11月13日(日)、ブラジルコーヒー(名古屋市中区金山4丁目6−22 金山コスモビル 1階)で対バンライブが行われた。
タイトルは、
「ギリギリ今年もやりますツーマンライブ!!」
……なんだろう、このデジャヴュ感は??
そうだ、ちょうど一年前、同じようなタイトルのライブに参戦したのだった。
タイトルだけでなく、ラインナップもそっくり同じ。
当サイトでもお馴染み
『FlyingDoctor(フライングドクター)』
『RADICAL HUMANISM(ラディカルヒューマニズム)』
という、これが3回目の顔合わせとなる、恒例のツーマンライブだ。
今回のライブは3部構成ということで、まずは1stステージ、フライングドクターのプログラムをレポートする。
FlyingDoctor(フライングドクター)
unoiyo
担当:ソプラノ鍵盤ハーモニカ・アンデス・カホン・ピアノ・トイピアノ・アコーディオン・パーカッションなど
岩田ゆいこ(yuipu)
担当:アルト鍵盤ハーモニカ・ヴァイオリン・ウクレレ・トイピアノ・グロッケン・ミニコンガなど
CHIKKY
担当:バス鍵盤ハーモニカ・ピアノ・トイピアノ・バスクラリネット・アコーディオン・グロッケンなど
今回のセットリストは、以下の通り。
Port town
unoiyoの産休明け初ライブということで、オープニング曲は「おかえり」「ゆりかご」などを想像していたが、新譜『salut』収録の「Port town」だった。
この曲はunoiyo作曲のオリジナル曲なので、母から我が子への最初の贈り物なのかも。
浮き足帰りみず
オープニングからのメドレー形式で演奏されたのは、テンポのアップダウンが心地好い「浮き足帰りみず」。
オーディエンスもアルコール片手に、夜のライブに似合うこの曲に体を揺らしていた。
ゲゲゲの鬼太郎
ある意味「夜に似合う曲」その2。
ちなみに、「目玉の親父」の声はunoiyoが担当。
おばけなんかないさ
「夜に似合う曲」その3は、童謡からのカバー。
おばけを怖がったり、奮い立ったりする主人公の感情の揺れが、コード進行の変化で表現される、素敵な編曲を堪能できた。
スケルツォ・タランテラ
初公開のクラシック曲。
「タランチュラ(毒蜘蛛)に噛まれたら、毒を抜くために踊り続けなければならない」という言い伝えから着想された曲だとか。
被害者は死の恐怖と戦いながら必死に踊るのだが、踊り続けるうちに次第に昂揚感も覚えていく……そんな感想を持った。
Salut d'Amour
エルガー作曲、「愛の挨拶」の邦題で知られる。クラシック「愛の楽曲三作」の筆頭。
新譜『salut』の、いわばタイトルトラックだ。
ミスターナンバーケン
タイトルの「ケン」とは、「鍵」。
鍵盤楽器ばかりを使う曲なので付けられたタイトルとか。
タイトルの通り多くの鍵盤楽器が使われる中、yuipuのウクレレがアクセントになっている。
Le petit ange
子供のことが「好きだけど、ちょっと苦手」というyuipuが、「小さな天使」をイメージして作った曲だそう。
こちらも、アルバム『salut』からの新曲だ。
今回はハプニングでグラスが割れる音が響き渡ったが、効果音かと思わせてしまうほど落ち着き払った演奏が素晴らしかった。
ツィゴイネルワイゼン
バイオリニストでもあったパブロ・デ・サラサーテ作曲らしく、超絶技巧が要求される曲。
打楽器を担当するunoiyoは、カホンにコンガ、ビブラスラップにカバサ……とにかく忙しい。
本来ピアノの楽譜をアコーディオンで演奏するCHIKKYは、最初から最後まで息をつく暇もない。
ただでさえ大変なバイオリンのyuipuは、唯一休めるはずのパートにウクレレを演る苦行ぶり。
お囃子や掛け声を加えた今回の演奏で、フライングドクターのツィゴイネルワイゼンは新たなミクスチャーの領域に入った感がある。
でこぼこエンジン
MCで「ツィゴイネルワイゼンが最後の曲」と言ったにも拘わらず、もう一曲「でこぼこエンジン」がメドレーで繋がった。
こんなサービス精神が、ドクター流のおもてなし。
今回もダイジェスト動画を作ったので、是非ともライブの雰囲気を堪能してほしい。
さて、ここでFlyingDoctorのライブ情報を。
昨年はコロナ禍で開催が見送られたクリスマスライブが、12月12日(日)トライアングルカフェ(名古屋市中区正木4丁目11−15)で行われるとか!
詳細は、今後フライングドクター公式ページで発表されるはずなので、要チェックだ。
FlyingDoctor、unoiyoの産休カムバックLIVEは、こうして幕を明けた。
大盛り上がりのブラジルコーヒーであったが、金山の秋の夜長はまだ始まったばかりなのであった――。
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