本島からフェリーが就航していて、日帰りも出来る観光地として人気の沖縄県伊江島。
島の周囲は自転車で回れるくらいの距離で、毎年4月には3km、5km、10km、ハーフマラソンとコースも多彩なマラソン大会も開催される。
白砂が1kmにも及ぶ絶景のビーチは、島一番の景勝地だ。
沖縄本島から北西へ9km、周囲22kmという小さな離島・伊江島には、実は「沖縄戦の縮図」と呼ばれた悲惨な歴史がある。
1945年4月16日アメリカ軍が伊江島に上陸。一日で玉砕すると(日本軍司令部ですら)考えられたほど圧倒的な戦力差の中、6日間続いた戦闘で軍人2000人、島民1500人が命を落としたといい、島の「芳魂之塔」には犠牲となった約3500人が祀られている。
そんな伊江島で、日米攻防戦の最中2人の日本兵がガジュマルの樹上に身を潜め、敗戦を知らぬまま2年間生き延びたという実話があったという。
そこに着想を得た作家・劇作家の井上ひさしが書こうとしていた構想を、劇作家の蓬莱竜太と演出家の栗山民也が引き継ぎ完成させた「こまつ座」の舞台作品がある。
舞台のタイトルは、「木の上の軍隊」。
2025年7月25日(金)より全国ロードショー公開となる映画
『木の上の軍隊』
は、舞台「木の上の軍隊」を原作とした物語。
太平洋戦争終結から80年となる今こそ語り継ぎたい、事実に基づく物語。

宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄(堤真一)と、島生まれの新兵・安慶名セイジュン(山田裕貴)は、敵の激しい攻撃を避け、ガジュマルの樹上に身を隠す。
そのガジュマルは幹も枝も太く葉も黒ぐろと生い茂り、米兵も2人に気づくことは出来なかった。
山下は弱腰な安慶名を蔑み、安慶名は融通の利かない山下に恐れ慄く。時に険悪となる2人だったが、恐怖と飢えを互いに耐え忍ぶうち、少しずつ心を通わせていく。
終戦後も日本の敗戦を知らない2人の「戦争」は終わることがなく続いた。
そんなある日、見回りが来ない時間を見計らい木を降りた2人は、米兵が捨てていった残飯やゴミを発見するのだが――。

監督・脚本を手掛けるのは、『ミラクルシティコザ』の平一紘監督。
こまつ座の魂を受け継ぎつつ、本作のモデルとなった2人の家族や戦争体験者への取材からリアリティを積み重ね、沖縄出身としてのアイデンティティにより物語に新たな息吹を吹き込んだ。
ロケは全編沖縄で行われ、なんと主要な樹上シーンは本作のために数ヶ月かけて伊江島の公園に植樹されたガジュマルの樹上で撮影された。
植樹作業の際、沖縄戦の戦没者とみられる約20人分の遺骨が発見されたそうで、平監督は本作への思いを強くしたという。
伊江島出身のシンガーソングライターAnlyが手掛けた主題歌「ニヌファブシ」にも傾聴してほしい。
「ニヌファブシ」とは、琉球方言で「北極星」のことだ。
本作でダブル主演を務めるのは、堤真一と山田裕貴。

まずは、「人間・安慶名セイジュン」を憑依させた山田裕貴の圧倒的な演技力に目を奪われる。
人間の持つ強さと弱さ、優しさと狡さ、そして愚かさと愛おしさ、その全てを一人の俳優・山田裕貴が表現してしまうのだ。

そんな若手の実力を見せつけられ、名優・堤真一が黙っているはずがない。
自他を問わず厳格に徹し、自己犠牲も厭わない魂の裏に忍ばせた国を、故郷を、家族を思う優しさ。そして、人間としての脆弱さ。
観る者が感じる希望と絶望、そして可笑しみは、戦争という得体のしれないモノに対しての感情と似ている。
そして、山下と安慶名の関係があたかも父と息子のように展開していくのは、日本本土と沖縄という関係性を内包しているようで物語に一層の多重性を感じざるを得ない。

津波竜斗、玉代勢圭司、尚玄、岸本尚泰、城間やよい、川田広樹といった沖縄出身のキャスト陣が脇を固め、作品は更なる迫真性を醸し出す。
また、舞台版で上官役を務めた山西惇が実に印象的な配役で爪痕を残す。

