
始まったばかりのGWを祝うような穏やかな好天に恵まれた2025年4月27日(日)

ハープ × バイオリン × ハンドパン

という珍しい構成による室内楽コンサートが開催された。

Harp:小川真騎子
https://www.instagram.com/harpistmaki
Violin:岩田ゆいこ(YUIPU)
https://www.instagram.com/yuikoiwata
Handpan:奥村将和
https://www.instagram.com/handpan.oku
会場は、岩田ゆいこの「ホームグラウンド」であるMARKS CAFE(名古屋市熱田区西野町1-75)。
ディナーショー形式で開催された此夜、観客はカジュアルだが心を尽くされたプレートに舌鼓を打ちつつ、開演の時を今か今かと待っていた。

今回のコンサートは、以前からハンドパンはハープの音色と親和性が高いと思っていたというドラマー・奥村将和が、SNSで繋がっていたハーピスト・小川真騎子に声を掛けたことが発端とか。
二人のコラボ動画を目聡く見付けたバイオリニスト・岩田ゆいこが三人でのコンサートを申し出たものの、お互い多忙ゆえ2度ほどリスケジュールした末ようやく実現したという。

ステージはインターミッションを挟んだ二部構成で、三者三様の魅力を、そしてコラボレーションの妙を、存分に堪能することができた。
1st STAGE
1.風の通り道 『となりのトトロ』より2.海の見える街 『魔女の宅急便』より
3.ひきしお
4.partita No.2 sarabande J.S.バッハ
5.Sicilienne G.フォーレ
森のざわめきや港の喧騒が感じられるようなジブリ音楽で幕を開けたファーストステージ。
一人ひとりが使用楽器の解説をしつつ、『ひきしお』でハープの、バッハの無伴奏パルティータでバイオリンのソロを、『シチリアーノ』でハンドパンの魅力を、たっぷりと感じさせるプログラムでオーディエンスの心をがっちりと掴んだ。
2nd STAGE
1.Je te veux E.サティ2.銀河鉄道999 ゴダイゴ
3.即興
「バナナ・くさった」
「sharp・花水木」
4.Chim Chim Cher-ee 『メリー・ポピンズ』より
5.Conseils en Rondeau 岩田ゆいこ
6.月のワルツ 諫山実生
各メンバーが各々の持ち味を存分に発揮したファーストステージから更に一歩踏み込んだセカンドステージは、更に刺激的な楽曲が続いた。
サティのスタンダードや即興演奏で、ハンドパン奏者に留まらないパーカッショニストとしての凄みを見せつける、奥村。
観客からのリクエストによる即興曲、自身のオリジナル曲で、作曲家・編曲家としての才能を遺憾なく発揮する、YUIPU。
打ち合わせに無いことに事も無げに対応するだけでなく、アンサンブルとして音楽を成立させるバンドマスター、小川。
Encore
カノン(G major) J.パッヘルベルそして、誰一人として席を立たぬまま当然のように手拍子の大合奏が起こり、ステージはアンコールへとなだれ込んだ。
セオリーを外してト長調で演奏されたパッヘルベルのカノンは、まさに三人でしか表現できない特別なカノンであった。

Harpと、Violinと、Handpan……
これほどまでに心地よく、癒され、胸が熱くなるアンサンブルとなろうとは!
観客の一人として、音楽家のインスピレーションに心から感謝したい。

そして、心から祈らずにはいられない……
カノンのように、この幸せな気持ちが広く世界に移って往くことをーー!
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