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4月6日(土)〜 シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町)

4月20日(土)〜 シネマ・ロサ(東京都豊島区西池袋)

国内外の映画祭を激震させ続ける「怪物映画」、『センターライン』(監督:下向拓生/2018年/67分)。

一般公開直前、特別企画第二弾をお届けする。

『センターライン』ストーリー

地方検察庁に勤務する新人検察官・米子天々音(吉見茉莉奈)は、着任早々上長に詰めよる。刑事部だけを希望し長年努力を積み重ねていた彼女にとって、交通部への配属は承服できない事態なのだ。
時は平成39年、社会生活全般にAI(人工知能)が浸透する時代。自動車の運転もAIによる完全自動運転(限定的レベル5:全ての場所でシステムが全てを操作。但し、緊急時は運転者が操作)が普及していた。
天々音は、車同士の正面衝突による死亡事故で、運転を制御していた人工知能のMACO2(Motorcar Autonomous Control Operator ver.2)を過失致死罪で起訴する。
前代未聞の裁判の最中、MACO2の驚くべき供述により、事件は思いもよらぬ展開となる。人工知能に、感情は、心はあるのか?それを立証し、裁くことが、果たして出来るのであろうか――。


※よろしければ、こちらの記事もどうぞ※

AIは産みの母を夢に描くか? 下向拓生監督『センターライン』レビュー

『センターライン』公開直前!星能豊 インタビュー


公開直前『センターライン』特別インタビュー第二弾は、女優・望月めいり だ。


人工知能「MACO2」(マコ トゥー)の「母」である研究者・深見蘭子という難役にして物語のキーマンを好演した彼女は、映画だけでなく舞台も踏み、ダンサーとしても活躍している。

その多彩な才能に、迫ってみた――。


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Q. 最初は、星能豊さんからの質問です。

「女優のみならず、ダンサーや振り付け師としても表現活動をされている望月さん、今回の役作りでの取り組み方や、女優として表現することとダンサーとして踊ることで表現することそれぞれの違いや楽しみかたを教えてほしいです」


望月めいり ダンスはクリエーションしたり振りを落とし込む際に自分自身との対話が結構多いです。お芝居は自分の引き出しと役の目線や感覚が混じってくるので、自分1人では見たことのない景色を見せてもらえる時があります。それがまた自分のダンスになってきていると思います。ダンスからもらった繊細な身体の感覚もお芝居をしていると感じる時があります。ダンスとお芝居は、見え方としては違うかも知れませんが、なぜ触れたいと思うのか、なぜ走るのか、なぜ倒れるのか、何を見てどう一歩を踏み出すのか、どれだけ足が上がったかよりもどうやって足を上げたかということが自分にとってのダンスなので、お芝居と根っこが同じかなと思っています。なので、今のところ明確な違いはありません。これからも踊るように芝居をしたいですし、話すように踊りたいなと思っています。
ちなみに人に振付けをする時だけは全く別の脳みそを使います。楽しみ方は……人それぞれで(笑)。


Q. 芝居とダンス、望月さんにとっての軸足は、どちらなんでしょう?


望月 どちらも同じくらいです。今はお芝居の方が多いですがベースはダンスだと思っています。

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Q. ダンスとの出会いを教えていただけますか?


望月 踊ることを始めたのは小さい頃の習い事がきっかけです。母親の友人の子がバレエを習うというので一緒にならったんですが、どうにも先生が怖かった(笑)。それで一度やめたんですが、小学校に入ってもう一度踊りがしたいと言って……なぜ踊りたいと言ったのかは思い出せない(笑)。それから、モダンダンス、そしてコンテンポラリーダンスに出会い、続けています。


Q. では、お芝居との出会いは?

望月 地元にSPAC(静岡県舞台芸術センター)があり、子どもの頃から観劇したりしていました。なので周りに演劇をしている大人が多く、その人達から影響を受けた部分もあります。ダンスを続けていくうちに、ありがたいことに映画や演劇に出会っていきました。

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Q. 望月さんの出演作は、『ソーリーベイベー』(監督:田村専一)『だった人』(監督:藤木裕介)みたいにダンスシーンが印象的な作品もあれば、『眠れない夜に』(監督:山川智輝)や今作『センターライン』のようにアクションを排した役どころもあります。演じる上で、演りやすい、演りづらいといったことはありますか?


望月 『眠れない夜に』は、踊るシーンがもともとあって、編集でなくなったんです。『だった人』は、もともと踊るシーンはなくて、急遽踊りました。

お芝居の中の設定として、その人が踊る理由があれば……例えば、その役がアイドルだからとかイメージがハッキリしたものであったり、シーンの意味を抽象的に表現したいからとか、ハル・ハートリーの映画のようなダンスシーンを入れたい!とか……なぜ踊るのかが明確だと演りやすいです。

田村さんの『ソーリーベイベー』は、自分の中にダンスとお芝居が通じるんじゃないかと思えた頃に出会った作品です。今、自分がやりたいダンスにつながっています。劇中で使われているダンスシーンは1部ですが、1曲まるまる振付けをして踊っています。あれは楽しかった(笑)。

お芝居だけも楽しい。「役者として必要とされた!うれしい!」みたいな喜びもあります。振付けの脳みそを起こさなくても良いのでお芝居に集中できますね。


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Q. 『センターライン』は、オーディションですか?


望月 一応、オーディションも受けています。下向さんは「ヘッドハンティング」なんて仰ってますが……どうなんでしょ(笑)?


