2023年が、令和五年が、癸卯年が、暮れようとしている。


今年も、素晴らしい映画を鑑賞し、素敵な音楽を聴き、新たな発見に溢れるアート作品に触れることができた。


すべての制作者様、演者様、作者様、クリエイター様、ありがとうございます。

そして、劇場の、ホールの、カフェの、ライブハウスの、ギャラリーの、美術館の関係者の皆様に、惜しみない拍手を。

作品を届けてくれる、配給様、主催者様、イベントスタッフ様に、感謝させていただく。


当【ゴチソー尾張】は、今後も素敵なモノ・コトを様々な方にお届けできるよう、より一層尽力する所存でいる。


さて、ゴチソー尾張2023年オーラスを飾る記事は、12月17日(日)に

スタジオ・フローラ

(名古屋市西区花の木2-13-24 novaはなの木) で開催された、Christmas Concert20231217153038_IMG_4438


「家族で過ごす特別な音楽会」とタイトルの付いたステージに立ったのは、 pop classic trio

Flying Doctor(フライングドクター)

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宇野伊世(unoiyo)

担当:ソプラノ鍵盤ハーモニカ・アンデス・カホン・ピアノ・トイピアノ・アコーディオン・パーカッションなど


岩田ゆいこ(yuipu)

担当:アルト鍵盤ハーモニカ・ヴァイオリン・ウクレレ・トイピアノ・グロッケン・パーカッションなど


石田千尋(CHIKKY)

担当:バス鍵盤ハーモニカ・ピアノ・トイピアノ・バスクラリネット・アコーディオン・グロッケンなど


セットリストは、以下の通り。

Winter Wonderland

北半球では定番のクリスマス・ソング。 ドクターが演奏すると、Wonder感がマシマシになる「素敵な冬景色」。

The Christmas Song

メル・トーメ、ボブ・ウェルズ作の、タイトル通りクリスマス・ソングのド定番。 インストゥルメンタルだと言うのに、窓に降り注ぐ雪が、暖炉にくゆる炎が、そして静かに揺れるロッキングチェアが思い起こさせられるのは、まさにドクター流。

Jingle Bell Rock

カントリー(ロカビリー)シンガーのボビー・ヘルムズ1957年のシングルで、今でも世界中で愛されるクリスマスソング。 作者は、ジョセフ・カールトン・ビールとジェームス・ロス・ブースによる共作とされているが、ボビー・ヘルムズとギタリストのハンク・ガーランドは自分たちの作曲と異議を唱えたのだそう。

Christmas Family

TDLのステージショー「Christmas Wish」で使用される楽曲。 「大切な仲間と過ごせるなら、それが最高のクリスマスプレゼント」と歌われる、またに今回のChristmas Concertにピッタリの一曲。

クリスマスメドレー

賛美歌『荒野の果てに』、『赤鼻のトナカイ』、そして賛美歌『諸人こぞりて』からなる、ドクターオリジナルのクリスマスメドレー。 yuipuとCHIKKYが「もろびとこぞりて」という歌詞について話していたが、子供の頃(というか最近まで)「シュワキマセリ(主は来ませり)」の方が謎ワードだったのは自分だけではないはず。

くるみ割り組曲(演奏会用組曲版)

『白鳥の湖』『眠れる森の美女』と共に『くるみ割り人形』は三大バレエと称され、チャイコフスキーが手掛けた最後のバレエ曲でもある。 それを演奏会用に組曲とした楽曲群を、さらにドクターが編曲したバージョンがこちらの組曲。 『くるみ割り人形』は、主人公・クララがクリスマスプレゼントに贈られたくるみ割り人形と一緒に世界を旅する物語だ。

Ave Maria(シューベルト作曲)

グノー版、カッチーニ版と合わせて「三大アヴェ・マリア」と称される楽曲の中で、恐らく一番有名なのがこちらのシューベルト版。 CHIKKYのMCにもあったが、世界には本当に様々なアヴェ・マリアが存在し、ドクターのライブではピアソラ版やエルガー版もお薦めに挙がっていた。

Home aloneメドレー

クリスマスを舞台にした映画といえば、『素晴らしき哉、人生!』『ダイ・ハード』『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『シザー・ハンズ』…… と、本当にたくさんの作品を思い出すけれど、『ホーム・アローン』は間違いなく上位に挙がる名作。 サントラで恐らく一番有名な(しかも、過去のクリスマスコンサートで演ってるのに)『Carol Of The Bells』をメドレーに入れないところが、ドクターのサービス精神の真骨頂!

Have Yourself A Merry Little Christmas

ヒュー・マーティン作曲。 ジュディ・ガーランド(『オズの魔法使い』のドロシー!)主演1944年のミュージカル映画『Meet Me in St. Louis』の楽曲。 ジュディが歌ったオリジナル版はラルフ・ブレインの作詞があまりに暗い内容だったため、フランク・シナトラのカバー版では(比較的)明るい歌詞に差し替えられ、今ではこちらが定番になっているとか。 Encore:

Jingle Bells

ザ・クリスマス・ソングのド真ん中だが、歌詞の内容がかけ離れているため、クリスマス・ソングではないという説もあるとか。 ただ、この歌を下敷きにした前述『Jingle Bells Rock』でも同じようにトナカイではなく馬が登場するので、クリスマス・ソングとして楽しむのがHAPPYなのだろう。
さて、こうして実にHAPPYなステージは幕を下ろしたが、今回のChristmas Concertではフライングドクター初の試みとして、音楽を学ぶ子供たち、未来の音楽家とのJoint Stageが行われた。 楽曲も凝っていて、

そりすべり

きょうだいによる連弾で、リズム感溢れるソリの躍動感が見事に表現されていた。

We wish a merry christmas

こちらは、ピアノソロ。 ゆったりとしたワルツを堂々と弾きこなし、大きな拍手を贈られた。

I will follow him

映画『天使にラブソングを』より。 観客から手拍子が貰えそうな、見事なバイオリン・ソロだった。 今回のJointStageは、音楽人口がどんどん減っている現状を憂いたyuipuの発案に、メンバー2人も賛同して実現したという。 音楽を辞めてしまう子供たちは、楽器が楽しくないのではなく、特に日本では楽器を楽しく弾く場面が少なすぎるのではないか? 文字通り音楽を体験する……音を楽しむ経験をしてもらいたい一心で、フライングドクターが企画した特別な場という訳だ。 ジョイントステージに拍手を送った観客から広がった笑顔は、小さな未来の音楽家たちにも伝わって、スタジオ・フローラは本当に豊かなクリスマスに包まれた。 子供たちが、家族が、大切な仲間が……みんながHAPPYになれる特別な瞬間は、別にクリスマスだけとは限らない。 HAPPYを生み出すものとして、これからも素敵な音楽を伝えていければ……そんなことを思った――。

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