オオタヴィン氏は、愛知県出身の映画監督。
プロデューサー、監督、撮影、編集、デザインなど映像制作のすべてをひとりでこなし、主宰する【まほろばスタジオ】から、ミクロからマクロへと視点が広がる映像作品を世に送り出している。
初監督映画となった『いただきます1 みそをつくるこどもたち』は、「発酵食・医食同源・食養生」がテーマで、今もなお更新中の上映回数は800回というロングランヒットを記録している。
シリーズ化した『いただきます2 ここは、発酵の楽園』は、「土壌微生物と腸内細菌の循環による生命の環(circle of life)」をテーマに、有機農家と食農教育をドキュメントし、1作目を超える勢いで全国で上映されている。
伝統和食や発酵食で体質を改善した経験を持ち、自らを「発酵映画監督」と称するオオタヴィン監督が次に目を付けたのは、「心の発酵」。
オオタヴィン監督の最新作『夢みる小学校』が、名演小劇場(名古屋市東区東桜2丁目23−7)で、2月18日(金)より公開が始まった。
『夢みる小学校』では、宿題がない、テストがない、先生がいない「きのくに子どもの村学園」を、密着取材。
また、60年以上も通知表や時間割りがない「伊那市立伊那小学校」、校則、定期テストをやめた「世田谷区立桜丘中学校」という公立学校も紹介される。
日本にも、これほど先進的で自由な教育現場があったのかと、目からウロコの91分。
「自由教育」は、子ども達だけでなく、オトナも自由にするのだ。
出演は、堀真一郎(きのくに子どもの村学園学園長)、福田弘彦(伊那市立伊那小学校校長)、西郷孝彦(桜丘中学校前校長)、そして、児童・生徒たち。
また、茂木健一郎(脳科学者)、尾木直樹(教育評論家)、辻信一(文化人類学者)、高橋源一郎(作家)も登場する。
吉岡秀隆がナレーションを務め、ザ・ブルーハーツの名曲がエンディングを彩る。
名演小劇場では、2月19日(土)スペシャルトークショーが開催された。
しかも、なんと3回も行われたのだ。
空木マイカ(グリーンジャーニー代表/ラジオDJ/ MC)氏
後藤宗理(椙山女学園大学 学長)氏
平野裕加里(有限会社LIBRA代表/アナウンサー/プロデューサー)氏
と、ゲストも豪華で、それぞれの切り口から、自由教育、アクティブラーニング、そして映画『夢みる小学校』について、オオタヴィン監督と熱いトークを繰り広げた。
1回目と3回目の舞台挨拶を取材したので、動画でレポートする。
トークショー各回の後には、オオタヴィン監督によるサイン会が行われた。
サイン会と言えど、サインだけを貰う観客は誰一人いなかった。
『夢みる小学校』の感想を熱く語る者もいれば、「あんな風になれば良い」「こんな風にしたい」と熱く語る者もいた。
名演小劇場は、夢を夢で終わらせたくない想いで溢れかえった。
「「きのくに」では、同じベクトルで競わされることがない」
「「やってみたい」という気持ちが湧き起こるのが「きのくに」で得た一番のこと」
スペシャルゲストとして登壇した、「きのくに子どもの村学園」卒業生の言葉が胸に響いた。
自由になるのは、子ども達
……だけで、良いのか――?
プロデューサー・監督・撮影:オオタヴィン
制作:まほろばスタジオ
宣伝:テレザ
配給:きろくびと
2021年/日本/カラー/91分
©まほろばスタジオ
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