ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2(ポスター)

ジャン=ポール・ベルモンド(JEAN-PAUL BELMONDO)、1933年4月9日生まれ88歳。
フランス映画界に留まらぬ、世界のスーパースター。

スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッドと肩を並べるアクション映画の最重要人物で、ジャッキー・チェンやチョウ・ユンファ、トム・クルーズ作品に多大な影響を与えた、まさに生きる伝説である。
また、『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』により、ジャン=リュック・ゴダール監督と共に「ヌーベルバーグの顔」という印象をお持ちの映画ファンも多いのではなかろうか。

だが、フランスでは、アラン・ドロンを凌ぐ人気を誇った国民的大スターであるジャン=ポール・ベルモンドを、アクションスターとして、ヌーベルバーグ俳優として語り尽くすのは、些か無理のある話だ。

私たちが持っていたそんな先入観を、昨年秋に特集された【ジャン=ポール・ベルモンド傑作選】はものの見事に打ち砕いてくれた。
『大盗賊』『警部』のカッコよさ。
『大頭脳』『ムッシュとマドモアゼル』でのケレン味。
『プロフェッショナル』『オー!』で見せたペーソス。
『恐怖に襲われた街』『危険を買う男』に溢れるハードボイルド。
そして、全作品に共通する、体を張った凄まじいアクション。

だが、まだまだ足りない!
もっともっと、知らないベルモンドを観たい!!
どうして、あの作品が無いの!?

そんな映画ファンの熱い声を受け、再びジャン=ポール・ベルモンドが、スクリーンに還ってくる。
【ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2】冒険は終わらない。

(メイン)リオの男

『リオの男』

(原題:L’HOMME DE RIO)

『大盗賊』(62年)がフランス映画史に残る古典的名作なら、『リオの男』は映画界に燦然と輝く至宝である。
『大盗賊』のヒットを受け、ベルモンド×ド・ブロカ監督のコンビで再び製作された本作は、ブラジルでの大ロケーションを敢行、世界的な大ヒット。
ド・ブロカ監督は世界中から絶賛され、ベルモンドはアクション・スターとしてその名を轟かせた、まさにベルモンド作品の金字塔である。
【ジャン=ポール・ベルモンド傑作選】公開時に行われたファン投票で一位に輝いたのも納得の、“ベスト・オブ・ベルモンド”たる傑作だ。
知的でいながら天真爛漫な、変幻自在のヒロイン・アニエス役のフランソワーズ・ドルレアックにも注目だ。自動車事故により夭逝が、本当に悔やまれる。

リオの男(サブ7)

今回のHDリマスターによる日本劇場公開は、実に57年ぶりのこととなる。

リオの男(サブ8)

監督:フィリップ・ド・ブロカ/製作:アレクサンドル・ムヌーシュキン、ジョルジュ・ダンシジェール/脚本:ジャン=ポール・ラプノー、アリアーヌ・ムヌーシュキン、ダニエル・ブーランジェ、フィリップ・ド・ブロカ/台詞:ダニエル・ブーランジェ/撮影:エドモン・セシャン/音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、フランソワーズ・ドルレアック、ジャン・セルヴェ、アドルフォ・チェリ、シモーヌ・ルナン、ウラビシ・デ・オリヴェイラ
<1964年・フランス、イタリア合作映画/フランス語/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタサイズ(1:1.66)/116分/日本語字幕:松浦美奈>
提供:キングレコード 配給:エデン

L’HOMME DE RIO a film by Philippe de Broca © 1964 TF1 Droits Audiovisuels All rights reserved.

