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令和元年6月1日(土)、シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町)では、『ピア〜まちをつなぐもの〜』(監督:綾部真弥/2019年)舞台挨拶が開催された。


主演・高橋雅人役の細田善彦と、今作の関連作品『ケアニン〜あなたでよかった〜』(監督:鈴木浩介/2017年)から佐藤夏海役で出演している松本若菜が登壇するということで、客席は開館前から詰めかけた多くの映画ファンで満席となった。


『ピア』は『ケアニン』のスピンオフ作品として作られた映画で、シネマスコーレでは6月1日から両作品を続きで観られるスケジュールを組んでいる。


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『ピア〜まちをつなぐもの〜』レビュー


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細田善彦 今日は来ていただいてありがとうございます。……随分、(客席との距離が)近いですね(場内笑)。今日は、楽しい時間を一緒に過ごせたら良いなと思います。よろしくお願いします(場内拍手)。


松本若菜 皆さん、こんにちは。……あれ、(映画を観たのに)泣いてないですか、皆さん(笑)?


細田 皆さんが泣いてくださってる予定だったんですけどね(笑)。


MC. さっき「どうでした?」って言ったら拍手までに時間があったんで、皆さん感動してて、すぐに発することが出来なかったんだと思います。(司会進行:涼夏)


松本 そうですか……よかった(笑)。今日は色んなことをお話できたらなと思ってますので、よろしくお願いいたします(場内拍手)。


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MC. 『ピア』は4月26日(金)から全国順次公開となっていますが、反響は如何ですか?


細田 僕自身が凄く在宅医療というものを広げたいし、届けたいと思っていたんですけど、僕のところには「分かりやすかった」と言っていただきますね。そもそもYouTube動画なんかで「在宅医療」って調べていただくと分かるんですけど……無いんですよね、分かりやすい仕組みというか。それが先ずは伝われば良いなと思ってました。……どうですか?


松本 そう思う(場内笑)!私は前作『ケアニン』から引き続き、佐藤夏海という役で出させていただいています。前回は利用者さんのお世話をする係だったんですけど、今回はケアマネっていう形で、利用者さんと医療従事者の間に立つ橋渡し役という役割の職種になっていたので、前回と全然違う形での仕事だったんですね。なので、『ケアニン』の時は同じケアニンの方からの感想が多かったんですけど、(今作は)ケアマネの方からの感想も結構いただいていて。「実際のケアマネ、あんな夏海さんみたいにズバズバ言う人いません!」(場内笑)、と仰る方もいらっしゃったんですけど、でも「初心を思い出させてもらいました」という言葉をいただくと、真剣に役に向き合って良かったなって思いました。


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細田 ちなみに、今日「ケアニン」と2本立てでご覧になってくださった方は……わ、結構いっぱいいらっしゃいますね!(松本さんに)何年前の作品ですか?


松本 うーんと……(撮影時期は)3年くらい前かなぁ。


細田 『ピア』は去年ですよね。で、現在。……どの若菜がお好きですかね(場内笑)?


松本 (笑)……ちょっとずつね。


細田 ちょっとずつ、刻んでますから(笑)。


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MC. お2人はトークの相性が物凄く良いですね。でも、今回の作品が初共演なんですよね?


細田 はい、初めてです。


MC. 役柄上、最初は2人の関係は超最悪でしたよね?


松本 最初はね……最悪なんですもん、もう。


細田 いやいやいや(笑)……


松本 苦笑い(笑)。


細田 台本についてとか、作品についてという話よりも、プライベートの話をさせていただきましたね。


松本 「何を飼ってるの?」「柴犬だよ」、「何飼ってるの?」「猫だよ」みたいな、そういうプライベートなことを(笑)。


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細田 一つだけ聞きたいのは、『ケアニン』と『ピア』と連続でヒロインをやられてるじゃないですか。戸塚(純貴:『ケアニン』主演・大森圭 役)くんと、細田くんと、どっちがやりやすかったですか(場内笑)?これだけは、はっきり聞いとこうかなと思いまして。


