先日、ゴールデンではないGWの最中、ライブを視聴した。
新型コロナウイルス(COVID-19)による緊急事態宣言を受けて、予定していたコンサートを開催できなかったアーティストさんが、ライブ動画をリアルタイムで配信したのだ。

投げ銭システムで行われた配信ライブは、大勢の視聴者を集めた。
演奏者のパフォーマンスは本当に素晴らしく、コメント欄も大いに盛り上がった。

パンデミックの収束を図るべく、私たちは巣ごもり生活を強いられている。
そんな自粛の中、一体何が出来るのか。
何をすべきなのか。

自問自答するあなたに送る、【家で観る映画】。
vol.6は、こんな10本が集まった。


『ベニスに死す』

ルキノ・ヴィスコンティ監督

(Amazonプライム TSUTAYAプレミアムなどで視聴可能)

うしろめたいことほど楽しい。

大なり小なり、そういう面が人間にはある。

こっそりとひっそりと、人目を忍んでする行為はなぜあんなにドキドキ・ワクワクするのだろう。

親に隠れて読んだエロ本。家族が寝静まった夜中に起き出して観た深夜テレビ。授業中に先生の目を盗んで食べた弁当。河原で管理人に見つからないようにしてやった花火。

パッと思い浮かんだ例が性欲と食欲にまつわるものばかりでいささか恥ずかしいが、だれしも思い当たることはあるはずだ。

その昔、紫式部の書いた当時の源氏物語も、きっとそういう読まれ方をしていた。平安貴族たちは「あんなお下品なもの、ワタシはまったく興味なんかございませんわ」という顔をしておいて、周りに誰もいないことを確かめてから、すごい勢いで読み耽ったに違いない。

文化・芸術はもともとそういう顔を持っている。だからこそ力があるし、真理に触れることもできる。

映画もそう。

人はそれを求めて、うしろめたさを見ず知らずの誰かと共有したくて、映画館の暗闇へと出かけて行くのかもしれない。

けれどもいまはステイホーム。映画館に行けない。

家で観る映画。

私は、見てはいけないものを見てしまっているような、そんな気持ちになる映画を紹介します。

あなたがもし一人暮らしなら、ひとりでこっそりうしろめたさを楽しんで。

家族と住んでいるのなら、家族が寝静まってからひとりこっそり楽しんで。

「ベニスに死す」

これはまた、映画が映画である必然のある映画でもある。

物語を語るのには小説という形式もある。落語や講談・浪曲のような語りの芸もある。そのそれぞれに得意とするところ、それにしかできないその形式ならではの良さがあるけれど、じゃあ映画ならではの良さはなにか。

それは絵がそこにあるということ。具体的な画が目に直接飛び込んでくる。しかも、それが動く!

人の動き、物の動き、表情の変化、それが滑らかに映し出されていたかと思えば、パッと切り替わって次の画が映る、その積み重ね、連なりによって物語が紡がれていく。

そして、時に紡がれた物語を超えて、映し出された動きそのものが、心を直接揺さぶる。

「ベニスに死す」

視線の交錯、接近と隔絶、美と醜、若さと老い、苦悩と安堵。

きわめつけは、海水浴場のくるりんくるりん3連発。

あぁ!もう観てもらうしかない。

言葉をいくら尽くしても、魅力を伝えきることなどできない。

観てください。ぜひ。

「ベニスに死す」

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吉橋航也
(よしはしこうや/俳優)

神奈川県出身。
2008年劇団東京乾電池入団。

劇団養成所時代、映画狂・柄本明にハッパをかけられてから、映画をたくさん観るようになった、遅れてきた映画好き。

落語も好き。

演劇とは腐れ縁。好きだけど、いまさら口に出して言うのも恥ずかしい。けど、やめられるかといったら、たぶんやめられない。

ちょっぴり出演させてもらった『一度も撃ってません』阪本順治監督http://eiga-ichidomo.com
が公開延期になってます。


『ライトスタッフ』

フィリップ・カウフマン監督

(Amazonプライム TSUTAYAプレミアムなどで視聴可能)

