死刑囚と直接対話し、人生に、人間に、生命に、共に迫ろうとする聖職者を描き、大変評判となった『教誨師』(18年)。
大杉漣の最後の主演作となったことでも、話題であった。

その『教誨師』で高く評価された佐向大監督の新作『夜を走る』がロードショー公開となり、こちらも負けず劣らぬ話題作となっている。
練りに練ったオリジナル脚本は、なんと構想9年という。

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佐向大監督の渾身作『夜を走る』には、日本映画界を代表する実力派俳優が結集。
『きみの鳥はうたえる』などの足立智充を主演に迎え、『教誨師』の玉置玲央がバディ(?)役を務める。
更に、菜葉菜(『夕方のおともだち』『64 ロクヨン』)、高橋努(『新聞記者』『そらのレストラン』)、宇野祥平(『ビリーバーズ』『恋するけだもの』)、松重豊(『御手洗薫の愛と死』『ユリイカ』)など、錚々たる共演陣が並ぶ。
また、玉井らん、坂巻有紗ら、フレッシャーズにも注目してほしい。

『夜を走る』、本来なら大杉漣初のプロデュース作となるはずだったそうだ。

『夜を走る』ストーリー

優しすぎる故に不器用な秋本(足立智充)は、まともな恋愛経験もなく、職場でも専務の本郷(高橋努)にきつく当たられ、冴えない日々を送っている。
秋本の同僚・谷口(玉置玲央)は世渡り上手で、妻(菜葉菜)子ある身でありながら加奈(坂巻有紗)という浮気相手がいて、気ままな日々を送っている。
二人はそれぞれ平穏に過ごしていたが、たまたま顔見知りの理沙(玉井らん)に会った夜を最後に、二度と退屈な日々に戻れなくなくなってしまう――。

7月9日(土)、公開2週目を迎える名古屋シネマテーク(名古屋市千種区今池1丁目6−13 スタービル 2F)にて、『夜を走る』舞台挨拶を取材した。

登壇したのは、佐向大監督。
そして特別ゲスト、爆音映画祭プロデューサーとして名高いboid代表・樋口泰人さん。



私たちを取り巻く世界は、一人ひとり、それぞれの目には、まったく別の世界として映っているのかもしれない。
多元宇宙(マルチバース)とは、空想上の産物でもなければ、学術的な解釈でもなく、現実世界の有り様なのかもしれない。

実際、映画館では今日も、スクリーンには観客の数だけ異なるマルチバースが映し出されるのだ――。

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映画『夜を走る』公式サイト


boid.net