MC. 『ケアニン』を観てない方もいらっしゃるでしょうけど、『ピア』でも前の勤務先のシーンで……


細田 あ、そうか!戸塚くん(『ピア』にも)出てますもんね。


松本 そうです、そうです。


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細田 ヘルメット持って、バイクでブンブン!って。『ケアニン』感を急に出し始めた、あのシーンは(場内笑)……2人のアドリブなのか何なのか、何言ってるか分からないような……僕と綾部監督とポカーンでしたからね(笑)。戸塚さんが出られたら、急に松本さんは生き生きしたというか(場内笑)。アドリブ満載で、わちゃわちゃし始めて。『ケア』からの僕と監督は、「あ、こんな感じなんだ」って(場内笑)。……で、どっちがやりやすいですか(笑)?


松本 そうですね……今後の仕事に影響しそうな(場内笑)。また、全然違う立場だったんですよ。前回は、先輩から後輩へ。今回は、仕事に上下とかは作りたくないんだけど、「お医者さんは上」っていうのを好きじゃないという役だったりしたので。えぇ(笑)……純貴くんは、弟みたいなの。他の作品でも一緒にやってて。だけど……(細田さんは)従兄弟みたいな感じ(場内笑)。


細田 ……遠のきましたよね(場内笑)!?


松本 久しぶりに会っても、「おぉ!」みたいな感じ。純貴くんは、「大丈夫〜?」みたいな。しっかりはしてる子なんだけどね。……もう、許してください(場内笑)。


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Q. 若菜さんに質問です。今回の作品は、凄く感情を表現されていましたが、演技に何%くらい出してる感じでしたか?


松本 作品によって何%とかって、ないかもしれないですね。「いつも全力」って言ったら、何か良い子ちゃんになっちゃいますけど、何%と言うよりは、今回は喜怒哀楽が激しかったんですね。『ケアニン』とは違って、自分の昔をナオト先生に初めて言うみたいなことを……


細田 俺(の役名)、雅人だよ(場内笑)。


松本 ……私今、何て言った?


細田 「ナオト」って。これが、姉弟と従兄弟の差ですね(場内笑)。


松本 ごめん(苦笑)。今回は色々な感情も出たりしたので、こういう言い方をしたらどうかと思うんですけど、毎日が凄く疲れたんですよ。凄いエネルギーを使った役だったなと思います。


細田 いや、着眼点が僕も一緒で、今朝お会いした時に「今日の若菜さんは、何%ですか?」って言ったんです。


松本 あ、本当だ。言ってた(笑)。


細田 「今日は花粉症が終わり掛けで、ちょっとパーセント低いです」みたいなことを言われたんですけど、そうなんですね。


松本 そうなんです。皆聞きたがりますね、パーセントって。


細田 大事です。


松本 何%だった、雅人先生は(笑)?


細田 僕は、常に150(%)ですよ(場内笑)!


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Q. 「邪魔くせ!」っていうのが、凄く印象的でした。あれは、アドリブだったんですか?


松本 アドリブですね(笑)。


細田 僕も、吃驚したんですよ。僕はそっち(松本さん)の方を見てなかったんですけど、本編を観たら結構ちょいちょい僕に対してムッとした顔とか(場内笑)……どんどん出してて、僕は結構ゲラゲラ笑ってたんです。「俺、こんな怒られてたんだ」って思いながら(場内笑)。アドリブですよね?


松本 アドリブっていうかね……本当にね、腹が立ってたのよ(場内笑)。(細田さんは)腹が立つ表情してるのよ(笑)!


細田 褒められてるのか、分かんないんですけど。


松本 褒めてるつもりです。だから、やりやすかったです(場内笑)。本当に、癇に障るというか(笑)。綾部さんは、『ケアニン』の時の助監督さんだったんですよ。今回は監督っていう形で演出してくださったんですけど、綾部さんは夏海っていう役を任せてくれた感じはありますね。


MC. アドリブは、リハーサルから出していった感じですか?