三十数年の歳を重ね、再び本作に出逢いました。
そんなつもりはなかったのに、少年期よりも様々なフィールが深く身体に染み渡るようで、嬉しくて、苦しくて、意図もせず涙がこぼれてしまっていました。本作はそんなお涙頂戴の、単純な感動ドラマでもないのに…。

内容についてはこれから観る方に楽しんで頂きたいので割愛しますが、印象に残ったのは本作に登場する、全ての人への視線の柔らかさと優しさ。元々、「最速」と「宇宙」を目指す話だから、痴情やら裏切りやらが入り込む余地のない映画ではあるのですが、それでも人の描き方、ことさら心情の感じさせ方が観客に対し等身大であり、無理も無駄も感じません。更には説教臭くもなく、強く、優しい。それは作られた80年代のハリウッドがまだ”ハリウッドの幻想”を自身で保持できていたからかもしれません。完全版は193分。この長尺が許された事もそうなのでしょう。だけどぜーんぜん長くない。まだまだ観れる。観続けていたくなる。

監督のフィリップ・カウフマンはよく考えてみたら『存在の耐えられない軽さ』とかまで創れちゃう多彩な人だから、この映画の心根の存在は監督の手によるものでしょう。昨今では何か特異なものを題材にした映画は多く創られますが、この映画のように「人」「心」に向けられる視点の作品、どんな題材であっても心の在処を描ける監督は本当に少なくなってきていると思います。チョイスした題材の事象ばかりで心のない映画は本当に多い。「心」を描くとは、心情をつらつら語る事でも感情表現を激しめに演出する事で賄えるものではなく、根本のストーリーテリングと緻密な構成、一つ一つのシーンの必要性とバランス/浮き沈みから、台詞内容とその発するタイミング、それらを卓越した演者が発する以外には生まれないものだと私は思っています。

調べてみたらエド・ハリスが演じた「ジョン・グレン」は1998年の時、77歳でスペースシャトルによる宇宙飛行を果たしたが、スコット・グレン演じる「アラン・シェパード」も、デニス・クエイド演じた「ゴードン”ホットドッグ”クーパー」もこの世を去ってしまった。サム・シェパードもまた逝ってしまったが、彼の演じた「チャック・イェーガー」はまだ生きてこの地球にいる。それが異常に嬉しかった。少年期に観た僕がそう言っているのでしょう。映画を観終わり、私も「ライトスタッフ(己にしかない正しい資質)」を自身で知り、それに従って「壁」を越えたいと願いました。再び。

昨年は名古屋でも長編映画『藍色少年少女』を公開させて頂きました。
映画と映画館に救われた身です。一日でも早く映画館にお客様が笑顔と共に集える日が来る事、祈ります。
 
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qurata kenji / 倉田健次
(くらたけんじ/映画監督・脚本家・アクティングトレーナー)
 
岐阜県高山市出身。次世代映像作家の発掘/支援の為、全世界から受賞者が選出される「サンダンス・NHK国際映像作家賞」にて『彼女のSpeed 』グランプリ受賞。
 
Cygames「サイコミ」人気漫画『ふたりモノローグ』(出演:福原遥、柳美稀、山本彩 他)の連続ドラマ化にてシリーズ全話の監督/脚本を担当。
 
震災復興支援長編映画『リトルウィング -3月の子供たち-』(主演:河合龍之介、寺島進)にてハリウッド開催「JAPAN FILMFESTIVAL 2013 LOS ANGELES」正式招待。長編映画『藍色少年少女~Indigo Children~』キネコ国際映画祭・日本部門賞選出。
 
