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去年リニューアルオープンし現在の場所に移った伏見ミリオン座(名古屋市中区錦2丁目15−5)は、4月で新館オープン一周年を迎えた。


コロナ禍による休館を経て、営業再開後もイベントが次々と中止となっていたミリオン座で、久しぶりに舞台挨拶が開催された。


withコロナで初の舞台挨拶となった記念すべき映画は、武正晴監督『銃 2020』(じゅう にーぜろにーぜろ)。


中村文則のデビュー作「銃」(河出書房新社)の映画化で、2018年に公開された『銃』(主演:村上虹郎)から2年。


前作『銃』は、弊サイトでも紹介させていただいた。


※よろしければ、こちらもどうぞ※


中村文則が新たな視点で描いた『銃 2020』は、原案のみならず、初めて自らの手で脚本を担当。

『銃』と同様に企画・製作を奥山和由が務めた。

もちろん監督も、『銃』と同じく武正晴監督だ。


『銃 2020』ストーリー

ある深夜、東子(日南響子)は銃を拾った。

ストーカー(加藤雅也)を振り切るために足を踏み入れた雑居ビル、血に染まったトイレの洗面台に、銀色に煌めく銃は静かに沈んでいた。


幼くして死んだ東子の弟だけを溺愛する母(友近)、執拗に家賃を取り立てる大家(宇野祥平)、東子の日常は暗く、重い。

電気を止められたアパートで、東子は一心に拾った銃を磨く。


東子は銃の手掛かりを得ようと、もう一度雑居ビルを訪れる。

怪しい男(佐藤浩市)が銃の前の持ち主について仄めかすが、東子は銃を手放す気はない。


ある日、アパートの隣に住む親子(サヘル・ローズ、前田織音)の部屋で人が死んだことを、東子は知る。

死体の処理を手伝った東子は、埋める前に弾丸を放つ。


ある朝、刑事(吹越満)が東子の部屋を訪ねてくる。

殺人事件の捜査をしているという刑事は、東子が持つ銃についても何か知っているようで――。


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『銃 2020』上映後、MCの映画パーソナリティ・松岡ひとみ氏に続き、武正晴監督が登壇すると、シートを一つずつ空けて席を埋めた観客から、大きな拍手が沸き起こった。


「人の写真が貼ってあるんですね」と武監督が言った、伏見ミリオン座・ミリオン1の座席シート。
実は、こんな感じだったのだ。

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客席からの質問にも、監督は気さくに応じた。


質疑応答、話題はコロナ後の映画界にも及んだ。


そして、武正晴監督はこう締めくくった。


そう。
厳しい時代は続くのだろうが、映画館は決して悪い環境ではないのだ――。

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映画『銃 2020』

日南響子


加藤雅也 友近

吹越満 佐藤浩市


山中 崇 宇野祥平 サヘル・ローズ

篠原ゆき子 内田 慈 片山萌美

坂田 聡 酒向 芳 丸山智己

金井勇太 岡山天音 中村ゆうじ 小林きな子


リリー・フランキー(友情出演)

村上虹郎


監督:武正晴

脚本:中村文則 武正晴

企画・製作:奥山和由


2020年 / 日本 / カラー / 76分 / DCP / 5.1ch / ヨーロッパビスタ

レイティング:G


URL:thegunmovie.official-movie.com/

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