(メイン)カトマンズの男

『カトマンズの男』

(原題:LES TRIBULATIONS D’UN CHINOIS EN CHINE)

絶好調のベルモンド×ド・ブロカ監督による、アクション・エンターテインメントの到達点、それが『カトマンズの男』である。
「海底二万哩」「八十日間世界一周」でお馴染み、H.G.ウェルズと共に「SF作品の父」と呼ばれるジュール・ヴェルヌの小説をベースにした、香港・インド・ネパール・マレーシアを股にかける空前の大活劇。
直訳すると「ある中国人の、中国における受難」というタイトルが示す通り原作では清朝末期の中国人実業家が主人公であったが、フィリップ・ド・ブロカ監督と脚本のダニエル・ブーランジェはベルモンド扮するフランス人富豪・アルチュールという主人公を生み出した。
本作が切っ掛けでベルモンドと公私にわたるパートナーとなった、アレクサンドリーヌを演じたウルスラ・アンドレスのヒロインっぷりも眩しい。

カトマンズの男(サブ1)

今回、HDリマスターによる55年ぶりの日本劇場公開となる。

カトマンズの男(サブ7)

監督:フィリップ・ド・ブロカ/製作:アレクサンドル・ムヌーシュキン、ジョルジュ・ダンシジェール/ 脚本・台詞: ダニエル・ブーランジェ/原作:ジュール・ヴェルヌ(「必死の逃亡者」)/撮影:エドモン・セシャン/ 音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、ウルスラ・アンドレス、ジャン・ロシュフォール、ダリー・コール、ワレリイ・インキジノフ、ヴァレリー・ラグランジェ、マリア・パコム、ジェス・ハーン
<1965年・フランス、イタリア合作映画/フランス語/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタサイズ(1:1.66)/109分/日本語字幕:松浦美奈>
提供:キングレコード 配給:エデン

LES TRIBULATIONS D’UN CHINOIS EN CHINE a film by Philippe de Broca © 1965 TF1 Droits Audiovisuels All rights reserved.

相続人(サブ3)

『相続人』

(原題:L’HERITIER)

『相続人』で観られるベルモンドは、ちょっと異色に映るかもしれない。
後に『危険を買う男』でもベルモンドとコンビを組むことになるフィリップ・ラブロ監督が、本作で描いたのは、骨太な社会派サスペンスだ。
ヨーロッパ屈指の富豪の「相続人」から「継承者」となった我らがベルモンドは、ネオファシストたちとの死闘に身を投じることになる。
だが、そこはフランス映画、そして、ベルモンド作品。
スタイリッシュでスリリングな展開は、今観ても色褪せない極上のエンターテインメントだ。
美しくそして危険な2人のヒロイン、カルラ・グラヴィーナと、モーリーン・カーウィンにも目を奪われるだろう。

(メイン)相続人(サブ1)

本作は日本でDVD化されたことがなく、長らく幻の傑作と呼ばれていた『相続人』、今回のHDリマスター版による上映は、48年ぶりの日本劇場公開となる。

相続人(サブ4)

監督:フィリップ・ラブロ/製作:ジャック・E・ストラウス/脚本:フィリップ・ラブロ、ジャック・ランツマン/撮影:ジャン・パンゼ/音楽:ミシェル・コロンビエ
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、カルラ・グラヴィーナ、ジャン・ロシュフォール、シャルル・デネ、モーリーン・カーウィン、ジャン・ドザイー
<1973年・フランス、イタリア合作映画/フランス語/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタサイズ(1:1.66)/112分/日本語字幕:松浦美奈>
提供:キングレコード 配給:エデン

L’HERITIER a film by Philippe Labro © 1972 STUDIOCANAL - Euro International Films S.p.A All rights reserved.

(メイン)エースの中のエース

『エースの中のエース』

(原題:L’AS DES AS)

第一次世界大戦でエースパイロットだったジョーは、20年後ボクシングフランス代表のコーチとなっていた。
1936年ベルリン五輪を舞台に、ベルモンド扮するジョーは、ユダヤ人少年と家族を救うため、ヒトラーと直接対決する。
『大頭脳』(69)以来ジェラール・ウーリー監督とベルモンドがコンビを組んだ痛快コメディであり戦争アクション大作である本作は、フランス国内のオープニング記録を作る大ヒットを記録。
オリンピックよりも大切なことがある……まさか、30年前の映画に教えられるとは!
マリー=フランス・ピジェのミステリアスな魅力もご堪能あれ。アドルフ・ヒトラーを演じたドイツ人俳優ギュンター・マイスナーの、人を食った二役にも注目を。
また、「ベートーベン」の名演にも!