Short Film『EVERYTIME WE SAY GOODBYE』『ピカレスカ~Novela Picaresca~』『Robin』各作品にて、米国Underexposed Film Festival映画祭総合グランプリ&ドラマ部門グランプリ、米国Cinema on Bayou国際映画祭最高賞、SHORT SHORT FILM FESTIVALオーディエンスアワード受賞など世界各国の映画祭で公開され、現在30冠。
 
脚本作として、京都アニメーション大賞脚本部門にて『風に逆らう魂のはな』奨励賞受賞。原作/脚本『Bad Moon Rising』(主演:菅田俊)シンシナティ映画祭、バハマ国際映画祭コンペ部門正式出品。原作/脚本『君がいなくちゃだめなんだ』(主演:花澤香菜)その原作小説『Waltz for Life Will Born』Amazon戯曲/シナリオ新着1位、売れ筋2位を記録。
 
現在、倉田健次監督作品で放映中の作品。

★長編映画『藍色少年少女~Indigo Children~』
 Youtubeチャンネル【CINEMATOKURUWA / シネマと曲輪】にて、期間限定の無料配信中。

★連続ドラマ『ふたりモノローグ』
 Amazonプライム等、動画配信サイトにて絶賛放映中。

★SSFF & ASIAひかりTVアワード受賞作品
『さよならドロシー~ひとりぽっちの魔法使い~』
 ひかりTVにて絶賛放映中。


『サブウェイ』

リュック・ベッソン監督

(TSUTAYAオンラインなどで視聴可能)

現在は“脚本アナだらけの能天気なアクションもの監督”的地位を確立しているリュック・ベッソンですが、デビュー時には、ジャン=ジャック・ベネックス、レオス・カラックスとともにネオ・ヌーベルバーグなどと呼ばれていたのですよ。
私もハマって、よく名古屋シネマテークへ通っていました♪

『サブウェイ』はメインビジュアル(クリストファー・ランバートが蛍光灯持ってるやつ)がツボで、見に行ったら出演者誰もかれもが個性的で素敵♪
ジャン・レノやジャン=ユーグ・アングラードもリシャール・ボーランジェもここで知りました。エリック・セラも出演しています。
だから音楽も素敵♪
そしてイザベル・アジャーニの美しいことったら!1985年と古いので、ファッションも肩パッドすんごいけど、すごくかわいい♪

とにかくワクワクしてみていたのを覚えてます。
ぐるぐるした地下鉄の迷宮で繰り広げられる現実的なようでいて、現実味のないファンタジー。
リュック・ベッソン26歳、長編2作目とは思えないスタイリッシュな作品です。
『レオン』まではファンだったけど、それ以降は適当に見飛ばしています。
新作『アナ』は公開延期になりましたが、評判良さそうだから、公開されたら映画館で観るんだ。それを楽しみにしてます!

早く映画館で映画が見たい。
それまでは、好きな監督の過去作をおうちで見直すのもありだと思います。
若い人は知らないだろうから、見てみて!!
 
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江尻真奈美
(えじりまなみ/シアターカフェ店長)

あいち国際女性映画祭事務局スタッフ、シネマスコーレを経て、2012年シアターカフェを林緑子と共同で設立。シアターカフェは2020年初夏に名古屋市東区へ移転&リニューアルオープン予定。ただいまクラウドファンディング実施中なので、よろしくお願いします。https://motion-gallery.net/projects/new_theatercafe


『王立宇宙軍 オネアミスの翼』

監督・脚本・原作 山賀博之

(Amazonプライム Hulu Netflixなどで視聴可能)

架空の惑星の人類初の有人宇宙ロケットを打ち上げる話しです。

1987年公開と言うと自分が中学2年生の時の作品。
とは言うもののお金が無くて公開当時劇場で観ることが出来ませんでした。

でもなぜかチラシはもっていて、そのデザインの美しさやキャラクターのカッコ良さに頭の中で色々と妄想は膨れ上がっていました。

レンタルビデオを借りてようやく観る事になったのだが、その時の衝撃は半端なく、作画の細かさ、世界観、音楽、声優のキャスティングのセンス、全てが想像を遥かに超えていました。青春群像劇としての素晴らしさ、今でも年に何回かは観ています。

