神戸市垂水区塩屋町にある旧グッゲンハイム邸(通称「グ邸」)は、築100年を越える洋館。
ライブや結婚式の会場、映画のロケ地に使われることもある、持ち主を変えながら長く地元民に愛される建築物だ。
そんな「グ邸」は、敷地内に長屋風の離(はなれ)があり、今はシェアハウスとして賃貸されている。
5月29日(日)、名古屋シネマテーク(名古屋市千種区今池1丁目6−13 スタービル 2F)で初日を迎えた『旧グッゲンハイム邸裏長屋』は、そんな一風変わったシェアハウスで暮らす人々の、出会いと別れ、そして日常を、丹念に、そしてドライに描いた物語。
監督・脚本を務めた前田実香監督は、舞台となる長屋の、元住人。
撮影当時の実際の住人が出演する物語は、ドラマでありドキュメントであり、その両方でもない、独特の魅力が溢れる。
『旧グッゲンハイム邸裏長屋』ストーリー
「この家」に住む人たちは、忙しい。今朝はミキちゃんを送るため、私・せぞ(淸造理英子)と料理上手なあきちゃん(藤原亜紀)は、いつもよりちょっと凝った朝ごはんを作る。
切らした食材を他の住人に無心する、タニケン(谷謙作)。
仕事もプライベートも忙しくて朝が弱い、づっきー(川瀬葉月)。
同じく飲み過ぎで朝寝坊しがちな、としちゃん(門田敏子)。
でも、一つのキッチンで共同生活をしてるけれど、皆が揃うことは少ない。
ここは、海に程近い線路脇の洋館の裏にある、古びた木造の長屋。
「旧グッゲンハイム邸裏長屋」と、人は呼ぶ――。
5月29日(日)、名古屋シネマテークの初日舞台挨拶に登壇した、前田実香監督、淸造理英子(主演・せぞちゃん役)を取材した。
『旧グッゲンハイム邸裏長屋』全編を覆う「弛さ」は、生活をシェアする上で必要不可欠なエッセンスなのかもしれない。
そんな弛さはお二人のトークにも如実に表れ、観客たちを魅了した。
この弛さ、なかなかにハマる――。
映画『旧グッゲンハイム邸裏長屋』
出演=淸造 理英子、門田 敏子、川瀬 葉月、藤原 亜紀、谷 謙作、平野 拓也、今村 優花、
ガブリエル・スティーブンス、エミ、渡邉 彬之、有井 大智、津田 翔志朗、
山本 信記(popo)、森本 アリ ほか
監督・脚本=前田 実香
撮影=岡山 佳弘
録音=趙 拿榮
編集=武田 峻彦
音楽=popo
2020年/日本/62分/カラー/1:1.85/ステレオ/G ©ミカタフィルム
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