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縄文時代

日本特有の時代区分で、世界史での新石器時代に相当する。
1万年以上という途方も無い過去のこと、日本列島に定住した縄文人たちは、磨製石器を使用し、豊かな自然の中で狩猟採集生活を営んでいた。
そして、この時代でもっとも特徴的な、所謂「縄文式土器」を作り、活用していた。

現代に生きる私たちが、縄文時代の人々のことを知ろうとするのなら、遺跡を発掘し、出土品を丹念に調べるより方法がない。
太古の昔を知るには、土に尋ねるしかないのだ。

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『掘る女 縄文人の落とし物』は、そんな縄文ロマンに憑かれた人々を活写した「発掘ドキュメンタリー」。
つい先日レビューした『ウクライナから平和を叫ぶ ~ Peace to You All ~』も「歴史に学ばん」とするドキュメンタリー映画だが、本作は学ばんとする歴史の隔たりが段違いだ。
何せ、縄文時代とは今から約1万6千年〜3千年前(諸説あり)なのだから、悠久の過去、しかも重ねた年月は1万3前年間という途方もない星霜なのだ。

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長野県の山中に30年間通い続けた筋金入りの考古調査員・大竹幸恵さんは、縄文時代の黒曜石の採掘現場を、発掘調査している。
夏に定年を迎える大竹さんと共に、発掘現場も終焉を迎えようとしていた。

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岩手県の発掘現場を指揮するのは、調査員の八木勝枝さん。
「土偶女子」である八木さんは、震災の被災地での思い出の品と、遺跡とを重ねる。

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大学院生の伊沢加奈子さんは、栃木県の遺跡で大学生たちと共に発掘を行なっていた。
反抗期真っ只中の伊沢さんを変えたのが考古学で、今では何のために発掘するのか自問自答する日々を送っている。

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神奈川県の巨大な稲荷木遺跡では、池田由美子さんが作業員として働く。
20年以上の経験を持つベテラン池田さんが発掘作業にはまった切っ掛けは、ポストに入っていた求人チラシだという。

サブ2

『掘る女 縄文人の落とし物』を監督したのは、『≒草間彌生 わたし大好き』(2008年)『氷の花火 山口小夜子』(2015年)など数多の傑作ドキュメンタリーを世に送る、松本貴子監督。
掘る女たちのさまを「掘る」人も、また女性というわけだ。

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8月6日(土)シアター・イメージフォーラム(新宿区新宿2)を皮切りに、全国ロードショーが始まった『掘る女 縄文人の落とし物』。

名古屋では名演小劇場(名古屋市東区東桜2丁目23−7)で8月19日(金)より公開となる。
8月21日(日)12:20〜上映後に舞台挨拶が予定されている。
松本貴子監督、折井克比古(樹林舎編集長/スワニミズム会員)さんをゲストに、映画コラムニストでもあるフリーアナウンサー・神取恭子さんがMCを務めるそうなので、公式サイトも要チェックだ。

さらに名演小劇場では、本作ロードショー公開に合わせ、松本貴子監督の傑作ドキュメンタリー『氷の花火 山口小夜子』が、8月19日(金)より特別公開となる。
劇場HPも、合わせて確認してほしい。

サブ1

女性たちが掘るさまは、笑顔が満ちていた。
そこに溢れていたのは、現代の私たちが乞い求めて已まない、平和だ。

そのさまはまさしく、女性たちが追い求める縄文人たちの生活を思わせた。

一説によると、縄文時代には対人用武器がなく、暴力死亡率は極めて低かったらしい。
縄文人とは、1万3千年間の平和を築き上げた人々なのだ――。

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ドキュメンタリー映画

『掘る女 縄文人の落とし物』

8月6日(土)〜 シアター・イメージフォーラム
8月19日(金)〜 名演小劇場


ナレーション:池田昌子

撮影:門脇妙子
音楽プロデュース:井田栄司
編集:前嶌健治
アニメーション:在家真希子、岸本萌

考古学監修:堤隆
照明:尾山隆之
星空撮影:笹原久則
オンライン編集:石原史香
音響効果・整音:髙木創

宣伝デザイン:山田裕紀子
宣伝スチール:山崎エリナ

配給:ぴけプロダクション
配給協力:プレイタイム

©︎2022 ぴけプロダクション


【映画『掘る女 縄文人の落とし物』公開記念】
松本貴子監督作品

『氷の花火 山口小夜子』特別公開

8月19日(金)~ 名演小劇場

配給:コンパス


名演小劇場 公式サイト