2024年1月7日(日)令和六年の松の内、各務原市産業文化センター(岐阜県各務原市那加桜町2丁目186)あすかホールにて、映画祭が開催された。
その名もズバリ、
【各務原映画祭】
今回が初めての開催となる。
各務原市で最初の映画祭を開催するにあたって、映画祭代表の大野達也氏はまず「地域映画」の制作を決意。
2015年、映像制作団体「Shaggy dogs」を立ち上げ、仲間を集め、実績を重ねていった。
大野氏が主宰したワークショップで制作された短編映画は、各務原映画祭の会場となった各務原市産業文化センターのロビーで上映されていた。
各務原映画祭のコンセプトは、「地域映画をテーマにした映画祭」。
志を同じくする作り手たちから、「地域映画」が続々と募られた。
【各務原映画祭】上映作品
第1部
『奇跡の化石』
(岐阜県瑞浪市)岐阜県瑞浪市に引っ越してきたばかり女子高生の釜戸るい(戸畑心)は、都会に住む同級生のキラキラの投稿を見ながら、SNSで毒を吐くためいつもスマホを見ている。
ある日、博物館で「奇跡の珍獣」の想像図を見るが、恐竜でもない哺乳類ということで、るいの心は踊らない。
その日の夜、忘れたスマホを取りに博物館に忍び込んだるいは、世紀の発見という「パレオパラ ドキシア」の全身骨格の化石を見てしまう――
制作年:2023年 時間:19分 ジャンル:コメディ
スタッフ:
監督・脚本 = 日座裕介
エグゼクティブプロデューサー = 別所哲也
映像原案ワークショップ講師 = 田丸雅智
キャスト:
戸畑心 池田成志 伊藤允一 安藤佑介 化石ダンサーズ
作品紹介ページ
https://www.city.mizunami.lg.jp/shisei/kouchou_kouhou/1007918.html
『KAMIOKA VENREGERS』
(岐阜県飛騨市神岡町)岐阜県飛騨市神岡町の観光スポット、「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」。
営業開始前のスタッフのスマホに、「爆弾を仕掛けた」という電話が入る。
警察の代わりに理事長が派遣要請した組織が、事件解決に乗り出す。
「お待たせしました。いや、お待たせしすぎたかもしれません」
制作年:2022年 時間:19分 ジャンル:ドラマ・コメディ
スタッフ:
監督・脚本・編集 =吉木敏博
撮影 =吉田智貴
録音 =田中拓朗
キャスト:
霜出忠一 中田行則 梶山光治 中齊正樹 岩垣章子
『ココロ、オドル -OKINAWA BLUE-』
(沖縄県座間味島)沖縄県座間味島で暮らすようになって十数年、夏樹(加藤雅也)は島でただ一人のサバニ(舟)職人。
家族3人で慎ましく暮らしていたが、突然妻が置き手紙を残し失踪してしまう。
不器用だが穏やかな生活を続ける夏樹と娘・碧(池間夏海)だが、妻と一緒に島を出た不倫相手・竹一(新垣晋也)が戻ってくる――。
制作年:2019年 時間:39分 ジャンル:ドラマ
スタッフ:
監督・脚本 = 岸本 司
エグゼクティブプロデューサー = 島袋 武志
プロデューサー = 神山 繁
撮影 = 小橋川 和弘
音楽 = 迎里 中
キャスト:加藤 雅也 尚玄 池間 夏海 新垣 晋也 吉田 妙子
『ココロ、オドル』公式SNS
https://x.com/kokoroodorumov?s=20
https://www.facebook.com/kokoroodorumov?ref=embed_page
第2部
『五時のメロディ』
(愛知県名古屋市)三河湾と繋がりかつては海運業の要だった中川運河で、クルーズ船の操舵士を務める美咲(廣瀬菜都美)。
美咲の操縦するクルーズ船が運河に掛かる橋に差し掛かると、決まってコルネットを吹き出す男性(近藤芳正)が現れる。
結婚を間近に控える美咲は、外遊航路の操舵士を目指し、職場の上司に何度も直談判するのだが――。
制作年:2022年 時間:27分 ジャンル:ドラマ
スタッフ:
監督 = 岩田隼之介
プロデューサー = 辻卓馬
撮影 = 名倉彰孝
録音 = 桐山元秀
ヘアメイク = 福山リナ
音楽 = 原田裕貴
キャスト:
廣瀬菜都美 近藤芳正 佃典彦 菅沼翔也 近藤結良
『舞』
(岐阜県美濃市)森深い山奥で、何気ない日常で、交差する光景は、夢か、現か。
光景、音、匂い、触感、あらゆる感覚は、生と死との、生命と無機物との、此岸と彼岸との狭間で、揺れ動き続ける。
それはいつしか、時間をも超越するようで――。
制作年:2024年 時間:35分 ジャンル:ドラマ・ファンタジー
スタッフ:
監督・原作 齋藤 愛
撮影監督 Ramgndrei
音楽 岩井 一生
キャスト:
宮路 宇予 新沼 弘人 安藤 崚伽
『恋文』
(奈良県生駒市)奈良県生駒市にある山の中の旅館街を、一人の女性(深町友里恵)が訪ねる。
旅館で働く男(加藤雅也)が応対すると、女性は手紙を代筆してくれる人物の噂を頼りに来たと言う。
話を聞いた男こそ、依頼人の話を聞いて代わりに手紙を書く「代筆屋」その人であった――。
制作年:2022年 時間:29分 ジャンル:ドラマ
スタッフ:
監督・脚本・編集・プロデューサー = 上本聡
企画原案・プロデューサー・脚本 = 加藤雅也
撮影 = アイヴァン・コバック
録音・音響 = 吉方淳二
エグゼクティブ・プロデューサー=佐藤紳司
キャスト:
加藤雅也 深町友里恵
横浜国際映画祭
https://yiff.jp/formal/UivJZU9i
なら国際映画祭 フェスティバル2022
https://nara-iff.jp/2022/films-ja/invitation-03/
