
一枚の絵画を観ながら、連れと意見を交わした。
具体的なモチーフから描かれた絵なのだから、これは具象画だと、私は言った。
はなから抽象にするつもりで描かれているのだから、これは抽象画だと、連れは言った。

名古屋市千種区鏡池通3-5-1にあるアートギャラリー、【gallery N】を訪ねた。

『ギャラリーN映画展』にてオーナーの二宮ご夫妻と知り合ってから初訪問なのだから、随分と不義理を重ね続けていたことになる。

9月24日(土)、三木 瑠都(Rutsu Miki)個展、「眺望と陰影」が初日を迎えていた。






3年前から田原市で暮らし、以前から嵌まっていた庭作りに加え、最近では自家菜園も始めたという、瑠都さん。
そんなライフスタイルは、作品にも如実に影響を与えているそう。






この日は初日ということで、19時よりオープニングトークが開催された。
聞き手であるトークゲストは、豊田市美術館の鈴木俊晴 学芸員。
すべての絵画に共通する草木の緑、その捉えどころのない不可思議な濃淡、蔭明の秘密について、存分に語られた。
具象、抽象、そんな議論は愚問なのかもしれない。
遥か悠久の太古より人類を魅了し、技法も画材も穿ち尽くされたと思える、絵画という表現。
現代アートの最前線ですら、ドローイングについて、ペインティングについて、絵の具について、これほど盛り上がることが出来るのだ。
三木瑠都 個展「眺望と陰影」は、10月9日(日)まで【gallery N】で開催中。
10月1日(土)2日(日)8日(土)9日(日)は、瑠都さんが在廊しているそうなので、予定が合う方は狙ってほしい。

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