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映画『百円の恋』、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」など、多くの名作、話題の脚本を手掛ける足立紳。
稀代のストーリーテラー・足立紳はまた、優れた映画監督でもある。
そんな足立紳監督待望の最新作

映画『Good Luck』

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大分・豊後大野を舞台に、生きるのが不器用な男女ふたりの行き当たりばったりなバカンスを、ユーモアとサプライズを込めて描くロードムービーだ。

『Good Luck』サブ②

もともと「監督の撮りたいものを撮る」というコンセプトの別府発短編映画プロジェクトから飛び出した作品だが、いざ完成してみれば何と104分の長編映画となった本作。
独特の浮遊感は、ウディネ・ファーイースト映画祭、上海国際映画祭など世界の映画祭も虜にした。

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『Good Luck』ストーリー

同棲中の彼女(加藤紗希)のドキュメンタリーなど自主で映画を撮り続けている、太郎(佐野弘樹)。
30歳手前だがパッとしない現状を打破できず日々を送っている。
作品が映画祭に入選し遠路はるばる大分県まで来た太郎だが、司会進行を務める女性(板谷由夏)に壇上で批判され、打ち上げパーティーをすっぽかしてしまう。
当所なくサウナが有名な豊後大野に来てみると、不思議な旅人・未希(天野はな)に声を掛けられる。
彼女は、映画祭で太郎の映画を観ていたのだと言う――。

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主人公・太郎役の佐野弘樹の力の抜けた演技に目を見張る。
遣る瀬なく、寄る辺ない旅の道行も、佐野が纏った空気感があってこそ説得力を持つ。
差し挟まれる唐突なシーンも、佐野が演じる太郎だからこそ許容できる懐の深さを感じる。

『Good Luck』サブ①

そして、ヒロイン・未希役の天野はなの輝きに心を奪われる。
強かだが儚げで、物怖じしないように見えて脆さも透けて見える、掴みどころのない未希だが、天野によって愛されキャラに豹変する。
いつもアルコール缶を片手にチビチビ飲み歩く未希は、絶不調な人生も楽しんでいるかのようだ。

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綺羅星の如き共演陣にも要注目。
加藤紗希、篠田諒ら、抜群の存在感を見せつける。

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板谷由夏はさすがの「本物感」を醸し出し、剛力彩芽は不思議な3役を演じ「楽しかった」とコメントしている。

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監督作の『14の夜』『喜劇 愛妻物語』『劇場版 それでも俺は、妻としたい』、脚本を手掛けた『お盆の弟』など、どれも足立紳の作品は程度の差こそあれ私小説の匂いを纏う。
今作『Good Luck』も例外ではなく、52歳の足立監督自身が抱え続ける
「脚本に自信がない」
「撮っている物が面白いのか分からない」
という苦悩を、太郎に投影したと公言している。

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赤裸々で明け透けな物語はある種の居心地の悪さを感じてしまいがちだが、足立紳の作品に限っては観る者の腑に落ちる説得力と、心を惹きつける多幸感を帯びる。
監督の若き「現身」となった太郎は、腑抜けなヘタレキャラに終始しているように見せて、にじみ出る善良な人柄で観客を和ませる。
ヒロイン・未希は旅の道程を重ねるごとに魅力を放ち、太郎だけでなく観客までも大切なパートナーの存在を忘れさせてしまう。
……だからこそ、「例のシーン」が深く胸に突き刺さる。

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太郎を演じた佐野弘樹が寄せた
「完成した映画が脚本以上の力を持った作品になった」
というコメントに、心の奥がほっこり温まる。

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温まると言えば、ふんだんに詰まっている豊後大野市の「サウナのまち」としての魅力もお観逃しなく。
テントサウナ、鍾乳洞サウナ、川サウナなど、アウトドアならではのサウナの楽しみ方に、登場人物ならずとも心を奪われる。
それもそのはず、豊後大野では石風呂の文化が根付いていて、古くから薬草を焚き上げて蒸し風呂を楽しんでいたとか。

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冴えない日常にもバカンスがあり、苦悩する人生にもときめきがある。
小さいかもしれないが、観る者に何かを気付かせてくれる本作。
その「何か」とはきっと、「Good Luck」に違いない――。

『Good Luck』メイン

『Good Luck』

2025年12月13日(土)~
シアター・イメージフォーラム
2025年12月27日(土)~
シネマスコーレ

ほか全国順次公開

【配給】ムービー・アクト・プロジェクト

©︎2025「Good Luck」製作委員会(別府短編プロジェクト・TAMAKAN・theROOM)

『Good Luck』公式サイト

https://mapinc.jp/film/good-luck/ sub12