エースの中のエース(サブ7)
日本ではビデオスルーされただけでDVD化されなかった本作は、今回がHDリマスター版による初めての日本劇場公開となる。

エースの中のエース(サブ1)

監督:ジェラール・ウーリー/製作:ジャン=ポール・ベルモンド、アラン・ポワレ、ホルスト・ヴェンラント/脚本:ジェラール・ウーリー、ダニエル・トンプソン/撮影:ザヴィエ・ショワルツェンベルガー/音楽:ウラディミール・コスマ
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、マリー=フランス・ピジェ、ラシド・フェラーシュ、フランク・ホフマン、ギュンター・マイスナー、ベンノ・シュターゼンバッハ、イヴ・ピグノ
<1982年・フランス、西ドイツ合作映画/フランス語/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタサイズ(1:1.66)/104分/日本語字幕:松浦美奈>
提供:キングレコード 配給:エデン
L’AS DES AS a film by Gerard Oury © 1982 / STUDIOCANAL - Gaumont - Rialto Films GmbH All rights reserved.

(メイン)アマゾンの男(メイン)

『アマゾンの男』

(原題:AMAZONE)

ベルモンドとの数々のコンビで、次々と傑作を世に送り出してきたフィリップ・ド・ブロカ監督。
ベルモンド×ド・ブロカ監督コンビの最終作は、36年前の最高傑作『リオの男』へのセルフオマージュに満ちた野心作。
ベルモンド最新の冒険アクションの本作は、ベルモンド作品の中で最も奇想天外な冒険活劇となっている。
学者だてらに冒険して戦うヒロイン・マルゴには、『海辺のポーリーヌ』(83)、『恋の力学』(95)のアリエル・ドンバール。
謎めいた少女ルルを見事に演じたティルダ・バレの可憐さにも目を奪われる。

アマゾンの男(サブ2)

本作は、ベルモンドとド・ラブロ監督の久々のコンビ作にも拘らず、フランス公開時「時代遅れ」とまったく話題にならず、ほとんどの国で劇場公開されることはなかった。
今回の日本初公開で、『アマゾン』の魅力を再発見してほしい。

アマゾンの男(サブ1)

監督・脚本:フィリップ・ド・ブロカ/製作:アラン・サルド/台詞:セルジュ・フリードマン/撮影:ジャン=フランソワ・ロバン/音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、アリエル・ドンバール、ティルダ・バレ、パトリック・プシテー、アンドレ・ペンヴルン
<2000年・フランス、スペイン合作映画/フランス語/カラー/シネスコ(1:2.35)/89分/日本語字幕:松浦美奈>
提供:キングレコード 配給:エデン
AMAZONE a film by Philippe de Broca © 1999 STUDIOCANAL - PHF Films All rights reserved.

【ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2】のラインナップ、如何だろう?
【傑作選1】公開時に行われた「ベルモンド映画総選挙」を基に選ばれた作品群なので、ファンも納得のセレクトではないだろうか。

獲得票が多かったものの、権利その他の関係で惜しくも傑作選からの外れた映画も引き続き交渉を続けるそうなので、【ベルモンド傑作選】は今後も益々目が離せない。

【ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2】は、5月14日(金)より新宿武蔵野館を皮切りに、全国順次ロードショー。
名古屋では、名演小劇場(名古屋市東区東桜2丁目23−7)にて、5月22日(土)から公開予定となっている。

また、【傑作選1】のラインナップを「もう一度観たい!」「観逃して、悔しい!」という映画ファンも多いと思う。
そんな方々に、朗報が!
【ジャン=ポール・ベルモンド傑作選1】が、名演小劇場で5月8日からリバイバル上映されている。

※【ジャン=ポール・ベルモンド傑作選1】作品レビュー※


何となく立った姿がサマになる。
ジャン=ポール・ベルモンドの冒険は、まだまだ終わらない――。

『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選2』公式サイト



名演小劇場 公式サイト