
2022年10月29日(土)秋晴れに恵まれたこの日、アイプラザ半田(半田市東洋町1丁目8)で【知多半島映画祭2022】が開催された。
2022年は3年ぶりの行動制限がない秋とあって、今年で12回を数える知多半島映画祭も大勢の観客で賑わった。

招待作品
『サマーフィルムにのって』
(松本壮史 監督/97分)時代劇をこよなく愛する高校生・ハダシ(伊藤万理華)は、映画部で好きな作品が撮れず、不満を募らせていた。
ある日ハダシは名画座で、ボツ台本『武士の青春』の主人公にぴったりな男子・凛太郎(金子大地)と出会う。
凛太郎を口説き始めたハダシは、ビート板(河合優実)、ブルーハワイ(祷キララ)、ダディボーイ(板橋駿谷)、小栗(篠田諒)など、独自の嗅覚で人材を発掘していく。
だが、肝心の凛太郎は頑として主人公・猪太郎役を演ることを拒否し続ける。
「打倒ラブコメ!」を掲げるハダシ組は、果たして文化祭でのゲリラ上映を成し遂げられるのか――。
上映後、キャストの祷キララ、篠田諒が登壇し、舞台挨拶を行った。
短編映画コンペティション
『お願いだから、唱えてよ』
(佐島由昭 監督/17分)女が帰宅すると、家に知らない男がいた。男は自分が幽霊だと名乗る。パニックになるが、そんな彼女に頼みがあるという。果たしてその頼みとは何なのか・・・?!
『牡丹の花』
(土居佑香 監督/24分)線香花火職人を父親に持つ山口牡丹。ある日、線香花火を作らせてもらえず不満を抱いた牡丹と父・柳は仲違いしてしまう。数年後、映像制作会社のADになった牡丹は取材のため疎遠になっていた実家にやむなく帰省する。
『ただの夏の日の話』
(松岡芳佳 監督/25分)二日酔いの重い身体を起こしたときにわかったこと、それは窓の外の景色がたぶん東京ではないこと。部屋の中に見知らぬおじさんが寝ていること。そんな、見知らぬ場所で見知らぬ人と過ごした、“ただの” 夏の日の話。
『AIM』
(GAZEBO監督/22分)母親が亡くなって以来、部屋に閉じこもりゲームに明け暮れる23歳の舞。たった一人の家族である父親の史人は、娘との会話もなくただ部屋から聞こえてくるのは銃声ばかり。娘の将来を案じているが自分ではどうすることもできず、インターネットに相談を投稿するのだった。
『パステロルナ』
(山本大策 監督/30分)イタリアンレストラン、パステロルナ。ジャッカル店長の料理はどれも絶品!ウェイターのマイコと2人で切り盛りしている。このお店にはとびっきりの隠し味があるのだ。パステロルナで巻き起こる不思議で可愛い物語。
観客は思い思いに好きな作品への投票を行い、発表までスペシャルプログラムを堪能した。
半田市出身のシンガーソングライター・Katie Ford(ケイティフォード)によるスペシャルライブだ。
14歳から洋楽のギター弾き語りを始めたKatie Fordは、オーストラリアから帰国した16歳より本格的に音楽活動を始め、現在まで150本近いライブを行っている。
今年は、セントラル愛知交響楽団とのコラボステージが実現した。
ショートフィルムコンペティションは、なんと360作品もの応募作の頂点ということになる。
準グランプリは、
『パステロルナ』

そして、栄えあるグランプリは、
『ただの夏の日の話』

が受賞した。
マイクを手にした作り手の方々が、口々に
「また知多半島に戻ってきたい」
と言ったのが印象的だった。

今年2度目の入選を果たしたGAZEBO監督のように、再び知多半島の地を踏んだ方々には
「おかえりなさい」
と言おうと思う。
胸を張って「おかえり」と言えるような素敵な映画祭が、私たちの地元にはあるのだ――。

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