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「リング・ワンダリング」とは、登山用語だそうだ。
方向感覚を失った登山者があたかも円を描くように同一地点を彷徨い歩く現象のことだという。

『アルビノの木』から6年、金子雅和監督はまたも新たなる唯一無二の作品世界を構築した。
新作『リング・ワンダリング』は、生命の本質に迫る、上質で硬質なアーティスティック・エンターテイメントだ。

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『リング・ワンダリング』ストーリー

それは、夢であったか、現実であったか――。
漫画家を目指す青年・草介(笠松将)は、人里離れた山裾の枯野原で不思議な男の子と出会う。
草介は絶滅したニホンオオカミを「いるよ」と言う少年を笑うが、「写真に撮って、見せてやるから」と言って男の子はどこかへ行ってしまう。
後日、草介は土木工事のアルバイトの休憩中、作業員仲間から漫画の続きが読みたいと急かされる。
草介は、ニホンオオカミを追う老猟師の漫画を執筆している。
頭の中で猟師(長谷川初範)などのキャラ造形は固まっているのだが、肝心のオオカミの描写が上手くいかず、筆は遅々として進まない。
そんなある日、手作業で掘削作業をしていた草介は、土の中から肉食動物の頭骨を掘り出す。
持ち帰ってネットで検索しても何の骨か確かめることは出来なかったが、オオカミかもしれない頭部が手元にあることで、草介は手応えを感じ始める。
草介は居ても立ってもいられなくなり、誰もいない夜の工事現場に忍び込み、他にも骨が埋まっていないか探し始める。
そんな折、暗闇の中から飼い犬を探しに来た女性に出くわす。
不審者だと誤解されないようにとった草介の行動は、女性・ミドリ(阿部純子)に怪我を負わせてしまう。
草介は歩けないミドリをおぶって家まで送り、写真館を営むミドリの父(安田顕)母(片岡礼子)に会うのだが――。

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名古屋では3月11日(金)センチュリーシネマ()で公開が始まった『リング・ワンダリング』。
3月12日(土)には、金子雅和監督、主演・草介役の笠松将さんが舞台挨拶に立ったので、動画でレポートする。

『リング・ワンダリング』
金子雅和監督・笠松将(主演)舞台挨拶



現代を生きる私たちは、時の狭間を迷子になり、彷徨い歩くうち、何を見つけるのだろう――?

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映画『リング・ワンダリング』

22年2月19日~全国順次公開中

出演:
笠松将
阿部純子
安田顕 片岡礼子 品川徹 田中要次
長谷川初範
ほか

監督:金子雅和

【第52回インド国際映画祭(ゴア)】金孔雀賞グランプリ受賞
【第37回ワルシャワ国際映画祭】エキュメニカル賞スペシャルメンション受賞
【第22回東京フィルメックス】メイドインジャパン部門 正式上映

103分/2021年/カラー1:1.85/5.1ch/DCP

『リング・ワンダリング』公式HP