第73回【カンヌ国際映画祭】オフィシャルセレクション
第15回【ローマ国際映画祭】観客賞受賞
第45回【セザール賞】(仏アカデミー賞)11部門12ノミネート
数々の月桂樹を戴き、恋愛映画の決定版にして青春映画の金字塔となった『Summer of 85』、8月20日(金)より待望のロードショーが始まる。
監督・脚本は、フランス映画界の至宝にして、世界三大映画祭の常連フランソワ・オゾン。
原作であるエイダン・チェンバーズの小説「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ/徳間書店)は、17歳で出会って以来創作に深く影響し続けているという、まさにオゾン監督「創作の原点」と呼ぶべき名作。
フランソワ・オゾン自身にとっても待望の映画化である『Summer of 85』では、これまでに監督が描いてきた過激な恋愛描写は鳴りを潜め、美しい少年たちの運命的な出会いと別れが瑞々しく描かれる。
全編フィルム撮影によって生み出された鮮烈でいて懐かしい色彩の美しさ。
THE CURE、ロッド・スチュワートといった80'sミュージックで彩られた、一夏の喧騒。
銀幕に映し出されるのは、最高純度の少年たちが生きた証である。
『Summ er of 85』ストーリー
1985年、フランス・ノルマンディー。
友人に借りたディンギーでセーリングしていた16歳の(アレックスフェリックス・ルフェーヴル)は、突然の嵐でヨットを転覆させてしまう。
大声で助けを呼ぶアレックスに近付いてきたディンギーは、18歳のダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)が操船していた。
救助されてアレックスは、ダヴィドの家でシャワーと着替えを用意してもらう。
お互いの境遇を話し、友情を深めるアレックスとダヴィド。
二人の友情が恋情に変わることは時間を要しないことで、アレックスにとっては初恋だった。
初めてのディスコ、初めての煙草、初めてのバイク、そして、初めての夜。
アレックスは初めての経験を、ダヴィドとの恋を通して体験する。
そんなある夜、ダヴィドはアレックスに奇妙な提案をする。
「もし、どちらかが先に死んだら……」
という前提は認めがたい提案だったが、真剣なダヴィドに渋々承諾するアレックス。
まさかその誓いを実行することなど、思いもしないままに――。
主人公アレックス役に抜擢されたのは、1999年生まれのフェリックス・ルフェーヴル。
まだ出演作こそ多くないものの、オゾン監督に「彼こそアレックスだ」と唸らせた実力は本物で、『Summer of 85』での演技により第46回セザール賞【有望若手男優賞】にノミネートされた。
そして、もう一人の主人公であり、アレックスの想い人でもあり、アレックスの好敵手でもある、物語の最重要人物ダヴィド役には、1996年生まれのバンジャマン・ヴォワザン。
『ホテル・ファデットへようこそ』(17)、『さすらいの人 オスカー・ワイルド』(18)などに出演している若手の注目株で、ルフェーブルと共にセザール賞【有望若手男優賞】にノミネートされた。
ルフェーブル、ヴォアザン二人ともアレックス役のオーディションに参加し、オゾン監督に見出された。
彼らは奇しくもアレックスとダヴィドに近い年齢差で、出会った時から意気投合し撮影に臨んだとか。
また、物語を彩るトリックスターが多いのも『Summer of 85』の大きな特長だ。
フランソワ・オゾン作品の常連である、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポー。
セザール賞常連の大ベテラン、イザベル・ナンティ。
そして、今後が楽しみな若手女優、フィリッピーヌ・ヴェルジュ。
コロナ(COVID-19)禍により、公開時期に影響を受けてしまったことは疑いない。
そして、1年延期になった東京2020により、日本でのロードショーが影響されたことは間違いない。
封切りが2021年晩夏となってしまったが、敢えて言おう。
2021年の夏は、『Summer of 85』に間に合った夏である、と。
少年は、常に渇いている。
常に飢えていて、常に何かを求めている。
渇望しているものの正体を掴むことが出来ず、のたうち回り、藻掻き続ける。
そんな時期を、puberté(思春期)と人は呼ぶのだろう。
思春期という青春の岐路に、立ち向かわんとする者へ。
今まさに、藻掻いている者へ。
懐かしむことが、出来るようになった者へ。
すべての者へ、この夏『Summer of 85』を贈る。
さらば、少年の日よ――。
映画『Sum mer of 85』
8.20 [FRI] ROADSHOW
監督・脚本:
フランソワ・オゾン
キャスト:
フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポー
配給:
フラッグ、クロックワークス
原題:Été 85/英題:Summer of 85/2020/フランス/101分/
カラー/ビスタ/DCP/5.1ch/字幕翻訳:原田りえPG12
© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2
CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
コメント