これまで沖縄の制作チームが手掛けたことのない沖縄戦を描くことに葛藤があったという、平一紘監督。
そんな逡巡を払い除けたのは、舞台版が持つユーモアとエンタメ性、そして「対立と相互理解」という現代にも通じるテーマに意義を感じたからだとか。
「木の上の軍隊」は戦争という悲惨な題材を扱いながらも、ユーモアを交えて描く点で稀有な作品だ。
平監督は映画版のメガホンを取るに当たりシーンによってはコメディのつもりで執筆したそうで、堤真一と山田裕貴の喜劇センスを絶賛している。

映画『木の上の軍隊』は、太平洋戦争の終戦80年という今だからこそ、観るべき、語り継ぐべき物語へと昇華した。
エンドロールで流れるAnly「ニヌファブシ」は、戦禍を生き延びた人々が現代を生きる私たちに語りかけているようにも聴こえ、私たちが未来へと生命を繋ぐ子へ、孫へと語り継いでいるようにも響く。
歴史は時代を超えて受け継がれ、人々は世代を重ね生命を繋ぐ。
そして、物語は時を超えて未来を築く――。

映画『木の上の軍隊』
沖縄先行公開中
7月25日(金)
新宿ピカデリー
ミッドランドスクエアシネマ
伏見ミリオン座
他全国ロードショー
©2025 「木の上の軍隊」製作委員会
出演:堤真一 山田裕貴
監督・脚本:平一紘
原作:「木の上の軍隊」 (株式会社こまつ座・原案井上ひさし)
企画:横澤匡広 プロデューサー:横澤匡広 小西啓介 井上麻矢
制作プロデューサー: 大城賢吾
企画製作プロダクション: エコーズ 企画協力: こまつ座 制作プロダクション: キリシマ一九四五 PROJECT9
後援:沖縄県 特別協力:伊江村
製作幹事・配給: ハピネットファントム・スタジオ
『木の上の軍隊』公式サイト
https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/
島の周囲は自転車で回れるくらいの距離で、毎年4月には3km、5km、10km、ハーフマラソンとコースも多彩なマラソン大会も開催される。
白砂が1kmにも及ぶ絶景のビーチは、島一番の景勝地だ。
沖縄本島から北西へ9km、周囲22kmという小さな離島・伊江島には、実は「沖縄戦の縮図」と呼ばれた悲惨な歴史がある。
1945年4月16日アメリカ軍が伊江島に上陸。一日で玉砕すると(日本軍司令部ですら)考えられたほど圧倒的な戦力差の中、6日間続いた戦闘で軍人2000人、島民1500人が命を落としたといい、島の「芳魂之塔」には犠牲となった約3500人が祀られている。
そんな伊江島で、日米攻防戦の最中2人の日本兵がガジュマルの樹上に身を潜め、敗戦を知らぬまま2年間生き延びたという実話があったという。
そこに着想を得た作家・劇作家の井上ひさしが書こうとしていた構想を、劇作家の蓬莱竜太と演出家の栗山民也が引き継ぎ完成させた「こまつ座」の舞台作品がある。
舞台のタイトルは、「木の上の軍隊」。
2025年7月25日(金)より全国ロードショー公開となる映画
『木の上の軍隊』
は、舞台「木の上の軍隊」を原作とした物語。
太平洋戦争終結から80年となる今こそ語り継ぎたい、事実に基づく物語。

『木の上の軍隊』ストーリー
太平洋戦争末期1945年、米軍の侵攻により壊滅的な状況に陥った沖縄県伊江島。宮崎から派兵された厳格な少尉・山下一雄(堤真一)と、島生まれの新兵・安慶名セイジュン(山田裕貴)は、敵の激しい攻撃を避け、ガジュマルの樹上に身を隠す。
そのガジュマルは幹も枝も太く葉も黒ぐろと生い茂り、米兵も2人に気づくことは出来なかった。
山下は弱腰な安慶名を蔑み、安慶名は融通の利かない山下に恐れ慄く。時に険悪となる2人だったが、恐怖と飢えを互いに耐え忍ぶうち、少しずつ心を通わせていく。
終戦後も日本の敗戦を知らない2人の「戦争」は終わることがなく続いた。
そんなある日、見回りが来ない時間を見計らい木を降りた2人は、米兵が捨てていった残飯やゴミを発見するのだが――。

