2020年7月4日(土)、この日も首都では100人を越える新たな感染者が発表されていたが、名古屋駅太閤通口に程近い通りの一角では、ソーシャルディスタンスを遵守しつつ集まる人々が列を作っていた。
シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町)で封切りになる、『若さと馬鹿さ』の上映時間を待つ観客の方々だ。
この夜は公開初日ということで、中村祐太郎監督の舞台挨拶が行われたのだ。
『若さと馬鹿さ』ストーリー
桜(松竹史桜)は、彼氏の家で同棲を始めて、もう5年になる。
二人が暮らすのは、流し場が共同で布団を二組敷くのが精一杯の、まるで下宿のような一間部屋。
桜は早く引っ越しをしたくて、コールセンターのオペレーターとして毎日仕事に精を出す。
貴哉(柴田貴哉)は、一緒に暮らす桜と対照的に怠惰な日々を過している。
在学中から長年続けているバイトも近頃サボりがちで、日課といえば筋トレくらい。
しかも女癖が悪く、今日も桜が置いていった家賃の折半を使い込み、部屋にデリヘル嬢を呼ぶのだったーー。
上映が終わると、MCの坪井篤史副支配人に続いて、中村祐太郎監督が登壇した。
『若さと馬鹿さ』は、本来4月25日が初日のはずだった。
新型コロナウイルス(COVID-19)による自粛要請のあおりを受け、シネマスコーレも休館を余儀なくされたコロナ禍の折、次々と公開中止の連絡が届く中、中村監督は最後まで上映を諦めなかったのだという。
『若さと馬鹿さ』は、こうして生まれた
三宅唱監督の「サムライの話」とは、『密使と番人』(2017)のことだろう。
飾らないふたり、松竹史桜と柴田貴哉
リモートトーク!同時上映!プレゼント!
コロナ禍で、希望を作る勉強をしたんです
夜も更けたトークショーの締め、坪井副支配人は言った。
「スコーレの休館が決まった時、いちばん感情的になってくれたのは中村監督だったんですよ」
舞台挨拶の後に開かれたサイン会では、監督の熱い想いに呼応するように、観客から熱い感想が送られた。
舞台挨拶でも言及されていたが、今回の『若さと馬鹿さ』はまさしく特別上映、日替りでイベントが行われる。
詳しくは、シネマスコーレの公式Blogを追ってほしい。
いま劇場にできることを、確かめられる一週間になるはずだ。
これからクリエイターにできることを、感じられる一週間になるはずだ――。
映画『若さと馬鹿さ』
(2019年/カラー/日本/DCP/61分)
監督・撮影:中村祐太郎
脚本・助監督:木村暉
脚本・助監督:木村暉
劇伴音楽:町あかり
出演:柴田貴哉、松竹史桜、工藤奈々子、久田紫萌子、平野鈴、西洋亮、アベラヒデノブ
出演:柴田貴哉、松竹史桜、工藤奈々子、久田紫萌子、平野鈴、西洋亮、アベラヒデノブ
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