新型コロナウイルスの出現で私たちの生活は一変し、世界的なパンデミックは人々の人生観を変えた。
大袈裟ではなく、2020年から2023に亘るコロナ禍を経験した私たちは、心の在り様が変化した。
当たり前に有ると思っていたものが消え去るのを、目の当たりにした。
否応なく存在し続けると信じて疑わなかったことが、幻想であることを知らされた。
戦争や地震や温暖化や、とにかく日々恐れおののいていること以外でも、文明が崩壊する規模の危機は起こりうる。
そう、心底思い知らされた。
だからなのだろうか……
コロナ禍を潜り抜けてきた映画は、例外なく力がある。
映像に、脚本に、物語に、魂が宿っているのを感じる。
映画ファンは、それを作家性と呼ぶ。
今回紹介する『BY THE WAY -波乱万丈-』は、まさしくそんな映画である。
かつては単行本を数冊出すヒット作を描いた博だが、愛する家族・椿(吉見茉莉奈)と明日香(鶴心晴)のため、漫画家の道を諦めたのだ。
先輩パートの柴崎(南久松真奈)に叱咤されながらも真面目に務める博だったが、新しい学生バイト鈴木(東原優希)が現れてから、平凡な生活が一変する。
ある日、スーパーは突如として暴漢たちに襲われ、得体の知れない宇宙人(職業怪人カメレオール)まで出現する。
しかも、彼らが狙っているのは、博自身のようで――。
本作を監督したのは、自主映像団体「NAGURA TEAM」を率いる、名倉健郎。
「NAGURA TEAM」は数々の映画で撮影に携わり、名倉健郎は先日紹介したばかりの『INTERFACE -ペルソナ-』でも撮影監督を務めている。
名倉健郎は、積極的に自身の監督作品も世に出しており、特に四字熟語をテーマにした短編映画集『SHOT FILMS四字熟語』は各映画祭で好評を博している。
筆者も、【MKE映画祭】で四字熟語シリーズ『二者択一』を観て、心を奪われた。
本作『BY THE WAY -波乱万丈-』は、全１３作を数える『SHOT FILMS四字熟語』最終作の、リメイク、リバース版である。
(基になった短編映画のタイトルは、もちろん『波乱万丈』だ)
『波乱万丈』を内容や設定から考え直したという長編『BY THE WAY -波乱万丈-』は、本格ＳＦであり、スペース・オペラである。
冒険活劇であり、コメディであり、社会派映画であり、ヒューマンドラマである。
自主映画と侮ることなかれ、観てもらえれば分かる。
すべてが高い水準にある極めてハイレベルな人間賛歌を劇場で観て、度肝を抜かれてほしい。
主演を務めるのは、台湾映画『セデック・バレ』(監督: 魏德聖)『KANO 1931 海の向こうの甲子園』(監督:馬志翔)などワールドワイドに活躍する、吉岡そんれい。
振り幅の大きい(実に！)役どころを、的確かつ華麗に演じ切った。
主人公のバディには、『おっさんずぶるーす』『マリッジカウンセラー』『さよならファンタジー』の、藤井太一。
主人公のパートナーには、『センターライン』『啄む嘴』『INTERFACE -ペルソナ-』の、吉見茉莉奈。
ほか、東原優希、南久松真奈、職業怪人カメレオールなど多才な面々が物語を重厚に彩る。
自らの貪欲さと愚かさによって自滅した文明の後で、遺された意思は何を思うのか……
名倉健郎監督が描くスペース・オペラは、まるでスティーブン・ホーキング博士が死の直前に予測したディストピアのようだ――。
『BY THE WAY -波乱万丈-』は、12月2日(土)よりシネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1F)で、12月9日(土)よりシアターカフェ(名古屋市東区白壁４丁目９)で公開となる。
奇しくも、縁の深い映画である前述の『INTERFACE -ペルソナ-』と同じスケジュールを翌週から辿ることになる。
(一部キャストも共通し、より一層この２作品は縁の深さを感じる)
シネマスコーレでは、12月2日(土)、3日(日)、8日(金)と舞台挨拶が予定されているので、是非ともお観逃しなきよう。
作品の公式SNSや、劇場サイトをチェックしてほしい。
吉岡そんれい
藤井太一 吉見茉莉奈
東原優希 職業怪人カメレオール
井筒しま 南久松真奈
安楽涼 守山龍之介 ミネオショウ
荒岡龍星 NOVA 小野瀬たつみ 鶴心晴 秋元ジャクソン玲来
小野了
監督・撮影・編集・VFX・造形：名倉健郎
大袈裟ではなく、2020年から2023に亘るコロナ禍を経験した私たちは、心の在り様が変化した。
