
4月29日(火 祝)、名古屋は暖かな晴天だが強い風が吹き続ける昭和の日を迎えていた。
平穏ではあるが身を固くせねば帽子を風に奪われそうな天候は、だがしかし黄金週間に相応しいワクワク感に溢れていた。
ミッドランドスクエアシネマ(名古屋市中村区名駅4丁目7-1 ミッドランドスクエア5F)2番スクリーンの客席を埋めた観衆は、そんな蠱惑感を覚えていたに違いない。

この日、【シネマトークライブ 松岡ひとみのシネマコネクション】が開催された。
記念すべき【VOL.80】を飾る上映作品は、
鈴木亮平・有村架純 主演
朱川 湊人 原作
『花まんま』
4月25日(金)にロードショー公開が始まったばかりのハートフルコメディだ。

映画『花まんま』ストーリー
東大阪で暮らす加藤俊樹(鈴木亮平)は、亡き父(板橋駿谷)・母(安藤玉恵)との約束を守り、妹・フミ子(有村架純)を大切に育ててきた。そんなフミ子の結婚が決まり、俊樹は婚約者・中沢太郎(鈴鹿央士)に若干の頼りなさを感じつつも、妹の幸せを噛みしめる日々を過ごしていた。
だが式を数日前にして、太郎は衝撃の事実をフミ子から告げられ、俊樹も必死に日々を過ごすうちに忘れかけていた記憶を思い起こすーー。

迎えたトークゲストは、もちろん前田哲監督。

【VOL.62】(上映作品:『九十歳。何がめでたい』)に引き続き、【松岡ひとみのシネマコネクション】には2度目の登場となった。
映画終盤、とても大切な場面で劇伴を飾るのは、パッヘルベル(Johann Pachelbel)の「カノン」(Canon a 3 Violinis con Basso c.)。
曲名の通り「カノン形式」を採るこの曲は、同じ旋律が使用楽器を替えて繰り返される。
舞踏曲であるはずの「パッヘルベルのカノン」が結婚式で使われる理由は、楽器を通してメロディーが受け渡される様が「幸せを伝播する」ことに因むからだという説がある。
日本では「カノン進行」なる用語があるほど人気のメロディラインだが、そんな耳馴染み深い旋律の前段を是非お聴き逃しなきよう。
その部分こそが「幸せを伝播」するリフレインであり、だからこそ『花まんま』劇中でも丁寧に奏でられているのだから――。

映画『花まんま』公式サイトhttps://hanamanma.com/
コメント