『半世界』(2019)、『一度も撃ってません』(2020)、『弟とアンドロイドと僕』(2022)、『冬薔薇』(2022)……
最新作が夜に出る度、代表作が書き直される「生ける巨匠」阪本順治監督。
ロードショー公開中の『せかいのおきく』で、またアップデートされた感がある。
阪本順治監督自らが脚本も手掛けた『せかいのおきく』は、90分のオリジナル作品。
SDGsを扱った時代劇にして、モノクロームの青春映画だ。
『せかいのおきく』ストーリー
時は幕末、安政の世。
おきく(黒木華)と父・源兵衛(佐藤浩市)は、貧乏長屋で暮らしている。
紙屑買いの中次(寛一郎)は、寺の厠の軒先で矢亮(池松壮亮)と出会い、下肥買いに商売替えする。
おきくと中次は密かに想い合っているのだが、身分違いの恋に中次は気後れしている。
源兵衛は元勘定役の身であり、不正を暴かれた奉行から逆恨みされている。
ある冬の朝、中次は源兵衛から「せかい」という言葉を教わるが、源兵衛・おきくの身には刻々と危機が迫っていた――。
6月25日(日)、刈谷日劇(愛知県刈谷市御幸町4丁目208 愛三ビル5F)で阪本順治監督の舞台挨拶が開催されたので取材した。
司会進行は、ご存知 映画パーソナリティ・松岡ひとみさん。
息の合った掛け合いと、客席との質疑応答もあり、大変貴重なトークを聞くことができた。
ほぼノーカットの動画で紹介する。
二十二歳おきくが暮らす世界には、終わりなどない。
良くも悪くも、糞みたいな毎日が、いつ果てるともなく循環している。
私たちが暮らす現代でも、今日を良い日にすれば、明日をもっと良い日にすれば、それを継続することが出来るとすれば、ずっと良い日が続くはずだ。
遠からぬ未来、世界の果てが来ないように。
……ここ、笑うとこじゃないぜ――。
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