
2025年8月13日(水)、K.Dハポン-空き地-(名古屋市中区千代田5丁目12-7)にて、きつねのトンプソンのライブが開催された。
きつねのトンプソンは、2016年に結成された四人編成。
古き良きアメリカを象徴する音楽である「ラグタイム」をベースに、さまざまなジャンルのどこか懐かしい音楽を、明るくユニークなアレンジで演奏するインストゥルメンタルバンドだ。
ラグタイムは1880年から1930年頃にアメリカで流行した音楽で、クラシックをベースとしながらも、その名前の通りクラシックから「ずれた」リズムが特徴で、マーチのような2拍子を基本としつつ、途中で転調し再び2拍子に……といった大らかな自由さが魅力。

きつねのトンプソン
小山理恵(木琴)小寺拓実(バンジョー)
手島昭英(コントラバス)
吉島 智仁(ドラム)
ラグタイムを演奏しようと集まったものの、元々ラグタイム経験者は一人もいない。
小山はクラシック、小寺と手島はブルーグラス、吉島はジャズやプログのフィールドに造詣が深い。
また、ラグタイムの演奏に付き物のピアノやギターもいない。
だが、そんなメンバーそれぞれの多様な背景から「きつねのトンプソン風」のアレンジが生まれ、自由な感覚が「古き良きアメリカ」を感じさせる唯一無二のサウンドを聴かせてくれる。
今回ハポンで開催されたライブは、2025年5月3日と8月9日に発売された
「THE FOX IN TIGER`S CLOTHING vol.1 FOX」
「 THE FOX IN TIGER`S CLOTHING vol.2: TIGER」
アルバムリリースを記念した、レコ発ツアーの一環。
題して
きつねもその気になればトラより強いかもしれないぞツアー2025
この名古屋公演は、京都、岡山、大阪へと続く「西ツアー」の初日であった。
2025年1月の3日間に亘る合宿を経て録音された2枚のCDは、5月に発売されたvol.1の「FOX」がオリジナル曲を、8月9日にリリースされたばかりのvol.2「TIGER」がカバー曲を、それぞれ収録している。
アルバム名も含め、「トラの威を借るきつね」を意識した構成。
ちなみに、セルCD版「FOX」「TIGER」のジャケット内側を合わせるとちょっとした工夫が見られ、デザインを担当した小山理恵が仕掛けた視覚的な遊び心もトンプソンっぽい。
8月13日のSetlistは、以下の通り。
1st.Set:
Thompson a Go-Go(R.Koyama)My Little Suede Shoes(Charlie Parker)
Plink, Plank, Plunk!(Leroy Anderson)
Mouse Calculation Suite(R.Koyama)
2-14
14-98
27682574402
Russian Rag(George Linus Cobb)
バンジョーでワルツを(T.Kodera)
Foxology(T.Kodera)
Honeysuckle Rose(Andy Razaf)
Sweet Georgia Bright(Charles Lloyd)
2nd.Set:
Captain Japonica(T.Yoshijima)Something Blues(T.Kodera)
Cloggin' Sticks(T.Kodera)
O Voo Da Mosca(Jacob do Bandolim)
小犬のワルツ-Minute Waltz Rag-(F. Chopin)
Lolly Pops(Harry Reser)
Lonesome Moonlight Waltz(Bill Monroe)
Rhythm Futur(Django Reinhardt)
Blue Rondo a la Turk(Dave Brubeck
)
Ramblin'(Ornette Coleman)
And more…
「FOX」すなわちオリジナル曲からは、オープニング曲の「Thompson a Go-Go」、「Mouse Calculation Suite」(ねずみ算組曲)など小山理恵の楽曲、小寺拓実作曲の「Foxology」、「Something Blues」、「Cloggin' Sticks」やバンジョー・チューンでは珍しい3拍子の「バンジョーでワルツを」など、マーベル大好きなドラムの吉島智仁による「Captain Japonica」などで会場を魅了した。
カバー曲は、チャーリー・パーカーの「My Little Suede Shoes」、ジョージ・ライナス・コブの「Russian Rag」、さらにはフレデリック・ショパンの「小犬のワルツ」のラグアレンジといった、バンドの「良い思いつき係」であるベースの手島昭英らによる選曲と、きつねのトンプソンならではのアレンジと演奏にオーディエンスは惜しみない拍手を送った。
「きつねのトンプソンのライブで、初めて「オ・ヴー・ダ・モスカ」を聴いた」
「きつねのトンプソンの「メープル・リーフ」が素晴らしかったから、スコット・ジョプリンの他の曲も聴いてみようかな」
なんていう声は、今後ますます増えていくに違いない。
「きつね」と「トラ」……
はてさて、どちらがどちらの「威を借る」のだろう――?


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