真っ赤に映えた水面は、風と波で幾百幾千の夕陽を鏤める。ぷかり、どぷりと漂う水辺に、懐かしい顔が浮かんでは消える。樹液めいた粘性を帯び、腐食した黄金のような鈍色の空気の中で、想い出は静かに息衝いている。そんな水は……想い出を封じ込めたような水の色は、青とい ...
また、生きて帰れたら 『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』レビュー
6月22日(土)から全国順次ロードショーとなる、フィンランド映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』が、凄い。『アンノウン・ソルジャー』は2017年フィンランド国内で最大動員を記録した映画で、しかも『スター・ウォーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などハリウ ...
『嵐電』鈴木卓爾監督 石田健太 福本純里 藤井愛稀 ロングインタビュー
映画『嵐電』――京都で、新宿で、名古屋で、その不思議で蠱惑的な魅力にハマる観客が続出している。※よろしければ、こちらの記事もどうぞ※【わらをも打って 笑いころげて 鈴木卓爾監督×井浦新『嵐電』レビュー】京都造形芸術大学の映画運動「北白川派」による第6弾プロジ ...
異郷できづいた「わたしの世界」 黒沢清監督×前田敦子『旅のおわり世界のはじまり』レビュー
国内だけでなくカンヌ国際映画祭など世界の映画ファンに愛され続ける、名匠・黒沢清監督。その最新作は、ホラーやサスペンスなど従来の黒沢作品のテイストとはガラリと趣きを異にした、成長と再生を描いたロードムービーである。ただし作風は違えども、黒沢清監督作品に共通 ...
『ピア〜まちをつなぐもの〜』細田善彦 松本若菜 舞台挨拶レポート(@シネマスコーレ)
令和元年6月1日(土)、シネマスコーレ(名古屋市中村区椿町)では、『ピア〜まちをつなぐもの〜』(監督:綾部真弥/2019年)舞台挨拶が開催された。主演・高橋雅人役の細田善彦と、今作の関連作品『ケアニン〜あなたでよかった〜』(監督:鈴木浩介/2017年)から佐藤夏海役で出演して ...
FlyingDoctor(フライングドクター)10周年 後半編も見せてやりましょう。@宗次ホール ライブレポート
名古屋のポップ・クラシック・ユニット FlyingDoctor(フライングドクター)結成10周年を記念して、ロングランで開催されている『FlyingDoctor10周年祭。祝いましょう、寿ぎましょう。』ライブも、いよいよ後半に差し掛かった。題して、「flying popping cheer vol.4 FlyngDoct ...
『嵐電』鈴木卓爾監督 石田健太 福本純里 藤井愛稀 舞台挨拶レポート
令和元年5月26日(日)、名演小劇場(名古屋市東区東桜)スクリーン1(定員105座席)は、満員の観客で溢れかえっていた。前日5月25日(土)に封切られた、京都造形芸術大学の映画制作プロジェクト「北白川派」が生んだ新たな傑作『嵐電』(2019年/114分)の舞台挨拶が開催されたのだ。 ...
ハラハラ、ドキドキ、のちハッピー『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』レビュー
ジメジメ気分を吹き飛ばす、サイコーに奇想天外で、とびきりスカッとする映画が届いた。そろそろ暦は、6月、水無月。今年は何でもかんでも定型句が付きまとうけれど、敢えて乗っかってしまおう……令和最初の梅雨がやってくる。梅雨前線に負けない、人生の荒波だって屈しない ...
両目で見届けて、手を差し伸べて 『ばあばは、だいじょうぶ』寺田心、ジャッキー・ウー監督 舞台挨拶レポート
全国の映画館で絶賛公開中の『ばあばは、だいじょうぶ』は、ジャッキー・ウー監督の最新作。原作は、第63 回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(2017年 小学校低学年の部)で、第3回「児童ペン賞」童話賞(2017)を受賞した、10万部以上のベストセラー絵本『ばあばは、だ ...
わらをも打って 笑いころげて 鈴木卓爾監督 ✕ 井浦新『嵐電』レビュー
京都造形芸術大学映画学科の劇場公開映画制作プロジェクト「北白川派」から、また傑作が生まれた。監督、脚本家、俳優などマルチな顔を持つ映画人、鈴木卓爾監督の『嵐電』だ。2016年から京都造形芸術大学の准教授に就任した鈴木監督は、実際に京都で暮らし、『嵐電』のシナ ...