観る度にラストのロケット打ち上げの瞬間泣く!笑笑

映画のバイブルとして大切な作品です。
大傑作だと思います。

当時監督の山賀さんが24歳だと言う事も衝撃でした。

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神田創
(かんだはじめ/カメラマン)

東京ビジュアルアーツ 映画技術コース 卒業
撮影担当作品
『極道大戦争(三池崇史監督)』『金メダル男(内村光良監督』『ヒーローマニア 生活(豊島圭介監督)』『曇天に笑う(本広克行監督)』『デメキン(山口義高監督)』
『東京ラブストーリー(三木康一郎、永田琴、山本透監督)』

公開予定作品
『はるヲうるひと(佐藤二朗監督)』
『ゾッキ(竹中直人、山田孝之、齋藤工監督)』
『HERO〜2020〜(西条みつとし監督)』


『デッドマン・ウォーキング』

ティム・ロビンス監督

(TSUTAYAオンラインなどで視聴可能)

貧困地区でアフリカ系アメリカ人の為に働くシスター・ヘレンと死刑囚のマシューという男。

男の罪状はカップルの殺人及び強姦。無罪を主張してる男は、再審を訴えて、ヘレンに手紙を出し、助力を嘆願している。

シスター・ヘレンは
会う事を決心する…。

今でも死刑制度をめぐる問題は
世界各地で議論されている。
そんな社会的問題を取り上げながら、命とは何か?罪とは何か?愚かで愛しくもある人間とは何なのかを描くヒューマンドラマ。

ストーリーも最高なのはもちろんだが、とにかく、演技が最高に素晴らしい!

マシュー演じる、ショーン・ペンと、シスター・ヘレン役のハリウッドでもトップの名女優スーザン・サランドンの掛け合いが、半端じゃない。

有名なシーンは
最後にマシューが懺悔するシーンで、ヘレンが賛美歌を歌うところだが、僕個人としては、一番好きなシーンは、ヘレンが約束の面会日に来ない事に怒りと不安を感じていたマシュー。
その翌日、二人が面会するのだが、そのシーンが最高。
ショーン・ペンが幼い子供の様にみえる。
見た目は厳つい犯罪者なのだが
彼がどんな生い立ちをしてきたのかが、何となくわかるような場面。
本当に細かいアプローチを散りばめている。
一般の方はもちろんの事、演じる者はより楽しめる作品ではないかなと思う。なぜなら、監督が「ショーシャンクの空に」で主演を務めたティム・ロビンスなのだ。
役者である監督だからこそ、演者に寄り添う様な演出がたまらない。是非、皆様に観て欲しい
「映画」です。

今は世の中は大変な状況にありますが、決して下を向いてはいけません。
力強く生きていきましょう。
そして、この問題が終息しても
より周りの人に与えるエネルギーを持ち、一つにつながっていきましょう。

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奥津裕也
(おくつゆうや/俳優・劇団狼少年主宰)

映画『しんしんしん』で映画デビュー。
その演技のリアルさから、無名ながら注目を浴びる。その後、舞台、映画、ドラマ等で活躍。
2015年には自身が主宰する『劇団狼少年』を立ち上げる。現在も年間に数本の舞台を造り続け、下北沢で活動する人気劇団の一つである。そこでは演出、脚本も、手掛ける。近年では企業向けのワークショップ等を開催し、一般の方にも演劇の面白さや、表現の重要性を伝えている。
劇団狼少年HP


『横道世之介』

沖田修一監督

(Amazonプライム Netflix TSUTAYAプレミアムなどで視聴可能)