第3部
『Another World』
(北海道別海町)北海道別海町役場に勤める主人公は、過疎化や人口減少といった町が抱える問題に頭を悩ませていた。
ある日、同僚に薦められて見た動画で、災害でも役に立つ移動式サウナが話題に上っていた。
移動式サウナの開発を手掛けるのは、なんと別海町の会社だった――。
制作年:2021年 時間:11分 ジャンル:ドラマ
スタッフ:
監督・撮影 = 中鉢貴啓
音楽 = 鷹橋秀雄
プロデューサー = 吉田貴広
音響 = 西尾公孝
キャスト:
星野朋奈 長尾健汰 田畑直樹 吉田静子 髙橋宗靖
Magnetplace
http://magnetplace.jp/
『しまこと小豆島』
(香川県小豆島)父と二人暮らしだったしまこ(吉田まどか)は、幼い頃に一家で旅行した香川県小豆島を訪ねることになる。
だが、しまこにとっては最悪の旅行。突然再婚することになった父が言い出した旅なのに、当の言いだしっぺが急な仕事で行けなくなったのだ。
しまこと、父の再婚相手・美樹(田中美里)の二人旅が、始まる――。
制作年:2017年 時間:18分 ジャンル:ドラマ
スタッフ:
脚本・監督・編集 = 香西志帆
撮影 = 宮永智基
助監督 = 青木克齊
録音 = 鉢峯純孝
キャスト:
吉田まどか 長村航希 土田英生 田中美里
公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/syodoshimako
『坂出クエスト~マドカの場合~』
(香川県坂出市)マドカ(吉田まどか)は、幼い頃から片想いする相手に告白する前に失恋するほど、引っ込み思案な高校3年生。
そんなマドカの前に突然現れたのは、香川県坂出市名物である金時ニンジンの妖精。
マドカは、坂出の伝説に残る白峰の天狗を退治する勇者になってほしいと頼まれるのだが――。
制作年:2019年 時間:16分 ジャンル:コメディ・SF・ファンタジー
スタッフ:
脚本・監督・編集 = 香西志帆
ゲームアニメーション = 佐々木竜也
撮影=宮永智基
キャスト:
吉田まどか 大里菜桜 小林笑舞 株式劇団マエカブ 中山義紘
坂出市 公式SNS
https://twitter.com/sakaide_quest
https://www.instagram.com/sakaide_quest/
『からっぽ』
(青森県五所川原市中泊町)大学卒業を前にしたハルカ(髙橋若那)は、秋というのに就活で不採用が続いている。
失意の中、故郷の五所川原駅で足止めに遭ったハルカは、久しぶりに幼馴染みのアオイ(藤巻百恵)と再会する。
新幹線の運行再開の目途が立たず、東京での面接に向かうため代わりの交通手段を探すハルカに、アオイは思いもよらぬ提案を持ち掛ける――。
制作年:2022年 時間:23分 ジャンル:ドラマ
スタッフ:
監督 = 藤代雄一朗
プロデューサー・クリエイティブディレクター = 下田翼
キャスト:
髙橋若那 藤巻百恵 對馬裕美子
ショートショート フィルムフェスティバル
https://shortshorts.org/2023autumn/program/branded/2003/
AOMORI SHORT FILM PROJECT 21-22
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kikaku/chikatsu/aomorishortfilm.html
また、この日は映画祭代表・大野達也氏が監督・脚本・編集を務めた映画『ロイヤル劇場の夢』ワールドプレミア上映が行われた。
ロケ地となった柳ヶ瀬商店街にあるロイヤル劇場(岐阜県岐阜市日ノ出町1丁目20−20 ロイヤル劇場ビル)は、今も35mmフィルム上映を毎日続ける、全国唯一の映画館である。
『ロイヤル劇場の夢』上映後、会場は客席からの温かい拍手に包まれ、特別トークイベントが開催された。
登壇したのは、大野達也監督。
大野監督の情熱に賛同し、『ロイヤル劇場の夢』主演のみならず、【各務原映画祭】アンバサダーを務める、俳優の加藤雅也さん。
岐阜県出身の女優・桜木梨奈さん。
撮影監督を務めた柴田晃宏氏。
『ロイヤル劇場の夢』
(岐阜県岐阜市)寂れたアーケード街で父の乗る車椅子を押す女(桜木梨奈)は、いつも父が経営する古びた映画館を切り盛りしている。
ある日、上映を終えて店じまいしようとする女は、客席に一人の老紳士(加藤雅也)が座り続けているのを見つける。
劇場の掃除を始めた女が何の気なしに話しかけると、男はかつて映画監督だったと語る――。
制作年:2024年 時間:25分 ジャンル:ドラマ
スタッフ:
監督・脚本・編集 = 大野達也
撮影監督 = 柴田晃宏
制作進行 = 佐古抄千代
音楽 = 伊藤翔汰
キャスト:
加藤雅也 桜木梨奈 片岡稔
公式SNS
https://twitter.com/royal_t_dream
https://www.instagram.com/royal_cinema_dream/
北は北海道別海町から、南は沖縄県座間味島から、「地域映画」が一堂に会した。
青森から、香川から、地元を愛する作り手が、日本の真ん中、岐阜県・各務原に集結した。
日本の中心で映画愛を叫ぶ【各務原映画祭】で、映画人たちは次回の開催を約束した。
こうして、日本でいちばん新しい映画祭は、幕を下ろした
……いや、幕を開けたのである――。
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