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社会派作品と呼ばれる映画は、日本でも数多作られている。
私たちに啓蒙を促すメッセージを発しつつも、エンターテインメントとして鑑賞しうる映画もある。

そして、社会派作品を語る上で、ドキュメンタリー映画を忘れるわけにはいかない。
現場を視ることでしか分からない真実も、ある。

そんなエンタメ作品とも、ドキュメンタリーとも違う「純度の高い社会派劇映画」驚かされることがある。

7月7日(金)にロードショー公開が始まった(6月9日(金)沖縄先行公開)『遠いところ』は、まさにそんな映画である。

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『遠いところ』ストーリー

沖縄県コザに住む17歳のアオイ(花瀬琴音)は、中学の頃からキャバクラで働いている。
建築会社で働く夫・マサヤ(佐久間祥朗)はルーズな性格で、仕事も長く続かない上にDVの傾向がある。
幼い息子・健吾を抱えるアオイの生活は苦しいが、キャバクラの同僚で親友の海音(石田夢実)やおばあ等の支えもあり何とか日々を過ごしていた。
だが、店にガサ入れがあり、未成年のアオイはキャバクラ務めが出来なくなってしまう。
その上、次の仕事も探さず失踪していたマサヤが暴力事件を起こし、多額の示談金が必要になる。
途方に暮れるアオイに対し、キャバクラの店長が薦めてきた仕事とは――。

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主人公アオイを演じたのは、今作が映画初主演となる、花瀬琴音。
そして海音役の石田夢実は、映画出演自体が初となる。

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そのキャリアからは考えられないほどの輝きを、存在感を放った二人だが、なんと沖縄とは縁もゆかりもないのだとか。
撮影の一ヶ月前には佐久間祥朗(マサヤ役)と共に沖縄入りし、実際に生活したという経験は、大きな糧となっただろう。

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『遠いところ』の脚本・監督を務めたのは、今作が長編映画3作目となる工藤将亮監督。

7月8日(土)伏見ミリオン座(名古屋市中区錦2丁目15−5)で開催された舞台挨拶を取材した。
司会進行は、出演・プロデューサーの來河侑希さんが務めた。


キャスト陣が自らフィールドワークを重ね、役作りを重ねたのだから、『遠いところ』に漂う「純度」の高さも納得だ。
そして、その手法は、今も沖縄で生きる「アオイ」達を守る為でもあったのだ。

さて、私たちはどうしよう。
「アオイ」のことを知ってしまった、私たちは――。

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『遠いところ』オフィシャルサイト

https://afarshore.jp/
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