もう既に観ていらっしゃる方が多いかもしれませんが、この映画を選びました。

「横道世之介」は僕のヒーローです。

当時19歳、ハタチを目前に、今まで何をしてきたんだろう…何もしていないんじゃないかと不安に駆られていた大学生の僕がいました。
自分のやりたいことは何か初めて真剣に考えた時に俳優になることを決めて、色んな映画を観始めました。
そんな時に名古屋のミッドランドスクエアシネマで友達と二人で観た「横道世之介」。
この映画に僕は救われました。

劇中にこんな台詞があります。
「なんかあいつを知ってるってだけで、お前よりちょっと得した気分だわ」

その当時は自分を探しても探しても何もなくて、焦っていたと思うんです。
自分はすごい!とか、自分は強い!みたいに無理矢理思おうとしても、実体や実感がないから不安になるし、信じ込めたとて過信になる。
でも接する相手がくれる自分への言葉や行動から自信をもらえば、そこに形はないけれど実体はあるし、実感が湧くじゃないか!と僕は思ったんです。
自分から価値を見出すのではなく、相手から自分の価値を見出していく。
そう思えてから
少し生きるのが楽になりました。

堅苦しい言葉で説明してしまったんですが、簡単に言うと、僕と出会った人たちにとっての世之介になりたかったんです。
たとえ会わなくなってもふと思い出して、笑ってもらえるような存在になりたかったんです。

かなり脱線しましたが…
この映画は
自分が沈んだ時や、何かに迷っている時、苦しい時に観てきました。
きっとこの先ずっと僕の人生の指針となる映画です。
人と接することが愛しくなります。遠く連絡を取らなくなった友人を思い出し心が滲みます。勇気をもらえます。少し優しくなれます。あったかくなれます。泣けてきます。笑顔になれます。つまりは人間賛歌です!

最後に、最近発売された「横道世之介」の続編小説「続 横道世之介」から好きな一文を。
「世の中がどんなに理不尽でも、自分がどんなに悔しい思いをしても、やっぱり善良であることを諦めちゃいけない。」
とにかく皆さんお元気で。

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田中爽一郎
(たなかそういちろう/俳優)

1994年1月15日生まれ、愛知県知多市出身。映像を中心にフリーランスで活動中。  
現在Twitter、InstagramにてSNSドラマのようなもの「ヒビビ」(@hibibi_50p)を毎日配信中。
主な出演作にカナザワ映画祭第一回スカラシップ作品『愛に逝く(仮)』(監督・葉名恒星)、『魔法少年☆ワイルドバージン』(監督・宇賀那健一)、『ゆうなぎ』(監督・常間地裕)、『左様なら』(監督・石橋夕帆)、『悪魔の舞を手に入れし者』(監督・伊藤智之)、『花に問う』主演(監督・猫目はち)、舞台 倉山の試み『盆栽』(作・小路紘史、演出・倉本朋幸)、『平山建設』などがある。


『LEGO® ムービー』

監督:クリス・ミラー
   フィル・ロード

(Amazonプライム Netflix TSUTAYAプレミアムなどで視聴可能)

私は2週間あまりで、4つの俳優業と3つの上映が延期になりました。
計算上、2日に1つのペースで自分の表現する機会が失われていったということになります。

それはあまりにショックで、数日間放心状態でした。

家にいなくてはならない。
それは自分にとって、何も表現できないということ。
コロナを言い訳にして、終息するまでじっと堪えるしかないと思っていました。

でも、『LEGO ムービー』を観ていたら、そんな自分が恥ずかしくなりました。

主人公のエメットを見てください。
ごく普通の建設作業員の彼が、レゴワールドを救う救世主と勘違いされ、世界を救いにいきます。
エメットは、仲間を信じ、自分の勇気やイマジネーションを信じて突き進む。
何度も、絶体絶命の危機に追い込まれます。それでも、エメットは仲間を助けるために、自分を信じ、立ち上がります。

エメットはちっぽけな存在でした。
でも、彼の勇気ある小さな行動が、波紋のようにみんなに影響を与え、広がっていく。
そして、レゴワールドの人々に希望と感動を与えるんです。

逆境を乗り越える力を、レゴワールドのみんなは持っていた。
レゴの世界にあるならば、我々の星にも絶対にあります!

