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名古屋 短編映画の聖地【TheaterCafe(シアターカフェ】(名古屋市東区白壁4-9)が、中区大須から現在の場所にリニューアルオープンしたのは、2020年8月1日のことであった。

以来、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言、円安によるインフレ、ロシアのウクライナ侵攻が遠因の食料品高騰……
等々あらゆる苦難を乗り越え、TheaterCafeは3周年を迎えた。

そして今年の夏も、

【シアターカフェ移転&リニューアルオープン3周年記念開放祭】

が開催されている。

B・C・Dプログラムが上映された、8月12日(土)、「名古屋 短編映画の聖地」にて舞台挨拶に臨んだ創り手たちを取材した。

【Bプログラム】(4作品/74分)

『Hola!出来島!!』

(2023年/ 16分46秒)
監督:岸本 景子
ペルーから日本にやってきたアンナはとても引っ込み思案な小学生。ある日、教室から「街にどんな店があってどんな人が住んでいるのか」を取材してイベントで発表することになった。課題に憂鬱なアンナ。いざ街に出てみると、新たな出会いと発見で見えている世界が変わっていき―。出来島商店会の多文化交流プロジェクトとして制作された短編。

『夢覚め(ユザメ)』

(2022年/ 10分53秒)
監督:原田 涼
家族を過去に亡くし、⺟ひとりの⼿で育てられてきた少⼥が、“夢と現実”、“家族の環境”との間でもがきながら、成長していく姿を描く。近年再開発を続ける名古屋で撮影を⾏い、古い街並みと変わっていく街並み、新しく⽣まれ変わった街を映像に捉えながら、主⼈公の気持ちの“変化”や“成⻑”と重ねて描いた。

『渇いた寿司は殺す』

(2022年/ 17分15秒)
監督:浅田 若奈
冬の夕方、マッチングアプリが趣味な女・杏子がアプリでマッチングした男・さとうくんとの待ち合わせ場所に向かうと、1人の女がいた。女はさとうくんの彼女、薪奈という。強引な薪奈に誘われて、杏子は薪奈の家へ向かう。家へ着き、出されたのは渇いた寿司。それは彼氏の帰りを待っている間に渇いてしまった寿司だった。

『「M」』

(2022年/ 28分15秒)
監督:真都山 みどり
ある日、”俺”の靴箱に『好きです、伝えたいことがあります』と書かれたラブレターが入っていた。差出人は「M」。”俺”の脳内で様々な妄想が駆け巡る。一方、クラスメートの杉谷さんとはおそらく両想いだ。しかし「M」が誰なのか気になる”俺”。そしてついに「M」の正体が明らかになり、”俺”はある事実を知る…。



【Cプログラム】(4作品/73分) 

『ストーカーストーカー』

(2023年/ 5分52秒)
監督:村田 啓治
生配信直前のネットアイドル宅に忍び込んだストーカー。
配信風景をスマホで盗撮していると、妙な男が侵入してきたのが映り込む。

『OPENING』

(2022年/ 7分36秒)
監督:宮里 洸樹
演劇公演を控えた役者、いなちゃんと愛さんが、稽古の休憩時間に会話する。作品のこと、劇団のこと、これからのこと。本番が始まる。舞台袖の暗がりで愛さんは、ずっと聞きたかったことをいなちゃんに尋ねてみる。

『花』

(2022年/ 29分40秒)
監督:名鳥 佑飛
夕暮れ時、大学4年の柴崎 康太は思い悩み、高台から景色を眺めていると、友人の佐々木 颯人が訪れる。彼らはかつて、純粋に楽しい日々を過ごしていた。あれから1年…。その日々は、佐々木が最後に授かったかもしれないユリの花を見る度に、青々しい香りを漂わせるよう思い出す。水に流せない別れと共に…。

『アベンド』

(2023年/ 29分1秒)
監督:高橋 佑輔
謎のIT企業に就職した新人プログラマの佐藤は、プログラミングの研修合宿に行くことになる。
ワンボックスカーで人里離れた研修所に連れて行かれた佐藤たちの前に現れたのは、殺気立ったプログラミング講師・大藤だった。大藤の様子は明らかにおかしく、指導方法は常軌を逸していた。地獄のプログラミング研修が今始まる…!



【Dプログラム】(4作品/72分) 

『ある日のモエレ』
(2022年/ 15分27秒)
監督:吉田 孝行
北海道札幌市の郊外にあるモエレ沼公園。彫刻家イサム・ノグチの最大で最後の作品であり、「公園全体がひとつの彫刻作品」として造成された公園である。モエレ沼に囲まれた広大な敷地には、人工の山や噴水、様々なデザインの遊具などが幾何学的に配置されており、自然とアートが融合した独特のランドスケープを生み出している。

『sfumato』

(2022年/ 20分25秒)
監督:相馬 あかり.
2019年から2022年はパンデミックに象徴される時代だった。数多の産業が深刻なダメージを受け、道行く人にはマスクが浸透した。そんな中、記録媒体であるカメラに不慮の事故が起こり、映像に「煙のようなもの」が映り込むようになる。何もしないことが正解となってしまった世界で、壊れたカメラは何を映しだすのか?

『マウス・オブ・サッドネス』

(2022年/ 18分50秒)
監督:内藤 慈
新型コロナウイルスによって街ゆく人々のすべてがマスクをつけはじめた2020年以降の社会。
「女性の口を塞ぐ行為=ハンドギャグ」に性的な興奮を覚える主人公にとってそれは自らの欲望の世界を一変させたのだった......<コロナ×妖怪×ハンドギャグ>フェチムービー

『狐狸』

(2022年/ 17分09秒)
監督:高梨 太輔
ある港近くの公衆トイレで闇の取引が行われていると情報が入る。 マル暴の千葉は繋がりのある裏組織の 「何か」を知るために必死で謎のアタッシュケースを探していた。 現場近くで張り込む刑事の神谷と柚木は手がかりが掴めないまま署に呼び出され現場から離れる。 すると謎のワゴン車がやってくる・・・。



8月5日(土)より開催されている【シアターカフェ移転&リニューアルオープン3周年記念開放祭】も、8月13日(日)いよいよ最終日を迎える。

行動制限のない最初の周年祭、どんな大団円を迎えるのか……
是非とも、その目で確かめてほしい――。


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