
東京・銀座へ行かずとも、名古屋・金山へ行けば、銀ブラならぬ「金ブラ」することが出来る。
1971(昭和46)年の創業以来、名古屋の喫茶店文化の一角を担い続ける
ブラジルコーヒー
(名古屋市中区金山4丁目6−22 金山コスモビル 1階)
店名の由来は、そんなユーモアが込められているという。
現店主の角田健太さんは、創業者から数えて三代目。
名古屋流のモーニングや復活メニューの「鉄板スパ」といった伝統を守りつつ、2018年からコーヒー豆の自家焙煎を開始。
ブレンドコーヒーを味わいに来るファンも多い。
そして、ブラジルコーヒーは名古屋が誇る老舗喫茶店というだけでなく、ライブハウスとしての側面を併せ持つ。
角田さんは、ミュージシャン・角田波健太でもあるのだ。
朝はモーニングを楽しむシルバー層が新聞を広げ、昼は鉄板ナポリタンや日替わりA定食を味わうサラリーマンや学生が漫画を読みふけり、夜はミュージシャンやクリエイターがコーヒー焼酎を片手にライブに没頭する。
金山が交通の要衝であるように、ブラジルコーヒーは文化の交差点なのだ。
そんなブラジルコーヒーで新年を祝おうと、2026年1月4日(日)開催されたライブイベント
【新春ラブ2026】
には多くのミュージシャン、沢山の観客が詰めかけ、15時のオープンから瞬く間に満席となった。
本イベントは、投げ銭(+1オーダー)制という、出演者と観客の距離が極めて近いスタイルで実施された。
出演者は、以下の多彩なアーティストたち。
「ブラジルコーヒーで今年初めて大きな音で演る」と意気込んだのは、
サカナグラシ
トラブルを物ともせず、堂々とステージの先陣を切ってみせた。

初めてブラジルコーヒーのステージに立つのは、
ひとしおらくだ
本来は6人編成だそうだが、5人のサウンドのバランスが素晴らしかった。

四日市で活躍するG.V.の雰囲気は、バンド編成でLIVEに臨んだ。その名も
雰囲気バンド
コール&レスポンスでオーディエンスを巻き込み大盛り上がりをみせた。

この日が2回目のステージというガールズ・ユニット
Cianna
アコースティックギター+グロッケン、シェイカーのみのミニマルな構成だが、圧巻の表現力をみせた。

さらにミニマルな編成といえば、アコースティックギター弾き語りの
乃村絢夏
振舞った故郷・高知の名酒・ダバダ火振に負けないステージで観客を酔わせた。

ギター1本で聴衆を酔わすなら、こちらも負けていない
小川喬史
ジャズのスタンダードからアニソン、昭和歌謡の名曲まで、変幻自在のアルペジオで客席を唸らせた。
サービス精神あふれるステージで観衆を虜にするムルヒだが、この夜はバンド編成
ムルヒバンド
でステージに臨み、面白MCは控えめに、演奏で観客の心を掴んだ。

この日一番の爆音を轟かせたのは、
rock our electric soul
PAの不調を吹き飛ばしたのは、アルコールの力では決してなく、そのキャリアに裏打ちされたアドリブ力だ。
本編成はツインギターだが、今ステージはスリーピースで臨んだ
フラットライナーズ
三人編成とは思えぬ大迫力でオーディエンスを沸かせ、アンコールを求める拍手が鳴り響いた。
ジャンルを越えた総勢9組の表現者が集うさまは、新春の金山に、ブラジルコーヒーに相応しい圧巻の華やかさとなった。
次の日から仕事始めという憂鬱な夜にも拘わらず、金山の、ブラジルコーヒーの夜は熱気と共に更けていった――。

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