地球上の全人類、ひとり一人がエメットのような勇気とイマジネーションを持ち、誰かを救うヒーローになれると私は信じています。

そして、

私も誰かのヒーロになれると信じています。
そりゃ、根拠なんかありません。逆に、何度も自分にそんな力はないと痛感し、悔しくなったりもします。

けれど、それでもなお、私は私を信じます。

その勇気を与えてくれたのが、この『LEGO ムービー』であり、主人公のエメットなのです。

レゴだからといって、ナメてはいけない映画です。
大嘘な世界(レゴワールド)に、最も真理を得た真実が隠れていたりするのです。それが映画の面白さだと思います。

家にいないといけないというのが制限ではなく、家にいても僕たちはどこまでだって行けるんだ、ということをエメットは私たちに教えてくれているようにも感じるのです。

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北林佑基
(きたばやしゆうき/俳優・監督)

1996年生まれ。双子の劣等感に苛まれ、なぜか映画の世界へ。
石井岳龍監督のもと映画を学ぶ。大学3年の時、たまたま入った新宿の占い師に俳優を目指すように諭され、本格的に俳優活動を行う。主な出演作は、オムニバス映画『#平成最後映画 (たとえば世界の終わり #01 )』(加藤綾佳監督)、『エッシャー通りの赤いポスト』(園子温監督)など。
現在は、家の中での映画表現を模索している。大学の同期、松本佳樹と制作したリモート短編映画『外出自粛すルマゲドン』(https://www.youtube.com/watch?v=UYLHu386zB4)が公開中。
また、加藤綾佳監督主催の”配信映画祭2020”に参加している。監督作品に『恋愛電話』『夜が明けるまで』の2作品と出演作に『青森さんちの祝日』などが5月20日まで配信されるている。https://haishineigasai2020.themedia.jp


『グランド・ブダペスト・ホテル』

ウェス・アンダーソン監督

(Amazonプライム Hulu TSUTAYAプレミアムなどで視聴可能)

家で観る映画かー

以前のような平穏な暮らしが戻ってきたとして、時間とお金に際限なく何処かへ行けるとしたら何処に行きたいか、百問百答の一問のようなことを考えてみた。

「ズブロフカ共和国に行って、グランドブダペストホテルに泊まりたい。
もちろんメンドルのコーティザン・オ・ショコラを持ち込んで。部屋は6階以外。」


ウェス作品が大好きなのですが、とりわけこのグランドブダペストホテルはコアな映画ギークはもとより、わたしのような食わず嫌いのライトでミーハーな映画好きまでを虜にしている作品。


お家で映画はもうおなかいっぱいだーなんてときに、絵本をパラパラめくるような感覚で流しっぱなしにして、ただただ映像と音楽を楽しんでもいい。

そう、このアレクサンドル・デスプラ大先生による音楽が大変に素晴らしくて、民族楽器によるあたかもありそうな民族音楽風楽曲によりズブロフカが実際にあったような気がしてくるのです。検索すればコーティザン・オ・ショコラのレシピも出てくるし、トリップアドバイザーにはホテルの掲載(エイプリルフールの企画)まであるし。

こういう作り手の愛も感じ、作品にファンがつくというか…愛されている作品っていいですよね。

有り余るほどの時間がある、という贅沢期間。
100分だけズブロフカで過ごしてみては如何でしょうか。

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安藤 メイ
(あんどうめい/ヘア&メイクアップアーティスト)

映画音楽が好きで音大に進学するも早々に中退。その後ヘアメイクスクールを経て事務所に所属。現在はフリーランスとして様々な分野で活動中。
ヘアメイクとして映画に関わるだなんて10代の頃はまったく思ってもみなかったので、ときどき驚いている。


