ている。
白と黒の境界線上で紡がれる再生の物語は、名古屋の地で確かな熱狂を呼び起こした。
本作のシネマスコーレでの上映は4月10日(金)まで続き、その後も各地の劇場へと上映の輪を広げていく。
そう、まるで「宇宙流」の棋譜のように、縦横無尽に手を広げていくのだ――。

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