『SR サイタマノラッパー』シリーズ(監督:入江悠/09〜)、『インターミッション』(監督:樋口尚文/13)、『こいびとのみつけかた』(監督:前田弘二/23)……

シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8−12 アートビル 1F)へ何度も出演作の舞台挨拶に訪れた、俳優・奥野瑛太さん。

『湖の女たち』(監督:大森立嗣/24)、『碁盤斬り』(監督:白石和彌/24)、そしてエミー賞・ゴールデングローブ賞受賞の海外ドラマ「SHOGUN 将軍」と、大作、話題作への出演が続く奥野さんだが、『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(12)公開の時には劇場に連日泊まり込んだシネマスコーレとの縁は今も強く、切れない。

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奥野瑛太さんが今回シネマスコーレを再訪したのは、主演を務める

山城達郎監督
『心平、』

舞台挨拶のためだ。

初めて訪れる山城達郎監督だが、実はシネマスコーレとは縁があるという。

シネマスコーレのオーナーといえば、ご存じ若松孝二監督。
若松孝二監督『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12)に、山城達郎監督は助監督として参加していたそう。

沖縄出身の、山城達郎監督。
北海道出身の、奥野瑛太さん。
日本の最南北端で生まれた二人が、中心地の名古屋に集結した。

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映画『心平、』ストーリー

震災から3年。
避難区域に程近い福島の村に住む大村心平(奥野瑛太)は、軽度の知的障害をもつ。
かつて父・一平(下元史朗)の田んぼを手伝っていた心平だが、原発事故で農地を手放されたこともあり無職の身となっている。
幼い頃から通う小さな天文台で働く妹・いちご(芦原優愛)は、社会に馴染めない心平と、世捨て人のようになった一平と暮らす生活を憎んでいる。
未来の見えない世界で、心平は来る日も来る日もグルグルと自転車を走らせているーー。

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2025年1月11日(土)、シネマスコーレ公開初日の舞台挨拶を取材した。

『心平、』製作の経緯、物語の変遷、撮影秘話など、坪井篤史シネマスコーレ支配人が深掘りしてくれたので是非ご覧あれ。



スクリーンから片時も目が離せない映画も良いが、映っていないフレームの外側を想像させる映画も良い。

『心平、』は、その両面をもった作品だ。

住む人のいなくなった家の様子を見る……すると、避難区域に立ち並ぶ同様の家々が思い浮かぶ。

打ち捨てられた納屋に目を奪われる……すると、荒れ放題の農地が見えるようだ。

時折り口調を変える奥野瑛太さんの演技に心を奪われる……すると、過去の周囲からの罵倒を思い知らされる。

映画『心平、』は、空間を、時間を超えた光景を映し出す。

ミニシアターでは、こんなにも豊かな鑑賞体験が出来るのだーー。

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映画『心平、』公式サイト

https://shinpei.jp/

シネマスコーレ公式サイト

http://www.cinemaskhole.co.jp/cinema/html/