IMG_20250223_162728

脚本家自身の手で、オリジナル脚本を作品にしたい。

『かぐらめ』(監督:奥秋泰男)『おっさんずぶるーす/21世紀のおじさん』(監督:前田直樹)などで知られる脚本家・難波望は、「脚本家が発信していく映画創り」を熱望していたという。
これまで脚本、企画書、プロットなどで多くの作品に係わり、脚本講座の講師も務めた難波は、志半ばで筆を置いた者たちの作品を
「脚本、めちゃくちゃ良かったのに……」
と忸怩たる思いで眺めることも多かったとか。
思いの一端は、喫茶星時で自身の監督作『オトギネマ』が上映された【Mirage Theatre】での舞台挨拶でも聞くことができた。

※よろしければ、こちらも※
そんな創作者・難波望の思いに応えたのは、たかはC進藤きい高橋郁子武田恒、という4人の脚本家たち。
映画監督・木内麻由美野田麗未も加わり、5本の短編映画から成る1本のオムニバス映画が生まれた。

それが、2025年2月22日(土)から刈谷日劇(愛知県刈谷市御幸町4-208 愛三ビル5階)で公開が始まった、

『Mothers マザーズ』

である。

IMG_20250223_162615

『BUG』20min
脚本・監督 武田恒
ストーリー:
鳴海(小沢まゆ)は、無差別傷害事件を起こした息子・聖(上田 雅喜)が理解できずに苦しんでいる。
冷たい夫(垣内 健吾)、被害者家族・朋絵(悦永 舞)と対峙する鳴海は、聖への気持ちを新たにしていく――。

『夜想』20min
脚本・監督 高橋郁子
美術(切り絵) 久藤エリコ
音楽 SADA
ストーリー:
草木も眠る真夜中、一人の女(大島 朋恵)が飴を買いに男(加藤 亮佑)を訪ねる。
男が理由を問うと、女は夜ごと少しずつ自分の身の上を語り始める――。

『いつか、母を捨てる』22min
監督 木内 麻由美
脚本・プロデューサー 進藤きい
音楽 野々村 昌樹
ストーリー:
晶子(外山 史織)は、ずっと一緒に暮らす母(山野 海)の顔色を窺うように生きてきた。
ある日、母の機嫌を損なわないように吐いた嘘が露見しそうになり、晶子の思いが炸裂する――。

『だめだし』20min
監督・編集 野田 麗未
脚本・プロデューサー たかはC
ストーリー:
厳しい年末進行の中クリスマスイブも編集作業に追われている、映像作家・純也(アキラ100%)。
娘と帰省中の妻・静香(高橋 明日香)から念押しの連絡を受け、純也は大切な約束を忘れていたことに気付くのだが――。

『ルカノパンタシア』28min
(英題:Living in the Heart)
脚本・監督 難波 望
音楽 星爪 梨沙
ストーリー:
原田路佳(嶋村 友美)と娘・海凪(森山みつき)の元へ、路佳の元夫・茂(藤井 太一)が訪ねてくる。
茂の言葉に衝撃を受けた路佳は、ひとり海へと向かうのだが――。

IMG_20250223_162930

2月23日(日)、刈谷日劇で開催された公開記念舞台挨拶を取材した。
登壇したのは、なんと9名という大所帯。

難波望武田恒(脚本・監督)
野々村昌樹(『いつか、母を捨てる』音楽監督)
木内麻由美(監督)
小沢まゆ外山史織嶋村友美森山みつき藤井太一(出演)


静かだが、どこか重厚な観後感を残す、映画『Mothers マザーズ』。

5本の作品に込められた母たちの想いだけでなく、脚本家たちの想いを肌で感じるからなのだろうーー。

IMG_20250223_163132
IMG_20250223_163322
IMG_20250223_163240
IMG_20250223_163503

映画『Mothers マザーズ』公式サイト

https://mothersfilm.studio.site/