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2026年2月14日(土)シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1F)にて

映画『カニバさん 異端の純愛』

が公開初日を迎えた。

シネマスコーレ開館記念日(2月19日)を間近に控えた特別な週の土曜日、しかもバレンタインデーが重なる奇跡のタイミングで、井口昇監督、主演のブラジル、共演の立花心倉地真也の4名が登壇し満席の会場で熱いトークを繰り広げた。

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『カニバさん 異端の純愛』ストーリー
拒食症に悩まされる珠子(立花心)は、カメラマン溶子(ブラジル)と出会い、被写体となる。
心を通わせるうち、珠子は溶子も自分と同じく食べる行為そのものに罪悪感を抱いていることを知り、二人の距離は一気に縮まる。
徴兵制が復活した社会では人々が荒みきっていて、珠子の絶望感も日に日に増していく。
珠子の心情を察した溶子は心中することを持ち掛け、珠子も有頂天で応じる。
一緒に餓死する為に固く手を繋いだ二人だが、珠子は溶子の歪んだ愛に気付かされる。
溶子は、珠子を食べたくて仕方がないと言うのだ――。

本作は、『片腕マシンガール』や『惡の華』で知られる鬼才・井口昇監督のライフワークである「異端の純愛」シリーズ最新作。
井口監督自身がかつて拒食症で苦しんでいた時期に抱いていた「愛する相手を食べたくなる」という妄想を映像化した、極めて私小説的な背景を持つ作品だ。

前作『異端の純愛』(2023年)のアート映画的な作風から一転、今作はホラーテイストのブラックコメディとしてエンターテインメント性を強めながら、
「人はどこまで相手を愛することが許されるのか」
という普遍的なテーマを69分の物語に凝縮している。

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「日本のエマ・ストーン」ブラジルの鮮烈な存在感
また、「井口組オールスターズ」感があった前作『異端の純愛』からの流れも踏襲。
ヒロインを演じたのは、伝説的ユニット・MIGMA SHELTERの元メンバーであるブラジルだ。
『IDOL NEVER DiES』(2022年)でブラジルを起用した井口監督は、彼女の類いまれなオーラとエキセントリックな演技力を「エマ・ストーンやミア・ゴスに負けず劣らずの才能」と絶賛している。

舞台挨拶でブラジルは、演技とはいえ「食人」という滅多に出来ない経験をしたことの喜びを語った。

本作は、ブリュッセルの映画祭「シネマ・インターディット」のパリ開催で2冠に輝くなど、既に海外で高い評価を得ている。
監督の次なる野望は、自身の作品がかつて「シネ・ファンタジー」でグランプリを獲ったブラジルの映画祭で、主演の彼女に主演女優賞を獲らせることだという。

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狂気の時代に問う「本当の幸福」
そして、「flesh」なキャスティングにも要注目。
共演の立花心は、井口監督の舞台『PLAYTIME』で見出され、本作で映画デビューを果たした。
舞台挨拶では、一風変わった雰囲気の役どころ同様に独特の空気で観客を沸かせた。

愛知県出身の縁で舞台挨拶に駆けつけた倉地真也は、劇中5役ものキャストをこなし、スタッフも兼任したという。
出演者として、作り手として、作品に込めた情熱を観客に伝えた。



バレンタインの夜に刻まれた「異端の純愛」
井口監督は、戦争や不条理が続く現代社会において
「愛する人を食べたくなる心理と、戦争。どちらが異常なのか」
と問いかける。
凄惨なショックシーンの裏側には、今の時代を生きる人々への強いメッセージが込められているのだ。

バレンタインの夜にふさわしく(?)、「食べたいほど愛している」という究極の愛の形が突きつけられたシネマスコーレの夜。
観客は、衝撃と共感、そしてある種の覚悟めいた気持ちが入り混じった表情で劇場を後にしたのだった――。

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『カニバさん 異端の純愛』公式X
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