Q. 『センターライン』の台本を読んで、第一印象は如何でしたか?


望月 面白かったです。AI、裁判という知識的なものと、ドラマ性も感じてわくわくしました。私は凄く感覚で生きている人間なので、単純に感心しちゃいました(笑)。


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Q. 深見がMACO2に対して抱くに至った感情は、かつて預かったペットを死なせてしまったような彼女からしてみれば、本当に劇的な変化だったと思います。深見蘭子は、掴み所が難しいキャラクターだったのでは?


望月 そうですね。それが逆に興味深い部分と、考えていて面白かった部分でもあります。どうしたら彼女の感情を垣間見せることができるか……それはすごく感じました。自分に近い役だったら、「あの時の、あの感情」という引き出しが行動を手助けしてくれるけど、深見はどういう距離感で他人と接していて、どのタイミングで眼球が動くのかそういうことから考えはじめました。……脳科学者の人が、対談で「体が主役で感情はオプション」的なことを言っていて、その主役…体がオプションに動かされ、溢れる瞬間が見えたら最高だな~なんて考えていました。短いシーンですが、自分的にはめちゃくちゃ面白かったです。あとは多分、証言で成り立っているキャラクターなので、他の登場人物と役者さんが深見を作ってくれていたと思います。


Q. 事前に役作りをして撮影に臨まれたと思いますが、望月さんと監督の演技プランにギャップは無かったですか?


望月 撮影スケジュールの関係もあって、深見についてはスカイプで話をして、現場は任されていました(笑)。なので、私としては自由にやらせてもらった感じです。地味に苦戦したのは、英語の発音です。「監督!これでいいの!?本当にこの発音でいいの!?」みたいな(笑)。不安すぎてその場にいた市役所の職員さんにも聞いたりしました。


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Q. 物語では深見とMACO2は悲劇に見舞われる訳ですが、過程の描写はほとんど描かれません。深見は、何とかして研究を続けようとしたと思いますか?それとも、早々に絶望した?


望月 研究は続けていたと思います。絶望したら、それこそ生きていけなそう。何故あんな選択をしたかは、ちょっと分かっていないんですが(苦笑)。


Q. 雑談ですが……何とか予算を捻出するために、MACO2を使ってYouTube動画を配信してたりしたら、面白いですね(笑)。


望月 本当ですね!深見のYouTube配信とか、面白いですね!すごく面白い内容を話してるのに、めちゃくちゃつまらなそう(笑)。


Q. 深見のチャームポイントを教えてください。


望月 チャームポイントですか(笑)!?そうですね……私は、最終的に深見の不器用さを好きになってもらえたら嬉しいと思います。1回目では深見を冷たいと感じてもらって、2回目で「ああ、そういうことか」って。一見冷たいけど、それは人との距離を掴むこと、気持ちを表に出すのが下手なだけだと思うので、だからこそ「感情があるんだって知ってほしかった」という台詞につながるんだと思います。とはいえ、人のペットを死なせてしまうとか、不器用にもほどがあるんですけど(苦笑)。
あと、これは言っていいのかわかりませんが……深見の白衣の襟が折れているときがあるんです。ハプニングなんですが、私はそこがちょっと気に入っています。


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Q. 『センターライン』で、望月さんが一番好きなシーンは?


望月 やっぱり法廷のシーンですね!あと、第一発見者を見つけるシーンが、刑事モノあるあるーーー!で好き(笑)。

Q. 望月さん、『ストロベリーナイト』がお好きだとか?

望月 『ケイゾク』もです。


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Q. 「『センターライン』のジャンルは?」と聞かれたら、何と答えますか?


望月 SFサスペンスでしたっけ?……いや、ミステリー(笑)?


Q. それでは最後に、これから『センターライン』を観るお客様に、一言お願いします。

望月 平成が終わろうとしている今、起こるかもしれないし、起こらないかもしれない近い未来のお話です。気軽に楽しんでもらいたいと思うと同時に、人間と感情、機械との関係を少しでも考えてもらえたら嬉しいなと思っています。『センターライン』、よろしくお願いします!


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役者は、所作、表情、発声、抑揚、感情の発露、そして容貌……己の演技力の全てを駆使し、物語を紡ぐ。

製作陣は、プロットを立ち上げ、物語を練り、台本を遂行し、演技プランを作り、現場の空気を支配し、編集で磨き上げ……自らの技量を注ぎ込み、作品に仕上げる。


スクリーンには、「全力」が詰まっているのだ。


令和が良き未来になるかどうかは、現在(いま)をどう過ごすか、如何に生きるかに掛かっている。


今を精一杯いきたいと望むなら、映画館へ行くと良い――。


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映画『センターライン』
【出演】
吉見茉莉奈 星能豊 倉橋健

望月めいり 上山輝
中嶋政彦 一色秀貴 近藤淳 青木謙樹 松本高士
もりとみ舞 一髙由佳 青木泰代 いば正人 藤原未砂希

【スタッフ】
監督・脚本:下向拓生

撮影監督:JUNPEI  SUZUKI
セカンドカメラ:山川智輝/村瀬裕志

録音:上山輝/木村翔/上道裕太
小道具:木村翔/上道裕太/上山莉央
演出補助:山川智輝

法律監修:弁護士 鈴木成公
音楽:山口いさお(ISAo.)

主題歌:「シンギュラリティ・ブルース」小野優樹
ロケーション協力:いちのみやフィルムコミッション協議会/愛知県あま市企画政策課

2018年/67分


© 2019 Takumi SHIMOMUKAI

『センターライン』公式サイト
https://centerline2027.wixsite.com/centerline2027

シネマスコーレ公式サイト

http://www.cinemaskhole.co.jp/cinema/html/home.htm