当たり前に有ると思っていたものが消え去るのを、目の当たりにした。
否応なく存在し続けると信じて疑わなかったことが、幻想であることを知らされた。
戦争や地震や温暖化や、とにかく日々恐れおののいていること以外でも、文明が崩壊する規模の危機は起こりうる。
そう、心底思い知らされた。
だからなのだろうか……
コロナ禍を潜り抜けてきた映画は、例外なく力がある。
映像に、脚本に、物語に、魂が宿っているのを感じる。
映画ファンは、それを作家性と呼ぶ。
今回紹介する『BY THE WAY -波乱万丈-』は、まさしくそんな映画である。
『BY THE WAY -波乱 万丈-』ストーリー
冴えない中年男・間博(吉岡そんれい)は、大学時代の同級生・乃木(藤井太一)が店長を務めるスーパーで働きはじめる。かつては単行本を数冊出すヒット作を描いた博だが、愛する家族・椿(吉見茉莉奈)と明日香(鶴心晴)のため、漫画家の道を諦めたのだ。
先輩パートの柴崎(南久松真奈)に叱咤されながらも真面目に務める博だったが、新しい学生バイト鈴木(東原優希)が現れてから、平凡な生活が一変する。
ある日、スーパーは突如として暴漢たちに襲われ、得体の知れない宇宙人(職業怪人カメレオール)まで出現する。
しかも、彼らが狙っているのは、博自身のようで――。
本作を監督したのは、自主映像団体「NAGURA TEAM」を率いる、名倉健郎。
「NAGURA TEAM」は数々の映画で撮影に携わり、名倉健郎は先日紹介したばかりの『INTERFACE -ペルソナ-』でも撮影監督を務めている。
名倉健郎は、積極的に自身の監督作品も世に出しており、特に四字熟語をテーマにした短編映画集『SHOT FILMS四字熟語』は各映画祭で好評を博している。
筆者も、【MKE映画祭】で四字熟語シリーズ『二者択一』を観て、心を奪われた。
本作『BY THE WAY -波乱万丈-』は、全１３作を数える『SHOT FILMS四字熟語』最終作の、リメイク、リバース版である。
(基になった短編映画のタイトルは、もちろん『波乱万丈』だ)
『波乱万丈』を内容や設定から考え直したという長編『BY THE WAY -波乱万丈-』は、本格ＳＦであり、スペース・オペラである。
冒険活劇であり、コメディであり、社会派映画であり、ヒューマンドラマである。
自主映画と侮ることなかれ、観てもらえれば分かる。
すべてが高い水準にある極めてハイレベルな人間賛歌を劇場で観て、度肝を抜かれてほしい。
主演を務めるのは、台湾映画『セデック・バレ』(監督: 魏德聖)『KANO 1931 海の向こうの甲子園』(監督:馬志翔)などワールドワイドに活躍する、吉岡そんれい。
振り幅の大きい(実に！)役どころを、的確かつ華麗に演じ切った。
主人公のバディには、『おっさんずぶるーす』『マリッジカウンセラー』『さよならファンタジー』の、藤井太一。
主人公のパートナーには、『センターライン』『啄む嘴』『INTERFACE -ペルソナ-』の、吉見茉莉奈。
ほか、東原優希、南久松真奈、職業怪人カメレオールなど多才な面々が物語を重厚に彩る。
自らの貪欲さと愚かさによって自滅した文明の後で、遺された意思は何を思うのか……
名倉健郎監督が描くスペース・オペラは、まるでスティーブン・ホーキング博士が死の直前に予測したディストピアのようだ――。
『BY THE WAY -波乱万丈-』は、12月2日(土)よりシネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1F)で、12月9日(土)よりシアターカフェ(名古屋市東区白壁４丁目９)で公開となる。
奇しくも、縁の深い映画である前述の『INTERFACE -ペルソナ-』と同じスケジュールを翌週から辿ることになる。
(一部キャストも共通し、より一層この２作品は縁の深さを感じる)
シネマスコーレでは、12月2日(土)、3日(日)、8日(金)と舞台挨拶が予定されているので、是非ともお観逃しなきよう。
作品の公式SNSや、劇場サイトをチェックしてほしい。
映画『BY THE WA Y- 波乱万丈-』
2022年/110分吉岡そんれい
藤井太一 吉見茉莉奈
東原優希 職業怪人カメレオール
井筒しま 南久松真奈
安楽涼 守山龍之介 ミネオショウ
荒岡龍星 NOVA 小野瀬たつみ 鶴心晴 秋元ジャクソン玲来
小野了
監督・撮影・編集・VFX・造形：名倉健郎
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