英国の配給会社「サードウインドウフィルムズ」に見いだされ、第27回レインダンス映画祭の新人監督コンペティション部門で上映されるなど国際的に注目を集めた話題作が、コロナ(COVID-19)禍を物ともせず一般上映され、話題になっている。
その映画のタイトルは、『ドブ川番外地』。
なんと、そもそも大阪芸術大学の卒業制作として撮影された映画だという。
『ドブ川番外地』ストーリー
高校時代の事件をきっかけに、外界との接触を断つようになった増村辰巳(北垣優和)。ある夜、5年もの間ひきこもっていた自室のドアが、遂に蹴破られてしまう。
すんでのところで窓から脱出した辰巳は、往く宛もなく夜の大阪を彷徨う。
とぼけた警官(笠野龍男)の追求を振り切り、橋を渡った辰巳は、河原で喧騒する奇妙な人々の群れに出くわす。
どんちゃん騒ぎは、浮浪者・土川(藤田尚弘)の葬式だと言う。
しかし、ヤブ医者(ひと:みちゃん)や怪しげな看護婦(上村いずみ)らの診立てが悪かったものなのか、土川は目を覚ます。
昼間から酒を呷る浮浪者たちが屯する夜の店の店主・雪子(真弓)によると、かつて土川は名うての将棋指しだったという。
何故か土川に「息子だ」と周りに紹介され、辰巳は番外地での生活を始めるのだった――。
監督は、『ティッシュ配りの女の子』(18)『獰猛』(20)の渡邉安悟監督。
大阪出身という地の利を十二分に活かし、ユーモアとペーソス、そしてアイロニーとカオスが渾然一体となった、唯一無二の「オーサカ番外地」を創りあげた。
主人公・辰巳を演じるのは、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)『Be Here Now』(20)の北垣優和。
本作での演技が評価され、【第19回TAMA NEW WAVE】 では主演男優賞にノミネートされた。
そして、もう一人の主人公、辰巳と奇妙な絆を結ぶ元棋士・土川役は、『沈黙 -サイレンス-』(16)などに出演した藤田尚弘。
ストリートダンサー「GM ENGIN#9」と言う方が、通りが良いかもしれない。
また、『TAP THE LAST SHOW』(17)の吉良雪花 (旧・水城希海)、『つれづれ』(20)『蛾の光』(20)の笠野龍男、俳優としても活動する艶歌シャンソニエ家元ひと:みちゃんなど、綺羅星の如きキャスト陣も見逃せない。
8月28日(土)、名古屋シネマテーク(名古屋市千種区今池1丁目6−13)で初日を迎えた『ドブ川番外地』。
渡邉安悟監督、藤田尚弘さん(主演)による舞台挨拶を取材することが出来た。
名古屋シネマテークでの上映中、『ドブ川番外地』は数多くのイベントを計画している。
8/29(日):アダム・トレル(オンライン)、渡邉安悟監督
8/30(月):渡邉安悟監督
9/1(水):渡邉安悟監督(オンライン)、大森一樹監督(オンライン)
9/3(金):藤田尚弘(ビデオメッセージ)、笠野龍男(ビデオメッセージ)、吉良雪花(ビデオメッセージ)、ひと:みちゃん(ビデオメッセージ)、石神リョウ(ビデオメッセージ)
8/27より愛知県にも拡大された緊急事態宣言を受けてギリギリまで調整が行われている為、詳細は『ドブ川番外地』公式SNS等も参考にしてほしい。
写真の向かって左手に写っているのは、名古屋を中心に活動するJAZZカルテット「native」の中村智由さん。
『ドブ川番外地』の音楽でサキソフォンを担当した。
制作陣も映画館も、感染予防には重々気を配っているので、来場者の皆様も検温、手指の消毒およびマスク着用など対策には協力を。
劇場は、いつも必要火急で溢れている――。
映画『ドブ川番外地』公式サイト
https://www.dobugawabangaichi.com/劇場情報
池袋シネマ・ロサ 2021.7/10(土)〜7/23(金)名古屋シネマテーク 2021.8/28(土)〜9/3(金)
シアターセブン 2021.9/19(日)〜9/25(土)
ほか、全国順次ロードショー
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