
2025年6月28日(土)、ナゴヤキネマ・ノイ(名古屋市千種区今池1丁目6番13号 今池スタービル2階)にて
【美しき時代錯誤
磯部真也 特集上映】
が初日を迎えた。
所謂「アートフィルム」「実験映画」と呼ばれる作品を世に出し続けている磯部真也監督は、「イメージフォーラムフェスティバル/東アジアエクスペリメンタルコンペティション」大賞を史上初の二度(2020、2022)受賞、北米最古かつ世界最大級の実験映画祭である「アナーバーフィルムフェスティバル」ではグランプリ獲得など、国内外を問わず高い評価を受けている。
【美しき時代錯誤】と銘打たれた今回の特集上映は、磯部真也監督が2009年から2020年の間に制作した短編作品と、2022年の中編作品『ユーモレスク』、そして最新作の『April』計6作品というレトロスペクティブに留まらない作品構成となった。
『dance』
2009年/8ミリ→デジタル/6分
出演:伊藤らん
解説:
一人の女性と、彼女の住む部屋を被写体とした作品。8ミリフィルムの長時間露光撮影を用い、部屋に堆積している時間や記憶を映像で表現しようと試みた。
『EDEN』
2011年/16ミリ→デジタル/15分
スタッフ:伊藤らん、大谷理仁、青木岳明、深串大樹
解説:
岩手県八幡平市にある巨大廃墟、旧松尾鉱山跡。かつてその場所は「雲上の楽園」と呼ばれ、一万人の暮らしがあった。十数棟の鉄筋コンクリートの建物はゆっくりと朽ち果てながら、それでも未だあり続けている。この作品ではその場所に在る、永遠と無常という相反する時間を描き出そうとしている。
『For rest』
2017年/16ミリ→デジタル/17分
音楽、音響:磯部裕介 / ピアノ:深串大樹 / 声:伊藤らん
協力:鉢村岳明、大谷理仁、山崎剛弘、小野志乃芙
解説:
死を想像した作品。生と死を分け隔てその距離を遠ざけようとする人間の死生観と、自然における生命の循環を対比し、その両方を描き出す。森の中に設置した食卓というモチーフを5年に渡り撮影し続け、その果てに見出される言葉を超えたドラマに挑戦した。富士山の麓の青木ヶ原樹海をモデルとしている。
『13』
2020年/16ミリ→デジタル/10分
解説:
沈みゆく太陽を16mmフィルムによって毎日撮影し続けた作品。同アングル、同ポジションからのインターバル撮影と多重露光を繰り返し、5年間の太陽をフィルムに焼き付けた。これは天体記録でもあり、作者個人の感情的なイメージの創作とも言える。タイトルの『13』は13秒間隔でインターバル撮影を行なっていた事に由来する。
『ユーモレスク』
2022年/デジタル/46分
出演:磯部永和、磯部らん、磯部裕介、河端健太
整音:磯部裕介 協力:磯部らん、磯部裕介、三浦大樹
解説:
何処なのか、いつなのかも分からない架空の世界。荒涼とした風景の中に生きる母と子。質素な暮らし、日々の小さな物語、遠くの大きな物語、ただ穏やかに時が過ぎていく。ある日二人のもとへ男が訪ねてきて、緩やかに物語が浮かび上がり始める。作者が自身の家族にカメラを向けながら、架空の世界を作り出したSFホームムービー。
『April』
16ミリ→デジタル/6分
※work in progress※
6月28日(土)、磯部真也監督による舞台挨拶を取材した。
過去作5作品、そして最新作『April』についてたっぷり語られたトークを動画で紹介する。
如何に向き合っていくのか?
風景に対して……
時間に対して……
人物に対して……
物語に対して。
映画監督・磯部真也がつくり出す映像は、答えではなく、問いなのかもしれない――。
【美しき時代錯誤 磯部真也特集上映】は7月4日(金)までナゴヤキネマ・ノイで連日公開される。
(7月1日(火)は休館日)
最終日には磯部真也監督が再び舞台挨拶に立つ予定なので、こちらも是非お観逃しなく。

磯部真也監督 公式サイト
https://www.shinya-isobe.com/
ナゴヤキネマ・ノイ 公式サイト
https://nk-neu.com/
コメント