日本で一番お寺の数が多い都道府県をご存知だろうか?
実は、愛知県なのだ。

文化庁「宗教統計調査」(2017年)によると、愛知県の寺院数は、4589カ寺。
これは、京都の3077カ寺(第5位)、奈良の1817カ寺(第16位)と比べても、群を抜いた数字だ。
(ちなみに、2位は3396カ寺の大阪府、3位は3289カ寺の兵庫県、4位は3213カ寺の滋賀県)

愛知県津島市で、奇数月の第一日曜日に開催される【津島でら寺巡り】(主催:津島れんげの会)は、各寺院の協力で行われる地域活性イベントだ。
普段は開放されない寺院で開催されるワークショップや写経・写仏の会などのイベントが評判を呼び、毎回大勢の参加者を集めている。

2017年から開かれている【宵の灯籠巡り】も大好評で、去年は夏季のみの開催だったのが、今年は7月、9月と2回行われた。

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「お寺に来てもらうだけで嬉しいけれど、歩いて回ることで健康に繋げてもらえると嬉しい」

9月2日18時、灯籠の一斉点灯の後、九品山 蓮台寺(愛知県津島市弥生町6)のお庫裡さま(御住職の奥様のこと)は、そんな風に言った。

1平方キロメートルあたりの寺院数のとこを「寺密度」というが、3.51カ寺の津島市は、東海三県一の寺密度を誇る。
津島市は、歩いて巡るのに最適な、「お寺の密集地」なのだ。

前日は土砂降りで、天気が心配された2018年2度目の【宵の灯籠巡り】だったが、ほんの一瞬小雨がパラついた程度で皆胸を撫でおろしていた。

牛玉山 観音寺(愛知県津島市天王通り6-43)

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ご存知「アート御朱印」と賞される御影御朱印で有名な、真言宗智山派の寺院。
うでわ念珠づくりと、朝だけでなく夜間にも焚かれた護摩祈祷は、沢山の参拝客を集めた。

青龍山 吉祥寺(愛知県津島市中野町7)

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真言宗智山派。創建は慶長13(1600)年以前と伝えられる古刹で、2006年ニューヨーク生まれ京都在住の建築家ジェフリー・ムーサス氏の大改修によって生まれ変わった。
写仏・写仏ぬり絵と薬膳粥のイベントが開催された。
 

帝護山 照蓮坊(愛知県津島市宝町20)

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津島市唯一の浄土真宗本願寺派の寺院。
お寺には珍しい石垣は、南北朝の騒乱で陣を敷いた名残だとも伝えられる。
米糀の甘酒(絶品!)が販売され、遠目でも近目でも楽しめる宵灯籠が大評判だった。

牛頭山 宝寿院(愛知県津島市神明町2)

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真言宗智山派の寺院で、津島神社の元神宮寺。
大人気となっている宥貴副住職の絵入り御朱印が、参加者限定で直書きしていただけるとあって、写経・写仏会は席が埋まる程の人出を集めていた。

大珠山 龍渕寺(愛知県津島市瑞穂町1-8)

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曹洞宗。その場で直書きしていただける御住職の御影仏御朱印が評判を呼び、全国から参拝客を集めている。
この日も、『津島でら寺巡り限定御朱印』を頒布されていた。

以上の六カ寺を巡ってスタンプを集めると、限定の『参加寺院合作御朱印』が授与された。

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最近の御朱印ブームを、「スタンプラリー感覚で…」と批判する声も多い。

だが…

お寺を巡り、
仏様の教えに触れ、
歴史を感じ、
ロマンに耽り、
健康をもたらす

…こんな素敵な智慧の意趣なら、スタンプラリー大いに結構!
筆者は、そう思って止まない――。

津島でら寺巡りホームページ