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先日、豊田市での感謝上映会をレポートした、三河映画幸福な結末』(岩松あきら監督)。

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2023年7月22日(土)岡崎市図書館交流プラザりぶら(愛知県岡崎市康生通西4丁目71)で開催された『幸福な結末』感謝上映会を取材した。

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岡崎は13年前に制作発表が行われた『幸福な結末』「誕生の地」なのだから、感謝上映会の開催も当然といえば当然だ。

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映画関係者の想いは、登壇したゲストの数にも表れていた。
集結したキャスト陣は、なんと総勢17名。

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出演者によっては撮影以來13年ぶりの再会とあって、会場はさながら「同期会」のような雰囲気に溢れていた。

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井上 秀之(主演:桐原薫 役)さんは、13年前の制作発表で朗読したシーンのことを、真摯に語った。

清水 香奈(主演:少女 役)さんは、
未成年だった撮影当時の裏話について語ってくれた。

ストーリーラインの中心に絡む原田編集長役の上田 定行さんは、物語の前半と後半で印象がガラリと変わる難役を見事に演じ切った。

脇田 敏博(先輩記者 役)さんは、閉塞感漂う世情を軽々と跳び越える映画の力強さを語った。

佐久間ドクター役の村上 隆成さんは、物語の傍観者であり、キーマンだ。医師という立場での綿密な役作りが見て取れる。

薫の叔父を演じた小澤 寛さんは、桐原の少年期のシーンでの「仇役」。薫(松尾隆成)と叔父との関係は、主人公の人生に大きな影を落とす。

冴木 茶々(撮影当時:斉木りえ/石野千明 役)さんは、役柄と同世代となった今の自分をしみじみと語った。

タケヤマ タケゾウ(撮影当時:竹山史恭/里見 役)さんは、わかたれた仲間について思いを馳せた。

24歳になったばかりの松尾 隆成(桐原薫(回想)役)さんは、撮影で成長した当時のことを語ってくれた。

池野 亜夢(絵本教室の仲間 役)さんは、映画に関わってくれた一人ひとりに、丁寧に感謝した。

同じく杉山 快俊さんも、薫、千明、そして里見らと同門の絵本作家の卵。彼らが世に出した同人誌は、仲間たちの人間関係に、そして主人公の人生を大きくかえることになる。

ベテラン刑事に扮した福山 廉士さんは、「奇跡」がなければ主人公と顔を合わせることのなかった人物とも言える。「あのシーン」に登場していないのは、そんな理由もあってのことかもしれない。

主人公・桐原の母(現在)を演じた柴田 槇子さんは、ずっと病床に伏したままの難役に挑んだ。本当に告げたいことを告げられぬ心の叫びが、無表情を通して聴こえるようであった。

桐原の顔馴染み編集者を演じた三芳 一麻(撮影当時:一麻)さんを含め、『幸福な結末』の登場人物は物語にたくさんの伏線を残す。その多くは、人生の而二不二(ににふに:二面性の意)を示す、大切な存在だ。

彬田れもん(撮影当時:坂本由佳/新米看護師 役)さんは、三河映画に加わる大切な縁となった二本の映画を、慈しむように追想した。

高橋ゆな(ネコの声 役)さんもまた、『幸福な結末』だけでなく『Ben-Joe』にも深く絡んでいる。三河映画の絆の強さを感じさせる存在だ。

そして、舞台挨拶のMCを務めたのは、先輩看護師役の磯部 有記枝さん。数多の生死を垣間見てきたベテラン看護師の存在感は、薫の母が、そして薫自身が置かれている危機的状況をひしひしと感じさせる。

岩松あきら監督を含む総勢18名が居並ぶスクリーン前は、圧巻の一言だった。



イベント後、豊田での感謝上映会に優るとも劣らぬ反響が作り手に直接届き、交流会は大盛りあがりとなった。

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99ヶ所の映画祭で入選・受賞(祝!宮古島チャリティ国際映画祭)した『幸福な結末』は、2023年10月14日(土)15日(日)にはシネマスコーレ(名古屋市中村区椿町8-12 アートビル1F)での一般公開も予定されている。

今後も様々な展開がありそうな『幸福な結末』に、季節をまたいでも目が離せそうにない。

とは言え、それほど苦ではない。
それほど私たちは、『幸福な結末』を観届けようと長いこと待っていたのだ――。

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三河映画 公式サイト

https://www.mikawaeiga.jp/