監督・脚本を手掛けるのは、『ミラクルシティコザ』の平一紘監督。
こまつ座の魂を受け継ぎつつ、本作のモデルとなった2人の家族や戦争体験者への取材からリアリティを積み重ね、沖縄出身としてのアイデンティティにより物語に新たな息吹を吹き込んだ。
ロケは全編沖縄で行われ、なんと主要な樹上シーンは本作のために数ヶ月かけて伊江島の公園に植樹されたガジュマルの樹上で撮影された。
植樹作業の際、沖縄戦の戦没者とみられる約20人分の遺骨が発見されたそうで、平監督は本作への思いを強くしたという。
伊江島出身のシンガーソングライターAnlyが手掛けた主題歌「ニヌファブシ」にも傾聴してほしい。
「ニヌファブシ」とは、琉球方言で「北極星」のことだ。
本作でダブル主演を務めるのは、堤真一と山田裕貴。

まずは、「人間・安慶名セイジュン」を憑依させた山田裕貴の圧倒的な演技力に目を奪われる。
人間の持つ強さと弱さ、優しさと狡さ、そして愚かさと愛おしさ、その全てを一人の俳優・山田裕貴が表現してしまうのだ。

そんな若手の実力を見せつけられ、名優・堤真一が黙っているはずがない。
自他を問わず厳格に徹し、自己犠牲も厭わない魂の裏に忍ばせた国を、故郷を、家族を思う優しさ。そして、人間としての脆弱さ。
観る者が感じる希望と絶望、そして可笑しみは、戦争という得体のしれないモノに対しての感情と似ている。
そして、山下と安慶名の関係があたかも父と息子のように展開していくのは、日本本土と沖縄という関係性を内包しているようで物語に一層の多重性を感じざるを得ない。

津波竜斗、玉代勢圭司、尚玄、岸本尚泰、城間やよい、川田広樹といった沖縄出身のキャスト陣が脇を固め、作品は更なる迫真性を醸し出す。
また、舞台版で上官役を務めた山西惇が実に印象的な配役で爪痕を残す。

これまで沖縄の制作チームが手掛けたことのない沖縄戦を描くことに葛藤があったという、平一紘監督。
そんな逡巡を払い除けたのは、舞台版が持つユーモアとエンタメ性、そして「対立と相互理解」という現代にも通じるテーマに意義を感じたからだとか。
「木の上の軍隊」は戦争という悲惨な題材を扱いながらも、ユーモアを交えて描く点で稀有な作品だ。
平監督は映画版のメガホンを取るに当たりシーンによってはコメディのつもりで執筆したそうで、堤真一と山田裕貴の喜劇センスを絶賛している。

映画『木の上の軍隊』は、太平洋戦争の終戦80年という今だからこそ、観るべき、語り継ぐべき物語へと昇華した。
エンドロールで流れるAnly「ニヌファブシ」は、戦禍を生き延びた人々が現代を生きる私たちに語りかけているようにも聴こえ、私たちが未来へと生命を繋ぐ子へ、孫へと語り継いでいるようにも響く。
歴史は時代を超えて受け継がれ、人々は世代を重ね生命を繋ぐ。
そして、物語は時を超えて未来を築く――。

映画『木の上の軍隊』
沖縄先行公開中
7月25日(金)
新宿ピカデリー
ミッドランドスクエアシネマ
伏見ミリオン座
他全国ロードショー
©2025 「木の上の軍隊」製作委員会
出演:堤真一 山田裕貴
監督・脚本:平一紘
原作:「木の上の軍隊」 (株式会社こまつ座・原案井上ひさし)
企画:横澤匡広 プロデューサー:横澤匡広 小西啓介 井上麻矢
制作プロデューサー: 大城賢吾
企画製作プロダクション: エコーズ 企画協力: こまつ座 制作プロダクション: キリシマ一九四五 PROJECT9
後援:沖縄県 特別協力:伊江村
製作幹事・配給: ハピネットファントム・スタジオ
『木の上の軍隊』公式サイト
https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/
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