松本 お互い結構アドリブやってたよね?


細田 いや、一つも無いですよ、僕は(場内笑)。


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Q. 細田さんの、今後の活動を教えていただけますか?


細田 そんな、僕の宣伝タイムにさせてもらっても良いんですかね(場内笑)?実は、名古屋の別の劇場(名演小劇場)では、『武蔵 むさし』(監督:三上康雄)という時代劇をやっています。僕は二刀流の武蔵役で、佐々木小次郎役は松平健さんです。今までの小説が元だと武蔵と小次郎がライバル関係だったりとかする作品が多かったんですけど、今回は歳が離れた武蔵と小次郎という史実で描いた作品なんです。よかったら、是非観てください。


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Q. 今後、在宅医療については大変重要になってくると思いますが、作品で関わってみたお2人はどのように思いますか?


松本 人と人との繋がりというのを一番に思っていて、地域の中での交流なんですけど、正直「ケア」(について)のお話を今回頂くまで、私ケアマネっていう職種を知らなくて、一から勉強するところから始まったんです。人生の最期をどういう風に迎えるか、色んな選択肢がある中でやはり在宅での最期が一番幸せかと思っていて。地域との繋がり、家族との繋がり、そして題名にもなっている「ピア=仲間」、そういう部分を大切に撮っている作品だと思っています。皆さんにも、何か琴線に触れるものがあれば嬉しいなと思います。


細田 在宅医療って、家族の負担が物凄くあると思うんです。それを解消する上でも、家族と患者でコミュニケーションを密に取っていくことによって、最期を思った通りの選択に出来るんじゃないかと思って。例えば、ご家族としては在宅で最期を看取りたいんだけど、ご自身は家族に迷惑を掛けたくないから病院や他の場所を選択するケースもあるみたいなんですね。そういったことを無くすためにも、普段からの家族間でのコミュニケーションが一番大事になってくるんじゃないかな、と。そういう重大なことを告げられる環境作りみたいなことが、普段から大事なんじゃないかと思いました。


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MC. 最後に一言お願い致します。


松本 先ず、この劇場に来れて良かったです。ありがとうございます(場内拍手)。


細田 同じことを言おうかと……


松本 後付けを(場内笑)。本当、名古屋の皆さんとこうやってお話しが出来て、凄く嬉しかったです。この映画は観方によって全然内容の入り方が違ってくると思います。SNS等で発信していただけたら嬉しいんですけど、是非人と人との繋がり、一番大切な繋がりのコミュニケーションの一つとして会話で、どうかこの作品を盛り上げていってくださったらとても嬉しいです。今日はどうもありがとうございました(場内拍手)。


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細田 今日は、ありがとうございました。本当にこれから在宅医療の問題って沢山出てくると思うんですよね。それを描き続けたいという我々の想いもあるので、是非この映画が広めてくださると、続編なんていうことも出来たりすると思うので……


松本 ちなみに、『ケアニン』は『2』の製作が決まって……


細田 それ、言って良いヤツだったけ!?


松本 言って良いよ(場内拍手)!……やめてよ〜(場内笑)。


細田 (笑)。是非そうやって色んなことを、映画を通して我々は発信していきたいと思っているので、皆さんにこの映画を広めていただけたらとても嬉しいと思ってます。今日は、ありがとうございました。


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舞台挨拶の後は、サイン会が開かれた。


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ファンからのメッセージが、映画の感想が、在宅医療についての質問が、医師・高橋雅人こと細田善彦に、ケアマネージャー・佐藤夏海こと松本若菜に届けられた。


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丁寧に受け答えするお2人と観客の間には繋がりが生まれ、椿町に出来た長蛇の列は30分を経過しても尚続いていた——。


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映画『ピア〜まちをつなぐもの〜』公式サイト

http://www.peer-movie.com/


シネマスコーレ公式サイト