『ジャージー・ボーイズ』

クリント・イーストウッド監督

(Amazonプライム Netflix TSUTAYAプレミアムなどで視聴可能)

2014年の秋、大好きな人が大好きなバンドを撮るこの夢のような映画を観るために、映画館へ駆け込んだ。
トミーがスクリーン越しの観客に話しかけてくるオープニングから僕の心は鷲掴みにされた。
ボブ・ゴーディオがフランキー・ヴァリの歌声に驚嘆し曲を書くと決めたシーンからエンディングまでずっと泣いていたように思う。

僕が暗闇の中にいたのは2時間くらいだが、彼らフォー・シーズンズと40年くらいの人生を共に過ごした気分になった。
泣きながらスクリーンを出ると、出入り口でその映画館のスタッフで昔一緒にバンドをやっていた友だちが、泣いている僕に戸惑いながらも優しく笑ってくれた。

映画を観ると自分の人生の一部になるし、時として現実世界に侵食してくる時もある。
僕は映画のそういうところが堪らなく好きだ。

ライブも無くなり、仕事も在宅になり、家に引きこもっているので、映画を通して色々な人生を過ごしたい。

イーストウッドのウェットに行き過ぎない演出や、カットの繋ぎ方はやはり感動するし、伝記映画やバンド映画が好きな人にオススメです!
あとフォー・シーズンズの音楽は本当に最高!

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角田健輔
(すみだけんすけ/ミュージシャン)

1993年3月生まれ 鳥取県米子市育ち
大阪芸術大学映像学科卒業

And Summer Clubとラスト・チャンスというバンドやってます。
たまに友だちのミュージックビデオも作ってます。



『ありがとう、トニ・エルドマン』

マーレン・アデ監督

(Amazonプライム TSUTAYAプレミアムなどで視聴可能)

こういう事態だからこそ、なんだかよくわからないことで笑ったりする余裕を持ち合わせておきたい。そう思ってこの映画を選びました。

忙しい日々を生きるうちに抜け殻のようになってしまった娘を、父が愛とユーモアで救うというお話です。

当時アルバイトをしていたミニシアターで、休日に見に行ったこの作品。
なんだかつかみどころがなくてぼーっとしていて、すごく気まずい感じのシーンもちょこちょこある。さらにお父さんの仕掛けるイタズラがとにかくくだらなくて、スベりまくって気まずい。でもその気まずさがなんか笑える。

なんだかよくわからないけど、上映中はみんな同じようなところで笑っていて、なんだかよくわからないけど終わった後には温かい気持ちになっていました。

また映画館で映画を見ることができるように、現実と向き合いつつも、辛気臭いムードに流されすぎずに、ユーモアを忘れずに。

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浜村満果
(はまむらみちか/アニメーション作家・漫画家・イラストレーター)

1994年生まれ。奈良県在住。京都精華大学デザイン学部卒業。現在はフリーランスで活動。自身の実体験をもとに製作する作風で、漫画、アニメーション、イラスト、デザインなど様々な分野で幅広く活動中。


【家で観る映画】vol.6、如何だったろう?

映画館に行きたくても行けない私は、あなたは、今どんな作品を観るべきなのか……
そんな気持ちが篭もったレビューだからこそ、こんなにも心を打たれるのだろう。

上述した配信ライブでは、
「ライブハウスに入り切らないくらいの皆さんに視聴していただいてます。ありがとうございます!」
と、感謝するアーティストさんに、
「でも、収束したら絶対にライブハウスへ行きます!」
と、コメントが送られた。

自粛生活を強いられている全国の映画ファンは、収束後どんな作品を、観るのだろう。
どこの映画館で、観るのだろう。

想いを、馳せる――。

Do refrain!

【家で観る映画】vol.1

【家で観る映画】vol.2

【家で観る映画】vol.3


【家で観る映画】vol.4

【家で観る映画】vol.5

【家で観る映画】vol.6

【家で観る映画】vol.7

【家で観る映画】vol.8