前作『ごっこ』(2018年)も記憶に新しい、名古屋出身の熊澤尚人監督。
最新作『おもいで写眞』は、衝撃作だった『ごっこ』から一転、『ニライカナイからの手紙』(2005年)を思い起こさせるようなハートウォーミング作品だ。
『おもいで写眞』ストーリー
東京でメイクアップアーティストという夢に破れた、音更結子(深川麻衣)。天涯孤独となった結子は、富山へ帰郷する。
ある日、役場に勤める幼馴染の星野一郎(高良健吾)から、お年寄りの遺影写真を撮る仕事を依頼される。結子は、祖母の葬儀でピンぼけの遺影を見て感じた悔しさを思い出し、引き受けることにする。
ところが、いざお年寄りに会ってみると、皆「縁起でもない!」と写真を撮らせたがらない。ようやく話をすることができた和子(吉行和子)は、「思い出の場所でなら、写真を撮ってほしい」と言う――。
主人公・結子を演じたのは、『パンとバスと2度目のハツコイ』(2018年)でTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞した、元 乃木坂46の深川麻衣。
いつも仏頂面の結子だが、逆境に負けない姿勢は、観る者にパワーを与えてくれる。
幼なじみとして結子を支える一郎には、『苦役列車』(2013年)、『横道世之介』(2014年)の高良健吾。
気弱で優柔不断、でも温もり溢れる一郎は、結子だけでなく観る者の心にも優しく寄り添う。
脇を重厚に固める名優たちもお観逃しなく。
吉行和子が、古谷一行が、流石の演技でフレッシュな主人公を強力サポートする。
また、香里奈は、結子とお年寄りたちの橋渡しとなる役で好演する。
出番は多くないものの、井浦新の存在感も光る。
熊澤尚人監督の名古屋出身ということもあり、『おもいで写眞』の物語に感銘を受けたという名古屋の老舗写真室「天野写真室」とのコラボレーションが実現した。
昭和21年開業の天野写真室は、中村百貨店、オリエンタル中村の時代を経て、今も名古屋三越栄店で営業を続けている。(5F 名古屋三越写真室)
今回のコラボレーションは、名古屋の映画情報サイトCine@nagoya(シネアナゴヤ)との共同企画で、東海エリア在住の65歳以上の希望者の中から1名の方を被写体に映画さながらの「おもいで写真」を撮影するというプロジェクトだ。
≪名古屋“おもいで写眞”プロジェクト概要≫
応募期間:2021年1月25日(月)~2月22日(月)
対象: 65歳以上・東海エリア在住・性別問わず
素敵な思い出をお持ちの方で、撮影を楽しんでいただける方!
撮影対象者のご了解がある場合、ご家族やご友人による代理応募可
賞品内容:希望場所で「天野写真室」のプロカメラマン天野雅也による撮影
八つ切り写真(台紙入り)1枚、撮影データ5カット
(名古屋三越写真室で完成写真とデータの受け渡し予定)
撮影可能エリア: 名古屋から日帰り可能な場所
撮影時期:2021年3月~5月(平日)
※撮影日程の詳細は当選者の方と相談の上で決定
申込方法:キャンペーンページで詳細を確認、応募フォームに必要事項を記入
キャンペーンページ:https://cineana.net/omoide
応募は既に始まっているので、すぐに応募することが出来る。
だが、せっかくなら熊澤尚人監督の映画を観て、「おもいで写真」がどんなものか分かった上で応募しては如何だろう。
今週末、1月29日(金)より全国ロードショーとなる『おもいで写眞』。
大切な思い出の場所を訪ねてみたくなる、そんな温かい気持ちに浸ってもらえるはずだ。
映画『おもいで写眞』
2021年1月29日(金)全国公開
監督:熊澤尚人
脚本:熊澤尚人、まなべゆきこ
原作:熊澤尚人『おもいで写眞』(幻冬舎文庫)
出演:
深川麻衣 高良健吾
香里奈 井浦新 古谷一行 吉行和子
配給:イオンエンターテイメント
©「おもいで写眞」製作委員会
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