誰しも、忘れてしまいたいような忌まわしい記憶を持っている。
甘酸っぱい思い出にまみれた青春など一握りの幸せ者の特権に過ぎず、苦じょっぱいトラウマを抱えて生きる者が大多数だろう。
もしも苦々しい記憶に立ち向かうことができたなら、私たちの明日は、未来は、何かが変わるのだろうか?
6月25日(金)より全国順次ロードショーが始まっている映画『Bittersand』は、そんな作品である。
今作が初メガホンとなる杉岡知哉監督は、デビュー作にして新たな青春映画の金字塔を打ち立てた。
映画『Bittersand』ストーリー
吉原暁人(井上祐貴)は、文房具の営業マンとして冴えない毎日を送る25歳。
高校時代からの悪友、井葉有介(萩原利久)に紹介された彼女・澄子(森田望智)にも初対面で「つまらない」と言われてしまう。
高校時代、井葉と共に映画研究会に所属していた暁人は、親友・亜紗美(小野花梨)と楽し気に過ごす石川絵莉子(木下彩音)に憧れていた。
恋は叶わなさそうだと感じつつも、絵莉子やほかの級友と良好な関係を結んでいた暁人だったが、3年の夏休み明けに状況は一変する。
黒板に書かれていた「クラス相関図」により、絵莉子からは笑顔が消え、暁人は酷いいじめに遭うようになってしまったのだ。
そんな記憶に思いを馳せる暁人は、井葉との飲み会の帰り道、チンピラに絡まれてしまう。
金を巻き上げられそうになる暁人だったが、すんでのところで若い女性に助けられる。
それは、暁人がずっと想いを寄せていた、石川絵莉子その人であった――。
愛知県では7月2日(金)より公開が始まった『Bittersand』。
7月4日(日)には井上祐貴、溝口奈菜(野田彩加 役)、搗宮姫奈(宮本智恵 役)が舞台挨拶に立った。
溝口奈菜は岐阜県出身、搗宮姫奈は愛知県出身と、二人にとって地元での舞台挨拶ということもあり、伏見ミリオン座(名古屋市中区錦2丁目15−5)では満員の観客がキャスト陣を歓迎した。
トーク後のお忙しい時間を縫って、井上祐貴さんのインタビューが取れたので、動画で紹介する。
撮影時の裏話、
役柄への愛着、
役作りの意識、
意外な共通点
等など、様々なお話が聞けたので、是非ともご視聴を!
練りに練られたシナリオ、
次々と回収される伏線、
魅力あふれる若手キャスト、
画面に滲み出る演者の想い…
『Bittersand』がこれほどまでに観る者を惹きつけて放さないのは、誰しもBitter(苦い)Sand(砂)を噛むような想いを抱えているからだ。
だが、映画『Bittersand』は、ただ苦いだけの砂ではない。
噛めば噛むほど好い味が出てくる、さしずめマジカルサンドだ。
この夏、友達と、家族と、恋人と……とにかく、あなたの大切な人と一緒に、苦くて美味しい魔法の砂を味わいに来てほしい。
新型コロナウイルス(COVID-19)は未だ収束を見通せないが、劇場は万全の感染予防措置を施し、あなたと大切な人を待っている――。
© Bittersand製作委員会
コメント