2月11日(火・祝)シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町)にて、【Yutaka Hoshino Retrospective/星能豊 特集上映】が開催される。
A、B、2組のプログラムで構成される特別上映で、俳優 星能豊の特集上映は意外にも史上初だという。
2019年の【湖畔の映画祭】で主演俳優賞(『土手と夫婦と幽霊』)を受賞した星能豊。
審査員として参加していたシネマスコーレ坪井篤史副支配人たっての熱望により、今回の特集上映は実現した。
星能豊といえば、『土手と夫婦と幽霊』以外にも、『センターライン』(監督:下向拓生/2018年)『かぞくわり』(監督:塩崎祥平/2018年)など劇場公開作品にも出演作が相次ぐ注目の役者だ。
【Yutaka Hoshino Retrospective】は、なかなか観る機会のない短編映画でプログラムを組んだ、映画ファン必見の内容となっている。
今回、なんと星能豊ご本人から、各作品の解説コメントを頂いた。
監督本人の見解ではございません。ご了承ください。(星能豊 談)
Aプログラム
『ウィンターランド』
ストーリー
ある男が冬の港に訪れると、どこか見憶えのある男と出会う。そして、誰かから聞いた古い記憶を思い出すのだった。男の独白で綴る実験的な映像詩。 キャスト
舟見和利 星能豊
スタッフ 協力:渡邉高章、渡邉美帆 原案:「くさばな」萩原朔太郎 脚本・監督:こだかさり 4分28秒 / 2014

星能豊
サリさんは武蔵野美術大学出身で、在学中に卒業制作の映画にスタッフとして参加されていたのがきっかけで知り合いました。ちなみにその卒業制作の作品『果てしない今』(坂井晶子監督)ではカメ止めご出演の細井学さんと共演でした。
上映作品『ウィンターランド』は共演の舟見和利さんとの詩的にも見える作品となっています。
実際に劇中のセリフを上映後に朗読したりと、面白い試みはもちろん映像でも発見できます。
サリさんの作品にはそんな面白い試みがたくさんあります。『夜はしずかに』という作品も面白い撮り方をしているんです。と、思いきや関取花さんの『カメラを止めろ!』MVではワンカット長回しのシーンを多用したりと全てがサリさんが実験的なことを楽しみながら作品として残している印象を受けます。
そして、サリさんは同じ金沢出身です。
「金沢で 星能さんに出てもらいたい映画あるんですよ」とか言ってくれませんか?
オファーお待ちしております。笑
『repeat in the room』
ストーリー
平凡な毎日を規則正しく暮らす42歳の会社員「リピート 」は、ある日突然職を失う。
中学生の頃の同級生との再会をきっかけに、彼の部屋に14歳の自分、「リピートくん」が現れるようになる。
彼の部屋では現在と過去、現実と妄想が入り交じり、彼の規則正しい生活は続く。
キャスト 星能豊 鈴木日那太 小田篤 水上竜士 スタッフ 監督・脚本:長谷川汐海 撮影:鈴木綾花 照明:伊藤沙稀 録音・音響効果:三浦紘彰
監督プロフィール 長谷川汐海 1996年愛知県生まれ。名古屋学芸大学映像メディア学科にて映画プロデューサーの仙頭武則氏に師事。大学卒業後は名古屋の映画館で働きながら映画制作を行っている。星能
長谷川監督と撮影を担当した鈴木綾花さんが共同プロデューサーとして名古屋学芸大学卒業制作として作られた映画です。
鈴木綾花さんは先輩となる大塚史津監督『偽りにナイフ』に撮影助手で参加しており、卒業制作となる『repeat in the room』では撮影監督として、後輩の撮影助手に教えながら撮影していたのが印象に残りました。
長谷川監督の持つ世界観は(関係者の一部ではその長谷川汐海ワールドの不思議を称して「世界のハセガワ」と呼んでいる)戦友として苦楽を共にした鈴木さんにしか撮れないのかもしれません。
その後、湖畔の映画祭で斎藤工さんにご高覧いただき、雑誌・映画秘宝の連載にて紹介されます。
金沢を拠点に活動している僕のことにも触れていただきうれしかったです。長谷川監督は3冊買ったそうです。
そして、劇中歌にはケミカルボリュームの「ここから」が使用されています。実は僕が東京を離れて金沢に拠点を移すときにプレゼントしていただいた歌です。
今回はかなり削ぎ落として短く新たなバージョンでの上映となります。
長谷川監督の実験的な要素を含みつつ映像世界の構築を楽しみながら作品として残すところは、こだかさり監督とも共通項があると言えるでしょう。
『別れるということ』
星能豊とシネマスコーレを繋いだ『土手と夫婦と幽霊』渡邉高章監督の最新作。
なんと1月23日に撮り終えたばかりで、今回の上映がワールドプレミアだ。
当作品については、今後続々と情報が更新されるはずなので、当サイトでも随時お知らせしていく。
続報に、乞うご期待!
Bプログラム
『ちかくて、とおい』

星能
昔、とある現場でお手伝いで参加していた登り山さん。
それから長い年月が過ぎ、なんと、監督として、僕に出演オファーが来ました。
脚本を送っていただき、バリバリのホラーが撮りたいのかなと思っていましたが、僕の勘違いでした。
家族のことを描きたいけど、描く手段として結果としてはそのためにホラーのようなジャンルになったと。
登り山監督は作品がなかなか映画祭に通らず、悩んでましたが、僕はPFF(ぴあフィルムフェスティバル)の一次審査に通っただけでも よかったと思っていました。
広島で開催の「広島こわい映画祭」に入選が決まり、都内以外では広島に続き、名古屋で上映決まり、ほっとしました。
血がドバーっと出るとか、そういう怖いではないです。
でも、家族の話にホラーの要素を含ませ、観る人に少しずつ静かな場所(特に映画館という場所)で不安だったり、次に何が起こるんだろうという気持ちにさせる登り山監督の手法は素晴らしいと思います。
『ピンぼけシティライツ』

Aプログラムは18:30より、Bプログラムは20:30より、チケットは各回1,000円という破格の代金という。
星能豊はもちろん、ゲストが大挙スコーレに押し寄せる、お祭り騒ぎの夜になる。
シネマスコーレの坪井副支配人によると、今後もこういった特集上映を組んでいきたいとのこと。
監督やキャスト陣が詰めかけるこの夜は、新たな出会いが溢れることは間違いない。
制作者と役者、作品と映画館、そして作り手と観客、新たなカップリングが生み出される歴史的瞬間を、どうぞ御観逃しなく。
「あの監督の特集上映が組まれる切っ掛けになったのは、あの夜だった」
「この俳優が売れっ子になったのは、シネマスコーレに来てからだった」
「映画が作られたそもそもの始まりは、トークショーでの掛け合いだった」
映画ファンは、近い将来そんな話を口にするであろう。
2月11日は、そんな夜だ。
【星能豊 特集上映】は、そんなイベントだ。
追加ゲストに関しては、当サイトでも情報が決まり次第アップするつもりなので、直前までチェックしてほしい。
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